インドのヘルスケアシステムは、公共のシステムも民間のシステムも広大で分散している上に、都市部と郊外のクリニックにおいて品質に大きな開きがあります。プロバイダーは地理的に大きく分散していることが多く、患者は治療を受けるために 3 ~ 4 つの場所に行かなければならないことがあります。例えば、Medlife の共同創業者である Tushar Kumar 氏には、家族のために医薬品を購入するために 40 マイルも歩いた経験があります。Medlife は 2014 年にワンストップヘルスケアプラットフォームのオンライン製薬企業として創業し、専属医師による電話相談に加えて、バンガロールの診断センターでの研究サービスを提供しています。インド国内の約 3,000 の都市でサービスを提供する Medlife は、注文の完全なライフサイクルの管理で独自のシステムを築いています。現在、同社は、40 の自社フルフィルメントセンターを所有および展開して、シームレスなカスタマーエクスペリエンスを提供しています。
Medlife はクラウドで生まれ、そのサービスの成熟のためにアマゾン ウェブ サービス (AWS) を選択しました。Medlife はヘルスケア企業であることから、データプライバシーは最も重要です。AWS が ISO 27001 や ISO 9001 などの認証を受けているという事実から、Medlife はそのデータがセキュアであるという確信を得ました。
設立当初、同社は、サードパーティーベンダーによって侵害された可能性のあるデータに関するレポートを追跡する顧客にショートメッセージサービス (SMS) テキストを送信するために Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS) の使用を開始しました。「データセキュリティで妥協するという選択肢はありませんでした。したがって、私たちは、追加のセキュリティを提供してくれる Amazon SNS を採用しすることにしたのです。配信のタイムスパンは非常に高速でした」と語るのは、Medlife のデータベースアーキテクトの Pranesh Vittal 氏です。
SMS はインドで広く使われているコミュニケーションチャンネルで、モバイルサブスクライバーの数は E メールアドレスを持つユーザーの数を大きく上回ります。Medlife は、医薬品の配送を待っている顧客に最大 3 件のメッセージを送信し、受注や推定配達時刻などの詳細を提供しています。以前のプロバイダーでは、メッセージの損失の問題が発生していて、注文の損失、そして収益の損失が生じていました。Amazon SNS に移行してから、SMS 通知に関するサービスレベルアグリーメント (SLA) は 92% から 97% へと改善し、現在もさらなる改善を続けています。現在、Medlife は、Amazon CloudWatch を使用してメッセージングステータスとセキュリティ機能をモニタリングしています。使用パターンに異常が検出されるとアラートが発生します。
常に DevOps 指向の Medlife は、最近、Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) を使用して、メタアーキテクチャからマイクロサービスのアプローチにシフトしました。わずか 2 年の間に、同社のマイクロサービスの数は 5 つから 40 に増加しました。そのほとんどは、注文、調達、そしてインベントリ管理に関連するものです。これらのマイクロサービスのほとんどはコンテナサービスを使用して管理されていて、プロトタイプの作成から製造までの時間を加速することによってビジネスの合理化に大いに貢献しています。アプリケーションのコア機能を分離することにより、DevOps エンジニアが変更をより頻繁にデプロイすることが可能になりました。以前は、エンジニアチームは、1 週間に 2 回のリリースを行っていましたが、現在では 1 日に 2 回行われています。
Vittal 氏は、「Amazon ECS は、当社のコンテナをセットアップとデプロイを行うチャームのように機能します」と語っています。新しいテクノロジーを積極的に導入している Medlife はシンガポールで Amazon ECS を使用していて、2017 年 12 月にムンバイでサービス提供を開始直後に Amazon ECS を導入した最初のユーザー企業の 1 つです。Vittal 氏は、「AWS は、革新し、プロトタイプを作成し、実験し、最終的に迅速に本番環境へ進めるための優れたエコシステムを提供してくれるので、結果的に当社のビジネスの成長に大きく寄与しています」と続けています。
AWS Managed Services、DevOps の原則、そしてマイクロサービスのアプローチは、すべて Medlife の成功の要因です。Vittal 氏は、「当社は高度なオートメーションを確立しているので、小規模なチームで運用環境を管理することができます。これはコスト面で大きなメリットです」と語ります。Medlife は、過去 8 か月間において、2 年目から 3 年目のオペレーションから 10 倍もの成長を記録する顧客の増大を経験しました。
Vittal 氏は、「AWS は、必要なときにスケールアップできるので非常に助かっています。オートメーションも驚くほどに機能し、顧客の急激な増大にも対応できます。結果として、当社では、より多くの注文に対応することが可能になります。インフラストラクチャの管理は AWS に任せることができるので、私たちはビジネスの成長に集中することができます」と話しています。
そのオートメーションツールキットの一部として、Medlife は AWS 上でいくつかの機械学習 (ML) アルゴリズムを実行しています。そのうちの 1 つに含まれる自社の株式予測ツールでは、株式の売買注文に正確に一致するようレイテンシーを 1 秒未満に抑える必要があります。最近、同社は、ML オペレーションに加えて、バッチ処理、インベントリ予測、およびその他の分析関連のユースケースをサポートするために多くの時間を費やして Amazon Elastic MapReduce (Amazon EMR) クラスターをセットアップしました。
予想通り、Medlife のオンライン医薬品エクスペリエンスのトラフィックは、マーケティングキャンペーン中に急増しました。以前であれば、そのようなトラフィック増大ではデータベースの処理速度が遅くなることがありました。Medlife は、Amazon Elastic Cloud Compute (Amazon EC2) インスタンス上にデプロイされたプライマリデータベースに MongoDB を使用しています。Vittal 氏が率いるアーキテクチャチームは、スピードの課題に対処するための概念実証を実施した際に Amazon ElastiCache for Redis のパフォーマンスに圧倒されました。現在、Amazon ElastiCache for Redis は、静的データのキャッシュ処理レイヤーとして機能し、Medlife のデータベースサーバーの負荷を削減しています。
当初から Medlife はクラウドインフラストラクチャを最適化し、最近では AWS プレミアムサポートパッケージのサブスクリプションを始めました。「私たちは大型のソリューションを実装する前に AWS ソリューションアーキテクトに相談しているので、重要なポイントを見落とすことなく、最初から正しいアプローチを取ることができています」と Vittal 氏は語ります。例えば、同社が Amazon ECS の概念実証を実行していたとき、AWS のエンジニアはタイムリーな方法で問題のデバッグを行いました。
具体的には、Medlife は AWS Trusted Advisor の機能を活用して、潜在的なコスト削減の余地を特定することを計画しています。Vittal 氏は、「AWS はセキュリティとコスト最適化を非常に重視していて、コストを念頭に入れながら、適切な問題に適切な解決策を提供してくれます。AWS ソリューションアーキテクトが提供するすべてのソリューションは、コスト最適化の面で驚くほど的確です。必要以上の金額を払っていることもあるので、私たちの計画を本当に理解してくれている人たちと話ができることは非常に心強く感じています」と話しています。
革新は Medlife の経営の中心であり続けています。同社の経営陣は現在、顧客へのさらなるインサイトを獲得し、既存の垂直統合型ビジネスの拡大戦略を策定するために用いるデータレイクを計画しています。Medlife は、製品の検証に動画と画像を使用すること、そしてカスタマーケアに音声とチャットボットを活用することを検討しています。Vittal 氏は、「AWS のすべてのイノベーションは、Medlife の自社アプリケーションを大きく向上させています。今日でも、AWS は、常に新機能を展開して私たちのような顧客に多くの価値を提供してくれるスタートアップのようなオペレーションを行っています」と話しています。
詳細については、https://aws.amazon.com/containers/ をご覧ください。