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AWS IoT Deep Dive #5 – Industrial IoT 向けサービス・ソリューション特集 資料と録画、Q&Aを公開
こんにちは。IoT スペシャリストソリューションアーキテクトの嶺です。
本記事では、AWS IoT Deep Dive セミナーシリーズの第5回の開催内容と資料、当日いただいたご質問とその回答をまとめております。
AWS IoT Deep Dive セミナーとは
本セミナーシリーズは、お客様が IoT 製品やサービスを設計・開発する際のよくある課題や考慮すべき事項を共有し、AWS を用いたソリューションをより深く・詳細にお伝えするセミナーです。本セミナーイベントの詳細については、こちらのブログ記事にて説明していますので、是非ご覧ください。
また、本セミナーシリーズに関する過去のブログ記事はこちらからアクセスできます。
AWS IoT Deep Dive #5 – Industrial IoT 向けサービス・ソリューション特集
第5回となる今回は、工場やプラントでのデータ収集や制御といった産業分野で使われる Industrial IoT 向けのサービスやソリューションをご紹介しました。
Topic 1 – AWS IoT SiteWise のご紹介
Q&A
Q. リアルタイムデータの集計を SiteWise 上で実施するのはあまりおすすめではないでしょうか?(SiteWise にも集計関数がありますが、IoT Analitics + QuickSight などとの違いを知りたいです)
既に AWS IoT Analytics や Amazon QuickSight をお使いで、AWS IoT SiteWise のデータも集計対象に使いたいケースでしたら、IoT Analytics には SiteWise のデータを利用する機能がございますので、SiteWise のデータとその他のデータを同時に集計する、といった用途にお使いいただく事ができます。
一方、設備のデータを収集して、集計結果をモニタリングできるダッシュボードをクイックに作成したいケースや、クラウドへの接続が制限されたオンプレミス環境内でダッシュボードを表示したいといったケースでは、SiteWise Monitor をお使いいただく事をお勧めします。
Q. SiteWise Monitor を Web サイトに埋め込むことは可能ですか?
2021年9月15日現在、SiteWise Monitor を Web サイトに埋め込む機能は提供されておりません。AWS IoT SiteWise plugin for Grafana をご利用いただく事で、Grafana でダッシュボードを作成して Web サイトに埋め込む事は可能です。Grafana のマネージドサービスである Amazon Managed Grafana も提供しておりますので、ご検討いただければと思います。
Q. SiteWise と IoT Core の違いを教えてください。IoT Core はデータ収集で、SiteWise はデータ分析ということでしょうか?
AWS IoT Core は、主に MQTT プロトコルで IoT デバイスと通信し、クラウドへのデータの収集やクラウドからのデバイスの制御にお使い頂けるサービスです。
AWS IoT SiteWise は、工場やプラントのフィールドネットワークから設備のデータを収集し、ダッシュボードでのモニタリングやデータ分析にお使い頂けるサービスです。
Q. Sitewise Edgeの要件を満たしていなくてもテスト程度の軽い検証でもインストール可能ですか?(16GBのメモリがなくてもいいか)
無料のデータ収集パックであればメモリの最低要件は 1GB となりますので、16GB のメモリがない環境でもお使い頂けます。
データ処理パックにつきましては、メモリの最低要件が 16GB となっております。16GB のメモリがない環境でもインストール自体はできる可能性はございますが、動作保証外となりますので、ミッションクリティカルな用途では 16GB 以上のメモリを搭載した PC をご用意ください。
Topic 2 – 製造装置データ収集の選択肢
Q&A
Q. 基本1日に1回まとめてアップロードで問題ないが、ユーザー側からリクエストがあったときのみ最新化したい場合、適したデータ接続方法はありますか?
少しご自身で仕組みを構築して頂く必要がある要件となります。基本的には、例えば AWS IoT Greengrass を使って「ローカルデバイス内にデータをキャッシュしておき、1日に1回データをアップロードする」「ユーザーからのリクエストを MQTT などで受信し、最新のデータをアップロードする」といった動作を行うプログラムを開発する必要があるかと思います。
Q. オフライン時にデバイス側にデータをバッファしておくことは Greengrass の基本機能でも実現可能かと思いますが、このような観点では、Greengrass の基本機能と Stream Manager の使い分けの基準はどのような点を検討すればいいでしょうか?
基本機能というのは「MQTT プロトコルによる AWS IoT Core へのデータ送信」の事をおっしゃっているのではないかと思いますが、Stream Manager は AWS IoT Core 以外のサービスへのデータ送信にお使い頂ける機能となります。2021年9月15日現在、Stream Manager は以下の送信先へのデータ送信に対応しております。
- Amazon Kinesis Data Streams のストリーム
- AWS IoT Analytics のチャンネル
- AWS IoT SiteWise のアセットプロパティ
- Amazon Simple Storage Service (S3) のオブジェクト
Topic 3 – AWS IoT Coreをオンプレミス環境と使う際のアーキテクチャ例
Q&A
Q. Network Load Balancer + Proxy という構成を CloudFormation などで簡単に構築することは可能ですか?
AWS CloudFormation で構築することは可能ですが、Amazon Elastic Computing Cloud (EC2) 上に Proxy サーバーをインストールするためのスクリプトを CloudFormation テンプレートの中に全て記述する必要があります。例えば Squid であれば、EC2 起動時のユーザーデータに設定することでテンプレートによるインストールが可能です。
最後に
本記事では、AWS IoT Deep Dive セミナーシリーズの第5回の資料と録画、当日いただいたご質問とその回答をまとめました。本セミナーイベントは今後も実施していく予定ですので、是非ご参加ください。
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著者について
嶺 行伸
IoT ソリューションアーキテクトとして、主に工場やプラントへの IoT 導入を支援しています。