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Amazon Q Developer がコスト分析機能を一般提供開始
本記事は 2024 年 11 月 26 日時点のブログ Analyzing your AWS Cost Explorer data with Amazon Q Developer: Now Generally Available を翻訳したものです。
Amazon Q Developer のコスト分析機能の一般提供を発表できることを喜ばしく思います。この強力な機能は、Q Developer の自然言語処理機能と AWS Cost Explorer を統合し、AWS コストの分析と理解の方法に革命をもたらします。2024 年 4 月 30 日にプレビューとして初めて公開された Amazon Q のコスト分析機能は、機能が強化され、シンプルな対話形式でクラウド支出に関する深い洞察を得ることができるようになりました。 このブログでは、Amazon Q Developer を使用した Cost Explorer データの分析の主要な機能と能力について説明します。これには、複雑なコスト クエリを処理する機能、コンテキストに応じた応答を提供する機能、AWS 支出に関する実行可能な洞察を提供する機能が含まれます。
自然言語クエリによるコスト分析の簡素化
Amazon Q の AWS コスト分析機能は、自然言語のクエリを理解し回答します。この機能により、Cost Explorer から価値のあるコストの洞察を得るための学習曲線が低減されます。 ユーザーは今や、次のように簡単に平易な英語で質問を入力できます。
- “What were my top 5 most expensive services last month?”
- “How much did my S3 costs increase between Q1 and Q2?”
- “Did we receive any credits last quarter, and if so, how much?”
Q Developer はこれらの質問を解釈し、関連するデータを処理して、詳細で実行可能な洞察を提供します。
最初の例として、あなたがクラウドアーキテクトで、最近のアーキテクチャの変更によるコスト影響を理解したいとします。AWS マネジメントコンソールで Amazon Q を開き、次のようなプロンプトを入力します。“Show me the breakdown of EC2 costs by instance type for the last 30 days”
図 1: 特定期間の EC2 インスタンスタイプの内訳
図 1 に示すように、Q Developer は過去 30 日間の EC2 インスタンスタイプの詳細な内訳を提供します。
別のシナリオを考えてみましょう。複数の部門にまたがるクラウドコストのレポートを作成する FinOps 担当者は、“What were last month’s costs broken down by Cost Category “Cost Center”?” と尋ねることができます。
図 2: 前月のコストカテゴリー別の包括的なコスト分析結果
図 2 は、Q Developer がカスタムカテゴリーに基づいて詳細なコスト分析を即座に生成できる機能を示しています。この機能により、ユーザーはより効果的なコスト配分と予算計画のためのデータ主導の意思決定を行うことができます。
最後に、あなたが IT 専門家で、現在のワークロードと最近の傾向に基づいて、将来のコストがどのようになるかを理解したいとしましょう。その場合、“What are my forecasted costs for Q1 of next year?”と尋ねることができます。
図 3: AWS Cost Explorer から予測コストを提供
図 3 は、Q Developer が過去のコストと予測コストの両方を提供できることを示しており、お客様が支出を計画し予測するのに役立ちます。
Amazon Q を使って Cost Explorer データを分析する際に、以下のような質問を検討できるようになりました。
- What percentage of our total costs last month were attributed to tag key = “Environment”, value = “Dev”?
- Which services had the highest month-over-month cost increase in September?“
- Which linked accounts spent the most last month?
- What is our forecasted spend for the next three months?
- What were my costs broken down by tag key “Project”?”
データの検証と深掘り
Q Developer は、質問に答えるためのデータ取得に使用した AWS Cost Explorer のパラメータを明示します。この透明性により、提示されたデータがまさに求めていたものであることを確認できます。さらに、各レスポンスには AWS Cost Explorer の対応するビューへのリンクが含まれているため、さらに詳しくデータを可視化することができます。
図 4: AWS Cost Explorer の対応するビューへのリンク
図 4 は、Q Developer が自然言語クエリと AWS Cost Explorer の強力な可視化機能をどのようにつなげているかを示しています。この統合により、ユーザーは会話形式の分析から、コストデータの包括的なグラフへと容易に移行できるため、より詳細な分析と情報に基づく意思決定が可能になります。
まとめ
Q Developer の AWS コスト分析機能の一般提供は、クラウド財務管理の簡素化における重要なマイルストーンになります。自然言語処理とコンテキストを考慮した応答を活用することで、Amazon Q Developer は、FinOps 専門家からアプリケーション開発者まで、さまざまな役割のユーザーが AWS の支出に関する価値のある洞察を得ることをこれまでにないほど簡単にしました。
これらの新機能により、コスト分析と予測のプロセスを合理化し、効率を向上させ、AWS ユーザーのデータに基づく意思決定を可能にします。Amazon Q Developer のコスト分析をぜひお試しください。クラウドコスト管理のアプローチをどのように変革できるかを直接体験していただけます。
Q Developer でコスト分析を開始するには、AWS マネジメントコンソールにログインし、コンソールの右側にある Amazon Q アイコンをクリックするだけです。価格と可用性の詳細については、Amazon Q Developer のコスト分析のドキュメントをご覧ください。
本記事はカスタマーソリューションマネージャー松本が翻訳しました。原文はこちらです。