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Amazon Connect Customer Profilesを使ってパーソナライズされた顧客体験を提供する
顧客がコンタクトを取りに来るシナリオでは、コンタクトセンターに到達する前に彼らのジャーニーを理解することは、パーソナライズされたセルフサービスおよびエージェント体験を提供するのに非常に役立ちます。過去の保留時間、顧客感情、最近のビジネストランザクションなどのデータは、効果的な顧客解決と顧客満足度スコア(CSAT)の向上において大きな役割を果たします。しかし、この顧客データを、異なるビジネスアプリケーションから単一のプロファイルに統合することは、困難で複雑で、コストがかかり、継続的なメンテナンスを必要とします。
Amazon Connect Customer Profiles は、すべての顧客データを単一のプロファイルインターフェースに統合することで、この課題を解決します。顧客プロファイルには、名前、住所、Eメール、購入履歴、および出荷状況、訪問したウェブページ、カスタマーサービスのコンタクト履歴などのマーケティングデータなどの関連情報を含めることができます。Customer Profiles は、Amazon Connect 内の過去のやり取りと、顧客関係管理 (CRM) システム、マーケティングオートメーションソリューション、業務アプリケーションなどのサードパーティアプリケーションからのデータを組み合わせて、統一された顧客プロファイルを提供します。Amazon Connect からのデータには、以前のキュー期間、保留数、エージェントへの連絡手順、会話記録、顧客の感情など、顧客の連絡履歴が含まれます。同様に、サードパーティアプリケーションのデータの例には、お客様の電話番号、住所、過去のトランザクション、チケットの詳細などがあります。
Salesforce、ServiceNow、Zendesk、Marketo用に用意されている事前構築されたコネクタを活用して、わずか数クリックで、サードパーティのアプリケーションからデータを取り込み、統一された顧客プロファイルを作成できます。お客様は、Amazon Connect Customer Profiles API を使用して、自社開発のアプリケーションとデータストアを統合することもできます。
開始方法
Amazon Connect インスタンスで Customer Profiles を有効化する
(ブログ訳注: 操作のための用語は英語表示を前提としています)
- AWSマネジメントコンソールにログインし、Amazon Connect を選択します
- Amazon Connect コンソールを開きます
- インスタンス画面にて、インスタンスのエイリアスを選択します。インスタンスのエイリアスはインスタンス名で、Amazon Connect URL にて表されています。例えば https://mytest88.awsapps.com/connect/home であればインスタンス名は mytest88 です。
- ナビゲーションページで Customer Profiles を選択します
- Enable Customer Profiles を選択します
- 下の画像で表されるようなフォームが表示されます
フォームでは、顧客データのコンテナとなる顧客プロファイルのドメインを作成するためにすべてのフィールドに入力する必要があります。以下のステップに従ってください。
- Create New Domainで名前を指定して新しいドメインを作成できます。私たちの例では、「anycompanyname_customerprofiles」としました
- もしくは、Select existing domainを選択することもできます
- Dead letter queueで、顧客プロファイルのエラーを扱うSQS キューを指定できます
- Specify KMS keyで既存の AWS KMSキーを選ぶか、新しいキーを作成するかのいずれかで暗号化を有効化できます
- Submit をクリックします。インスタンスのコンタクト履歴情報を用いて顧客プロファイルが作成されます。
Amazon Connect Customer Profileドメインに外部連携を追加する
以下のステップで Amazon Connect Customer Profiles ドメインに外部連携を簡単に追加できます。
- AWSマネジメントコンソールにログインし、Amazon Connect を選択します
- Amazon Connect コンソールを開きます
- インスタンス画面にて、インスタンスのエイリアスを選択します。インスタンスのエイリアスはインスタンス名で、Amazon Connect URL にて表されています。例えば https://mytest88.awsapps.com/connect/home であればインスタンス名は mytest88 です。
- ナビゲーションページで Customer Profiles を選択します
- データを取り込みたいアプリケーションを選択し、Add Integration をクリックします
- Step 1 of 3 にて、What external application would you like to connect with で選択肢の中からアプリケーションを選択します。以下の画像で示されているように、Amazon AppFlowでサポートされている Salesforce、Zendesk、ServiceNow、Marketoから選択できます。
- この構成を完了したら、Amazon Connect は定義された外部アプリケーションから顧客プロファイルのすべてのレコードを自動的に取り込みます
- 外部アプリケーションからの定期的な取り込みによって、毎時もしくは日次で最新の顧客情報で顧客プロファイルが更新されます
Amazon Connect Customer Profile を使ってエージェントを開始するように構成する
Amazon Connect Customer Profiles を有効化したら、エージェントのセキュリティプロファイルを編集し、Amazon Connect コンタクトコントロールパネル (CCP) で顧客プロファイルにアクセスできるようにします。
- Amazon Connect インスタンスにログインし、Users に遷移します
- Security profiles を選択し、コンタクトコントロールパネル (CCP) で権限を有効化します
- Customer profiles を選び、以下の画像で示されているように All、View、Edit or Create を選択します
- Save をクリックして完了です
構成が完了したら、エージェントは顧客とのやり取りを受け取りはじめます。Amazon Connect コンタクトコントロールパネル (CCP) の ドキュメントを参照してください。
(ブログ訳注: この機能は翻訳時点でプレビューとなっています。利用されたいお客様はリクエストをあげてください。)
シナリオ1: Amazon Connect CCP で着信コンタクトの顧客プロファイルのビューを統合する
- 上の図に示すように、顧客プロファイルは、既存の CCP に付随するエージェントエクスペリエンスのウィジェットとして、新しいスペースに表示されます
- この例では、コンタクト(音声またはチャット)がコンタクトセンターに着信すると、Amazon Connect Customer Profiles は着信電話番号をスキャンし、一致する番号を含むプロファイルを表示します
- 名前、住所、電話番号、電子メールアドレスなどの顧客プロファイル情報を表示するには、Profile タブを選択します
- Contact history タブを選択して、以前のすべてのやり取りのチャネル、エージェント名、コール時間、保留時間などの連絡履歴情報を表示します
シナリオ2: 一つの電話番号に関連付けられた複数のプロファイル
同じ電話番号を使用している世帯など、電話番号に対して複数の一致が見つかった場合、複数の顧客プロファイルがエージェントに提示されます。
- 同じ番号で複数のプロファイルを取得する場合、適切なプロファイルの説明に対して Associate を選択することで、現在のやり取りのコンタクトレコードに一致するプロファイルを割り当てることができます
- 発信者の詳細と一致するプロファイルがない場合、エージェントは検索バーに移動して、名前、メールアドレス、電話番号、アカウント番号などの異なる条件に基づいて検索することで、顧客プロファイルを検索できます
新規プロファイルを追加する
エージェントは、新しいプロフィールを作成し、Amazon Connectに保存することもできます。
- エージェントはプロファイルを作成するには、ウィジェットの右上にある New Profile をクリックします
- 名前、姓、電子メールアドレスなど、すべての顧客情報を入力するためのポップアップが開きます
- また、エージェントは、現在のコールのコンタクトレコードを新しいプロファイルに関連付けます。これは、下の画像に示されているように、現在接続している顧客です
さらに、特定の連絡先のウィジェットの表示に影響を与えることなく、音声やチャットなどの異なるチャネルを切り替えることができます。
Amazon Connect Customer Profile をカスタマイズする
Amazon Connect Customer Profilesでは、Amazon Connect Customer Profiles用に提供されている API と SDK を使用して、構築済みのライブラリの一部ではない他の外部アプリケーションまたは自社開発のソリューションのデータソースを接続できます。公開された API を使用してカスタマープロファイルエクスペリエンスをカスタマイズする方法については、この Amazon Connect 統合プロファイルの構築を参照してください。また、Amazon Connect Stream の GitHub リポジトリにアクセスして、CCP またはエージェントデスクトップに Customer Profiles を埋め込む方法も参照してください。
まとめ
Amazon Connect Customer Profilesでは、コンタクトセンターに必要な顧客情報を 1 か所にまとめることで、エージェントと自動音声応答システム(IVR)が、より迅速かつパーソナライズされたカスタマーサービスを提供できます。初期のトライアルでは、AWS のお客様の Traeger Grills は処理時間を最大 25% 短縮し、CSAT が 10% 増加しました。Amazon Connect Customer Profilesの使用を開始して、数回のクリックで、すべての顧客の統一されたプロファイルを作成できます。
原文: https://aws.amazon.com/jp/blogs/contact-center/amazon-connect-customer-profiles/
翻訳: ソリューションアーキテクト 松本 和久