Paul Vixie (11:10):
騒ぎ立てるのをやめ、「生成 AI の現実的な応用に目が向けられるようになるとどうなるだろう」と考える必要があります。 場合によっては、私たちにもわかりません。生成 AI はかなり新しいテクノロジーであり、このテクノロジーのために多くのハードウェアやソフトウェアが生み出されています。そして、そのツールがどのような影響をもたらすのかは、そのツールの作成者以外のユーザーが使用するまで、実際にはわかりません。おそらくレンチメーカーは、レンチがハンマーとして使用されることを想定していなかったでしょうが、状況によってはうまく機能する可能性があります。
生成 AI について騒ぎ立てるフェーズが終わり、ニュースの見出しが別の話題に取って代わられるようになった後に、このテクノロジーが真に何を可能にしてくれるのかは未だ明確になってはいません。そうは言っても、私たち Amazon は、少なくとも過去 12 年間にわたって、AI ベースのソリューションの研究、開発、デプロイを行ってきました。したがって、これは私たちにとって完全な驚きではありませんでした。
私たちには既に、CodeWhisperer システムという生成 AI 手法を使用した例がありますが、見出しになっているようなものとはまったく違うシステムです。私には、あらゆる種類のシステムで同じことが起こっているように見えます。例えば、異常検出を実行する際には、システムからのテレメトリフローを調べ、何か問題が発生している可能性を示すイベント、または誰かが攻撃していることを示している可能性のあるイベントを調べます。このテクノロジーのおかげで、それらをより適切に相互に相関させることが可能になるでしょう。繰り返しになりますが、私たちが見ているのは、このテクノロジーによって可能になることのわずか 1% 程度だと感じます。
私は大げさに騒ぐのを好まず、最初から真剣に取り組めばいいのにと思う一方で、ここには本当のメリットがいくつかあることも理解しています。私は、「これが一般的に利用可能になり、一般的に理解されてるようになった今、お客様により良いサービスを提供するにはどうすればよいのか」という質問に対する答えを出そうとしている AWS Security 内のいくつかのチームと協力しています。
Clarke Rodgers (13:14):
そして、テクノロジーの観点から、生成 AI ツールを使用して、多くの単調な作業をこなさなければならない人間のセキュリティ担当者をサポートする方法も考えていますよね。
Paul Vixie (13:25):
はい。製品を宣伝するつもりはないのですが、Amazon のクラウドでの最大の成功は常に、お客様による導入と構築を可能にするワークフローであり続けてきました。そのため、大規模言語モデル分野で私たちが最初に行ったことの 1 つは Bedrock でした。そのアイデアは、大規模言語モデルを使用する場合、トレーニングコストも支払ってもよいと考えるだろうか、 モデルを構築しなければならないことを許容できるだろうか、という疑問に端を発していました。
なぜなら、これを実行するには、何千時間、あるいは何万時間という非常に高コストの計算時間がかかる可能性があるからです。そして、さまざまな事前構築済みモデルをメニューから必要に応じて選択できる一方で、それを自分のシステムにコピーするのにコストがかからないのであれば、VPC にロジックを配置することだけでなく、これらのサブスクリプションモデルにアクセスできることを認識している API に直接アクセスできる当社のクラウド環境でどのようなことでも実行できるのです。
そして、当時は認識しておらず、ここで働き始めて知ったのですが、当初の前提、すなわち、クラウドの前提は、伸縮自在な量のコンピューティングとストレージを備えており、本当に必要なだけ使用できて、アクセスペナルティがないということでした。このことが、当社の成長を支えたのです。そして今、私たちはそれを生成 AI の内部でも実現できるようにしました。これにより、市場のそれぞれの分野で非常に野心的なユーザーが、LLM なしで当社のクラウドでいつも実行していたことを、当社のクラウドと LLM を使用して実行できるようになります。これはすばらしいことです。この機能の真の力は、お客様がこの機能を使用して何を実現したのかによって決まるからです。
Clarke Rodgers (15:13):
そして、お客様からは長年使用してきたすべてのセキュリティツールや他の側面から信頼をお寄せいただいており、その信頼は Bedrock や今後登場する可能性のある他のツールにも同じようにお寄せいただけるでしょう。
Paul、今日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
Paul Vixie (15:26):
すばらしい時間でした。このような機会をいただき、感謝します。