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週刊AWS – 2024/6/17週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの杉山です。今週も 週刊AWS をお届けします。

先週は幕張メッセで AWS Summit Japan を開催しました。ご参加頂けた方は楽しめたでしょうか? 私は GenU (Generative AI Use Cases JP) の展示ブースに立ちながら、多くのお客様と直接お話しする機会がありました。その中で、お客様の AWS や生成 AI への関心の高さ、そして技術への情熱を肌で感じることができ、私自身も大いに刺激を受けました。
AWS Summit Japan の各セッションについて、オンデマンド配信がすでに開始されています。7/5 まで動画閲覧や資料ダウンロードができますので、ぜひご覧ください。

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2024年6月17日週の主要なアップデート

  • 6/17(月)
    • Amazon EC2 C7i-flex instances are now available in US East (Ohio) Region
      Amazon EC2 で C7i-Flex インスタンスがオハイオリージョンで利用可能になりました。C6i インスタンスと比べて、最大 19 % のコストパフォーマンス向上を実現するタイプです。Flex インスタンス (M7i-Flex, C7i-Flex) は、従来のインスタンス (M7i, C7i) の低価格タイプとなっています。EC2 インスタンスを利用する際に、CPU 利用率は、低い時期と高い時期があるのが一般的だと考えられます。Flex インスタンスは、そういった常時 100 % の力を発揮しなくても良いような利用方法に適しているインスタンスタイプです。CPU 性能の 40 % はベースラインとして、常時提供します。ベースラインの 40 % を超える場合、95 % の確率で 100 % までスケールアップする仕組みを提供します。Web アプリケーションサーバー、データベース、仮想デスクトップ、バッチ処理、マイクロサービス、キャッシュといったユースケースでご検討いただけます。Flex インスタンスの特徴の詳細は、こちらの FAQ の「Flex instances」章もご覧ください。
    • AWS CodeBuild now supports organization and global GitHub webhooks
      AWS CodeBuild で、GitHub と GitHub Enterprise Server のグローバル Webhook がサポートされるようになりました。これにより個別のリポジトリごとに Webhook を設定することなく、単一の Code Build Webhook を設定するだけで組織内のすべてのリポジトリからイベントを受信できるようになりました。これらのイベントには、GitHub Actions のワークフロー実行、コミットのプッシュ、リリース、プルリクエストが含まれます。
    • AWS Systems Manager now supports additional Rocky, Oracle, and Alma Linux versions
      AWS Systems Manager で Rocky Linux、Alma Linux、Oracle Linux のバージョン 8.8 および 8.9 を実行しているインスタンスをサポートするようになりました。これにより、より多様な環境で Systems Manager を利用できるようになりました。Systems Manager は運用を支援するサービスであり、例えばインベントリ管理や、パッチ管理、遠隔アクセスの Session Manager などの機能が利用できます。
  • 6/18(火)
    • Amazon Connect Cases is now available in additional Asia Pacific regions
      Amazon Connect Cases が東京とソウルリージョンで利用できるようになりました。Amazon Connect Cases は電話を受けた担当者が、問い合わせケースを作成、共同作業のアサインなど、問い合わせを素早く解決するための管理機能を提供します。例えば、お客様から Amazon Connect に電話がかかってきた際に、担当者がお客様と会話しながら「問い合わせ概要」、「状況」、「問い合わせの詳細」を入力する機能を提供します。また、作成した問い合わせケースは、お客様名や電話番号で検索ができ、過去の対応履歴を検索、閲覧することも可能です。
    • CodeCatalyst allows customers to use Amazon Q Developer to choose a blueprint
      Amazon Q Developer in Amazon CodeCatalyst の一般提供を開始しました。CodeCatalyst にはブループリントと呼ばれる、Project テンプレートを管理、作成、利用する機能があります。ソースコードや CI/CD ワークフローを組織の形に合わせてテンプレート化しておくことで、新しい開発作業を始める際にテンプレートを流用できるメリットがあります。このアップデートで、自然言語を使って「お客様の実現したい内容」を記載すると、それに基づいたブループリントをガイドしてくれるようになりました。
    • Introducing Maven, Python, and NuGet support in Amazon CodeCatalyst package repositories
      Amazon CodeCatalyst のパッケージリポジトリで、Maven、Python、NuGet パッケージをサポートしました。パッケージリポジトリは、社内独自のライブラリなどをパッケージ化することで、社内に限定した公開や管理ができるようになります。
    • Amazon Redshift announces support for VARBYTE 16MB data type
      Amazon Redshift の VARBYTE 型のデータサイズ上限が、1 MB から 16 MB に増えました。VARBYTE は可変長バイナリ文字列を格納および表現するための可変サイズのデータ型です。例えば、画像データを直接バイナリデータとして Redshift に格納することで、アプリケーションから見ると実装がシンプルになるメリットが考えられます。
  • 6/19(水)
    • Amazon CodeCatalyst now supports GitHub Cloud and Bitbucket Cloud with Amazon Q
      Amazon CodeCatalyst は、Amazon Q と連携することで、課題 (Issue) を解決する Pull Request を自動生成する機能があります。今回のアップデートで、CodeCatalyst でリンク設定した GitHub Cloud および Bitbucket Cloud 上のリポジトリに対して、Amazon Q の連携機能が提供されました。CodeCatalyst 上で GitHub や Bitbucket のリポジトリと連携する機能が、Amazon Q によって強化された形になります。
    • AWS Glue adds additional 13 new transforms including flag duplicates
      AWS Glue で新たに 13 個の組み込み変換機能が追加されました。重複している列や行をフラグ付け、電話番号の書式設定、大文字小文字の書式設定、最頻値で埋める、重複を削除、月名、偶数かどうか、暗号化ハッシュ、復号化、暗号化、数値を IP アドレスに変換、などがあります。データを加工したい方が変換フローを作り上げるときに、より多くのアクションを利用できるようになり、素早く構築しやすくなりました。
    • Amazon SageMaker now offers a fully managed MLflow Capability
      Amazon SageMaker で MLflow をフルマネージドな形で提供開始しました。Mlflow は機械学習の実験管理を支援するポピュラーなオープンソースツールです。データサイエンティストは、馴染みのある MLflow を利用して、ML実験を整理、追跡、分析できます。また、SageMaker 上で利用することで、高いスケーラビリティ、可用性、セキュリティ向上、といったメリットがあります。詳細はこちらの Blog をご覧ください。MLflow 機能は追加料金が設定されております。Price ページの「MLflow」タブもご覧ください。
  • 6/20(木)
    • Anthropic’s Claude 3.5 Sonnet model now available in Amazon Bedrock
      Amazon Bedrock で Anthropic 社の最新モデル Claude 3.5 Sonnet を一般提供開始しました。Anthropic で一番知能の高いモデルとなっており、Claude 3 Opus を上回る性能を発揮しながら、Opus の 1/5 のコストでご利用いただけます。Claude 3.5 Sonnet の主な特徴は、画像を利用したときの処理や理解能力の向上、より自然で人間らしい雰囲気の高品質な文章生成、文脈を理解しながらマルチステップの処理能力の向上などがあります。バージニア北部リージョンでご利用いただけます。詳細はこちらのリリースブログをご覧ください。
    • Amazon Bedrock now supports compressed embeddings from Cohere Embed
      Amazon Bedrock で Cohere Embed モデルを利用してベクトルを生成する際に、圧縮された埋め込み (int8, binary) をサポートしました。この圧縮された埋め込みを使用することで、ベクトル検索エンジンに埋め込みを保存して利用する際に、パフォーマンスの向上、ストレージコストの削減といったメリットがあります。一般的に利用される FP32 精度形式に比べて大幅に小さいサイズですが、精度の低下は最小限に抑えられています。ユースケースの一つとして、マルチテナント SaaS の裏側で大規模なベクトルデータを構成する際に、より高速なパフォーマンスを提供しやすくなる使い方が考えられます。
  • 6/21(金)
    • Amazon SageMaker JumpStart now provides granular access control for foundation models
      Amazon SageMaker JumpStart で数百の基盤モデルを素早くデプロイするための機能が提供されています。この基盤モデルに対して、きめ細かいアクセス制御を簡単に設定できるようになりました。ユースケースを挙げると、Apache 2.0 のライセンスモデルのみ組織内で利用可能にしたいときなどがあります。現在は、オハイオリージョンでご利用いただけます。詳細はこちらの Blog をご覧ください。

それでは、また来週お会いしましょう!

著者について

Suguru Sugiyama

杉山 卓(Suguru Sugiyama) / @sugimount

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、幅広い業種のお客様を担当しています。最近は生成 AI をお客様のビジネスに活かすためにアイデア出しやデモンストレーションなどを多く行っています。好きなサービスは仮想サーバーを意識しないもの全般です。趣味はゲームや楽器演奏です