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Amazon Managed Grafana ワークスペースでバージョン 9.4 を選択できるようになりました
Amazon Managed Grafana をご利用の多くのお客様から、ナビゲーション、ダッシュボード、ビジュアライゼーションなどの最新機能を備えた Grafana のバージョンを選択できるようにしてほしいというご要望をいただいていました。本日、バージョン 9.4 をサポートした Amazon Managed Grafana ワークスペースが選択できるようになったことを発表します。
サービスがローンチしてから、Amazon Managed Grafana はグローバルで単一バージョンの提供をしてきました。本リリースにより、ワークスペース作成時に Amazon Managed Grafana のバージョン 9.4 または 8.4 を選択することができます。バージョン 9.4 の Amazon Managed Grafana ワークスペースを構成する手順については、本ドキュメントをご参照ください。Amazon Managed Grafana を既にご利用中のお客様で、ワークスペースのデータソース、フォルダ、ダッシュボードをバージョン 9.4 に移行したい場合、amazon-managed-grafana-migrator を利用できます。Amazon Managed Grafana の全体的な体験を向上させるバージョン9.4 の機能 をいくつか見てみましょう。
新しいデータソースプラグインとクエリ
Amazon Managed Grafana は、 Amazon OpenSearch Serverless、Amazon CloudWatch クロスアカウントクエリ、AWS IoT SiteWise 複数アセットプロパティクエリ、Amazon Athena の非同期クエリ、クエリ結果の再利用などをサポートし、他にもいくつかのプラグイン強化をバージョン 9.4 で導入しています。複数のデータソースのデータを 1 つのダッシュボードに統一するだけでなく、Explore を使用して様々なデータソースに対して、多様なクエリを発行できるようになりました。Amazon Managed Grafana がサポートするデータソースの全リストは、こちらのドキュメントをご参照ください。
Prometheus と Loki データソースクエリビルダー
バージョン 9.4 では、クエリの構成、編集、理解がしやすいビジュアルクエリビルダーインターフェイスが Explore 内で利用できます。この新しいクエリビルダーでは、複数単語の検索を使って、メトリクスを検索し、選択することができます。Prometheus クエリビルダーでは、テキスト編集モード(Code)で PromQL クエリを記述するか、またはビジュアルビルダーモード(Builder)を利用するかを選択できます。Loki クエリエディターは、Loki のクエリ言語である LogQL を使用したログとメトリクスのクエリ作成を支援します。
新しいナビゲーション
Grafana のナビゲーションは、新しいデザインと構造の改善により、必要なデータへのアクセスがより容易になりました。このアップデートにより、機能間を素早く移動できるようになり、システムの健全性を完全に把握することができます。
トレース to メトリクス
バージョン 9.4 では、トレースとメトリクスをリンクする機能が追加され、これらのシグナルを相関させることができるようになりました。このトレース to メトリクス機能により、各スパンに関連するトレンドや集計データを素早く確認することができます。Explore に移動して、トレースをクエリすることができます。各スパンにクエリへのリンクが表示されるようになりました。
コマンドパレットの機能強化
コマンドパレットが更新され、Grafana をより効率的に操作する方法が提供されました。すべてのページと最近のダッシュボードを検索してアクセスできるようになり、キーボードから手を離さずにタスクを実行することがより容易になりました。
ダッシュボードパネルのデザイン更新
要素の追加や移動により、アクセシビリティが向上し、パネルの状態を把握することができるようにパネルのデザインが一新され、より便利になりました。バージョン 9.4 では、ヘッダーのないパネルへの対応を改善し、ユーザーが自身で設定した詳細とデータによる情報を区別した上で、パネルのヘッダーにすべての必須要素を入れます。
Dashboards と Explore に新しいデータソース接続ページが登場
ダッシュボード作成の際にデータソースがまだ設定されていない場合、最初の接続を設定するよう案内するページが表示されます。またデータソースを設定せずに続行し、代わりにサンプルデータを使用するオプションもあります。
Canvas パネル
Canvas は、Grafana のパワーとカスタムエレメントの柔軟性を組み合わせた新しいパネルです。Canvas は拡張可能なフォームビルドパネルで、静的および動的レイアウト内に要素を明示的に配置することが可能です。これにより、標準の Grafana パネルではできなかった方法でビジュアライゼーションのカスタムデザインとデータのオーバーレイをすべて Grafana の UI 内で実現できます。
サービスアカウント
ダッシュボードのプロビジョニング、設定、レポート生成など、Grafana で自動化されたワークロードを実行するために、サービスアカウントを使用できます。サービスアカウントにより、Grafana インスタンス内の自動化またはトリガーされたタスクの操作を安全で効率的な方法で実行できます。サービスアカウントは Grafana ユーザーに似ており、有効化 / 無効化、特定の権限の付与が可能で、削除または無効化されるまでアクティブな状態を維持します。Grafana Teams を活用することで、サービスアカウントに細かな権限を付与することができます。
まとめ
バージョン 9.4 の新機能の全リストを調べるには、こちらのユーザードキュメントをご参照ください。この発表の現時点では、バージョン 9.4 は以下のリージョンで一般提供しています: 米国東部(バージニア北部)、米国東部(オハイオ)、米国西部(オレゴン)、欧州(アイルランド)、欧州(フランクフルト)、欧州(ロンドン)、アジアパシフィック(シンガポール)、アジアパシフィック(東京)、アジアパシフィック(シドニー)、アジアパシフィック(ソウル)。Amazon Managed Grafana の機能および価格については、製品ページおよび価格ページをご覧ください。
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- AWS Observability のベストプラクティスを参照し、実装例とガイダンス、推奨事項を確認してください。
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もし追加のサポートが必要な場合は、AWS サポートと AWS アカウントチームに連絡してください。
このブログの翻訳はソリューションアーキテクトの 辻林 侑 が担当しました。原文はこちらです。