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週刊AWS – 2024/8/12週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの根本です。
今週も週刊AWSをお届けします。

早速ですが、先日開催されたAWS Builders Online Seriesのセッションが登録なしでご覧いただけるようになりました。
https://resources.awscloud.com/aws-builders-online-series-japanese
ご参加できなかった方もこれを機にぜひご活用いただけますと幸いです。

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2024年8月12日週の主要なアップデート

  • 8/12(月)
    • Amazon CloudWatch Internet Monitor enhances dashboard and traffic suggestions
      Amazon CloudWatch Internet Monitorのコンソールが新しくなりました。これにはアプリケーションのレイテンシーを短縮するのに役立つ設定変更を視覚化する新機能も組み込まれています。作成したモニターの概要ページには監視対象のすべてのトラフィックの統計がまとめられ、ヘルスイベントページにはエンドユーザーのトラフィックに影響を与える世界中のインターネットのヘルスイベント詳細が表示されます。今回新機能として最適化ページが追加され、ロケーション毎のレイテンシーを改善するための提案オプションを確認できたり、Amazon CloudFrontのレイテンシーを比較することもできます。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
    • Amazon Connect Contact Lens generative AI-powered agent performance evaluations (preview) now available in 6 new regions
      Amazon Connect Contact Lens が生成 AI を活用したエージェントのパフォーマンス評価機能(プレビュー)が新たに東京を含む新たに6つのリージョンで使えるようになりました。この機能は例えば「エージェントはネガティブな内容を伝えているときに共感を示したか?」のようにエージェントの対応に関するインサイトを取得し正確な評価を支援するものです。昨日の詳細に関してはドキュメントをご確認ください。プレビュー中、この機能はContact Lensのパフォーマンス評価の料金で、追加料金なしで利用できます。
    • AWS Batch adds support for cancelling queued jobs
      AWS Batchがキューで待機中のジョブのキャンセルをサポートしました。実行前のジョブをキャンセルできることで、例えばフェアシェア(公平配分)スケジューリング機能を使用している場合、優先度が低いジョブをキャンセルして、他のユーザーが同じキューに送信したジョブが進行するためのスペースを確保できます。キューでの待機中にキャンセルされたジョブは FAILED 状態となります。この機能は、AWS Batchが利用可能なすべてのAWSリージョンで利用できます。詳細はドキュメントをご確認ください。
  • 8/13(火)
    • Amazon DataZone launches domain units and authorization policies
      Amazon DataZoneにドメインユニットと認証ポリシーと呼ばれる新しいデータガバナンス機能が追加されました。ドメインユニットは”営業”、”マーケティング”などチーム毎に作成することで所有権を割り当て、データチームの構造をより詳細に管理できるようにします。これにより、ドメイン単位でカタログを検索したり、特定のビジネスユニットが作成したデータをサブスクライブできます。また、認証ポリシーを使用することでドメインユニットユーザーは、プロジェクトや用語集を作成したり、Amazon DataZone 内のコンピューティングリソースを使用したりするためのアクセスポリシーを設定できます。これらの機能は、Amazon DataZone が利用可能なすべての AWS リージョンで利用できます。詳細については、ローンチブログもご確認ください。
    • Announcing Amazon S3 Express One Zone storage class support on Amazon EMR
      Amazon S3 Express One Zone ストレージクラスが、すべての EMR デプロイモデル (EC2 の EMR、EKS 上の EMR、および Spark、Trino、Flink、Hive、HBase ワークロード向けの EMR サーバーレス) でサポートされました。Amazon S3 Express One Zoneは頻繁にアクセスされるデータや遅延の影響を受けやすいアプリケーションに1桁ミリ秒単位のデータアクセスを提供することを目的にした、単一アベイラビリティゾーン(AZ)のストレージクラスです。今回、EMRで対応したことで、S3との間のデータ移動を高速化できるようになり、ジョブの実行時間が短縮され、パフォーマンスが向上します。この機能はAmazon S3 Express One Zone ストレージクラスが利用可能なAWSリージョンでAmazon EMR 7.2.0 以降で利用可能です。詳細はEMR on EC2EMR on EKSEMR サーバレス、それぞれのドキュメントをご確認ください。
    • Amazon Neptune Analytics now supports openCypher queries over RDF Graphs
      Amazon Neptune AnalyticsがRDF グラフ経由のOpenCypherクエリをサポートしました。グラフベースのアプリケーションを構築する際、これまではSPARQLを使用するRDFグラフと、GremlinとOpenCypherを使用するLPGのどちらかを選択する必要があり、利用しづらい原因の一つと捉えられ長年の課題でした。このような課題を解決する取り組みの一つとしてRDFモデルとLPGモデルの両方の長所を組み合わせて、RDFグラフに対してOpenCypherクエリを実行し、統合されたデータセット全体に強力なグラフアルゴリズムを適用できるようになりました。詳細に関してはこちらのブログドキュメントをご確認ください。
  • 8/14(水)
    • Announcing Karpenter 1.0
      柔軟で高パフォーマンスなオープンソース KubernetesクラスターオートスケーラーのKarpenterがベータ版を卒業しバージョン1.0となりました。バージョン1.0リリースにあたり 1.中断理由(Underutilized、Empty、Drifted)ごとの中断制御の強化、2.お客様がアプリケーションの可用性とセキュリティ要件とのバランスを取るのに役立つ強制的な中断モード、3.低利用ノードの統合制御のため、consolidateAfterの機能拡張 などの新機能が追加されています。これらの機能およびその他の変更点の詳細については、Karpenter 1.0リリースブログkarpenter.shまたはドキュメントをご確認ください。
    • Amazon Redshift Query Editor V2 now supports query import
      Amazon RedshiftのクエリエディターV2にクエリインポート機能が追加されました。これによりコピー&ペーストではなく単一/複数ファイル/フォルダをインポートすることで、ローカル環境で実行したクエリの実行や、複数人でシェアする作業を簡略化できます。
    • New capabilities for Amazon EC2 On-Demand Capacity Reservations: Split, Move, and Modify additional attributes
      Amazon EC2 オンデマンドキャパシティ予約に新たな機能が追加されました。オンデマンドキャパシティ予約は、特定のアベイラビリティーゾーンのワークロードのコンピューティングキャパシティを任意の期間予約できる機能で、確実なリソース利用をしやすくします。今回、キャパシティ予約を分割や、キャパシティ予約間で容量を移動、「オープン」と「ターゲット」のキャパシティ利用資格を切り替えることができるようになりました。これらの新機能は、すべてのAWS商業地域、中国リージョン (Sinnet が運営する北京リージョン、NWCD が運営、寧夏リージョン)、および AWS GovCloud (米国) リージョンので追加費用なしで利用できます。詳細については、ドキュメントをご確認ください。
  • 8/15(木)
    • Announcing general availability of Amazon EC2 G6e instances
      NVIDIA L40S Tensor GPU を搭載した Amazon EC2 G6e インスタンスが一般提供開始されました。G6eインスタンスは最大8個のL40Sと第3世代AMD EPYC プロセッサが搭載されており、G5インスタンスと比較して最大2.5倍パフォーマンスが高く、P4dインスタンスよりも推論コストを最大20%削減できるため、機械学習と空間コンピューティングを中心に幅広いユースケースにご活用いただけます。Amazon EC2 G6e インスタンスは、バージニア北部、オハイオ、オレゴンの3つのリージョンで利用可能で、Amazon SageMaker のサポートも間もなく開始されます。
    • AWS Control Tower launches landing zone version selection
      AWS Control Towerでランディングゾーンのバージョン3.1を対象とし、ランディングゾーンの構成を更新またはリセットするときに、現在のバージョンをそのまま使用するか、新しいバージョンにアップグレードするかを選択できます。これにより環境の変更内容を評価しながら、より柔軟にバージョンアップグレードの計画を立てることが可能になりました。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
    • Amazon ECS provides the ability to restart containers without requiring a task relaunch
      Amazon ECSで柔軟なコンテナ再起動ポリシーを定義できるようになりました。これまでコンテナの再起動に際して、タスクを再起動が必要でしたが、今回の機能追加によりタスクを再起動せずともコンテナをローカルで再起動することができるようになり、コンテナの回復スピード向上とタスク全体の安定性が向上します。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • AWS CodeBuild now supports multiple access tokens via AWS Secrets Manager
      AWS CodeBuildでソースプロバイダー毎に複数アクセストークンの設定がサポートされました。OAuthまたはアクセストークンをAWS Secrets Managerに保存してCodeBuildプロジェクトから指定が可能です。これによりプロジェクトごとに権限の範囲を限定したトークンの使用ができるほか、CloudTrailから使用状況の監査、IAMロールとリソースポリシーによる利用ユーザーの制限など柔軟なセキュリティ対応が可能です。この機能はCodeBuildが提供されるすべてのリージョンで利用可能でGitHub、GitHub Enterprise, Bitbucketに対応しています。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • AWS CodeBuild now supports using GitHub Apps to access source repositories
      AWS CodeBuildがリポジトリアクセスの認証方法としてGitHub Appsと統合されました。GitHub Appsではきめ細やかな権限を持つ有効期間の短いトークンを利用でき、アプリケーションがアクセスできるリポジトリを制御できます。この機能はAWS CodeConnections(旧AWS CodeStar Connections)を介して接続します。この新機能は、中国 (北京)、中国 (寧夏) を除く、AWS CodeBuild がサポートされているすべてのリージョンで利用できます。詳細はドキュメントをご確認ください。
  • 8/16(金)
    • Blueprints simplify agent-based automation on Amazon Bedrock
      Amazon BedrockでAgentのBlueprintを利用できるようになりました。これは一般的なユースケースに最適化されたビルド済みのテンプレート集で、複雑な開発をせずに簡単にAgentベースのアプリケーションをお試しいただけます。BlueprintはAWS QuickStart GitHub リポジトリで無料のオープンソーステンプレートとして公開されており、作成したリソースの料金のみでご利用いただけます。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
    • SageMaker Canvas unlocks no-code ML and data preparation at petabyte-scale
      Amazon SageMaker Canvasがペタバイト規模のデータセットをサポートしました。SageMaker Canvasは50 以上のコネクターと直感的なインターフェイスでローコード/ノーコードの機械学習ソリューションです。今回、扱えるデータが以前の5GBの制限から大幅に向上し、これまでの10倍の最大20万行のサンプリングが可能になりました。5GBを超えるデータの処理は自動的にEMR Serverlessにスケーリングされるため、EMR Serverlessの利用料に応じてEMRの料金が追加で発生します。このアップデートはSageMaker Canvas が提供されているすべての AWS リージョンで利用できます。詳細についてはリリースブログドキュメントをご確認ください。
    • Amazon Neptune now introduces support for PropertyGraphStore in Neptune to build more reliable GraphRAG applications
      Amazon NeptuneがPropertyGraphIndexをサポートしました。これによりLlamaIndexと組み合わせたGraphRagアプリケーションを構築ができるようになります。LlamaIndexは、Amazon Bedrockで利用できるような大規模言語モデル (LLM) を使用してアプリケーションを構築するための一般的なオープンソースフレームワークです。今回のローンチにより、テキストをOpenCypherクエリに簡単に変換できるようになり、ナレッジグラフの操作やナレッジグラフからの関連情報の抽出が容易になりました。さらに、一般的なOpenCypherクエリには定義済みのテンプレートを利用できるため、クエリ構築を簡易にし、アプリケーション間の一貫性を確保できます。PropertyGraphIndexは、複雑なマルチホップ検索を処理する場合でも、単純なクエリを処理する場合でも、GraphRagソリューションの全体的なパフォーマンスと機能を大幅に向上させます。詳細はLlamaIndexのドキュメントをご確認ください。

最後に、イベントのご紹介です。9月11日にWebセキュリティ対策に関するイベントが開催されます。
幅広い業界の方に関連する内容と思いますので、ご都合つけばぜひご参加ください。

2024年 9月 11日 14:00 – 17:00 JST
「高度化するサイバー攻撃へのWeb セキュリティ対策 ~ 強化された機能とプロアクティブな運用サポート」
https://aws-web-security-20240911-p.splashthat.com/

それでは、また来週!

著者について

Yuki Nemoto

根本 裕規(Yuki Nemoto)

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、金融機関のお客様の AWS 活用や個別案件の技術支援を担当しています。過去には公共部門やモダナイゼーションのスペシャリストもしていました。好きなサービスは AWS CodeBuild です。週末はオフロードバイクのレースをしています!