CalvertHealth が AWS Elastic Disaster Recovery を利用して電子医療記録システムの回復力を改善し、復旧時間を短縮

ディザスタリカバリ (何らかの中断が発生した後にサービスを迅速に復旧できる能力) は、あらゆる組織にとって重要です。特に、医療機関にとっては不可欠です。ディザスタリカバリに関する組織の回復力は、2 つのメトリクスで測定されます。1 つ目は、サービスの中断から復旧までの最大許容時間を測定する目標復旧時間 (RTO) です。2 つ目は、重大な被害が発生するまでの期間に失われる可能性があるデータ量を測定する目標復旧時点 (RPO) です。 

メリーランド州の田舎にある独立病院である CalvertHealth は、RTO の点で三重のリスクに直面していました。CalvertHealth はテクノロジーを利用していますが、田舎にあるため、災害が発生した場合のバックアップを取得するために頼りにできる組織が近くにありません。同時に、病院は中部大西洋沿岸地域にあるため、ハリケーンやその他の自然災害の危険にさらされています。貴重な患者データの宝庫であるため、ランサムウェアや他のサイバー攻撃のリスクも高いです。Gartner の最近のレポートによると、このような災害は、中規模の病院に対して、平均で 1 分あたり約 5,600 USD (1 時間あたり 30 万 USD 超) の損害をもたらす可能性があります。その被害額は多大であり、深刻なリスクです。 

CalvertHealth の回復力を改善することで、病院はより確実に患者にサービスを提供できるようになります。そこで、Amazon Web Services (AWS) が CalvertHealth に連絡して、RTO と RPO を短縮することになる主要な電子医療記録 (EHR) システムの改善について提案したところ、同組織には喜んで受け入れていただきました。AWS の堅牢なバックアップ機能とディザスタリカバリ機能を利用することで、CalvertHealth は RTO と RPO を大幅に削減できました。

現代における患者の治療では、他の組織と情報をやり取りする必要があります。CalvertHealth は、患者の病歴、現在の処方、オピオイドの使用状況などについて、Maryland Health Information Exchange および州と定期的に連絡を取り合っています。システムがダウンすると、CalvertHealth は患者の治療について適切な決定を下すことができなくなります。これは患者に害を及ぼす可能性があるだけでなく、組織の評判を損なう可能性もあります。 

「機密データを取り扱うほぼすべての医療機関の目標は、可能な限り早急にシステムを復旧してダウンタイムを減らすことです」と CalvertHealth の最高情報責任者である Melissa Hall 氏は述べています。 

CalvertHealth は、MEDITECH の EHR システムを利用して患者データへのアクセスを提供していました。データのバックアップは、サードパーティーのソフトウェアを利用するサーバー上の企業データセンターにおいて、オンプレミスで行われていました。当時の CalvertHealth の EHR システムの RTO は 48～72 時間で、これは許容できない時間でした。 

AWS パートナーである SecureKloud の子会社であり、CalvertHealth のコンサルタントでもある HealthCare Triangle は、MEDITECH に関する専門知識を有しており、EHR 復旧サイトを AWS クラウドに移行することを CalvertHealth に推奨しました。これにより、CalvertHealth の EHR の回復力が改善するだけでなく、便利なインターフェイスで組織のデータを利用できるようになることが見込まれていました。さらに、アプリケーション復旧システムを AWS に移行することは、災害発生時に企業データセンターのすべてのサーバーを CalvertHealth が手動で設定および管理する必要がなくなり、復旧時間を短縮できることを意味していました。 

その目標を達成するために、CalvertHealth は AWS Elastic Disaster Recovery (CloudEndure Disaster Recovery) などのいくつかのソリューションをデプロイしました。このソリューションは、手頃な料金のストレージ、最小限のコンピューティング、およびポイントインタイムリカバリを使用して、オンプレミスおよびクラウドベースのアプリケーションを迅速かつ確実に復旧することで、ダウンタイムとデータ損失を最小限に抑えます。また、AWS Backup も利用しました。AWS Backup は、組織が AWS のサービスおよびハイブリッドワークロード全体でデータ保護を一元化および自動化するために利用できるサービスです。CalvertHealth のネットワークエンジニアは、HealthCare Triangle および AWS チームと協力して、AWS Elastic Disaster Recovery と AWS Backup を約 140 台のサーバーにデプロイしました。これらのエンジニアは、VPN セットアップを通じて情報を引き出しました。これは、AWS 環境でデータをレプリケートするのに役立ちました。この変更により、CalvertHealth の RTO は 72 時間から 2 時間未満に短縮されました。これは 97% の改善です。

CalvertHealth の看護師と臨床医は、EHR に迅速にアクセスする必要があるため、新しいシステムが同じような外観を備えていることの恩恵を受けています。なじみのあるシステムを使用することで、職員はより迅速に業務を遂行できます。 

「それがハイブリッドであり、また AWS 環境に存在しているという事実は、職員が以前ほど接続をモニタリングしなくてもよくなったということを意味します」と Hall 氏は述べています。「これはメリットです。なぜなら、私たちはより重要なことに注力できるからです。他社に、システムが想定どおりに機能し続けていることを監視することを任せることができるのです」。 

新しい EHR バックアップおよび復旧ソリューションにより、CalvertHealth のセキュリティとコンプライアンスが改善しました。最近の第三者によるセキュリティ監査では、RTO の大幅な削減により、CalvertHealth の全体的なセキュリティ評価が改善しました。また、同組織は、サイバーセキュリティの保険業者ともこの情報を共有しました。「保険業者は、小規模な独立病院がこれほど短い RTO を達成できたことに感銘を受けていました」と Hall 氏は述べています。「それは私たちにとって大きな成功でした」。 

ついに、CalvertHealth は初期費用をかけずにシステムを稼働させることができました。AWS チームは、病院をサポートする AWS の取り組みの一環として、HealthCare Triangle と協力してコストを最小限に抑え、プロジェクトに投資しました。初期費用が最小限に抑えられたため、Hall 氏はそれを取締役会の議題として取り上げてもらったり、このシステムをコスト要因として上司以外の人に提示したりする必要はありませんでした。「方法について心配するよりも、ただ正しいことをすればよいのです」と Hall 氏は述べています。

RTO を短縮するために AWS ソリューションを実装したことで、CalvertHealth システムの回復力が改善し、管理者とスタッフの両方に安心感がもたらされました。 

「AWS と HealthCare Triangle のソリューションを利用して、当院は、地方のほとんどの独立病院ができないことを成し遂げました」と Hall 氏は述べています。「可能な限り早急に物事を復旧して再稼働させるのに役立つ AWS ツールが導入されていることを知っていることで、私や他の経営幹部のストレスは軽減されます。これは私たちにとって Win-Win の結果であると言えるでしょう」。

詳細については、https://aws.amazon.com/disaster-recovery/ にアクセスしてください。