Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2024/9/2週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの根本です。
今週も週刊AWSをお届けします。
関東は、秋めいた日も増えたように感じますが皆さんの地域はいかがでしょうか?
この時期になるとre:Inventが楽しみな気持ちもありつつ、その前にもいくつかイベントが予定されています。
その一つが10月31日に開催されるAWS AI Dayです。本日からオンサイト参加の登録サイトがオープンしました。
“AWS のテクノロジーで加速する生成 AI のプロダクション活用”について学べる機会ですので、ぜひご活用ください。
2024年10月31日 14:00-18:00 – AWS AI DAY 〜AWS のテクノロジーで加速する生成 AI のプロダクション活用〜
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2024年8月12日週の主要なアップデート
- 9/2(月)
- 米国祝日のためこの日の発表はありませんでした。
- 9/3(火)
- Amazon DynamoDB announces support for Attribute-Based Access Control
Amazon DynamoDBがテーブルとインデックスの属性ベースのアクセス制御(Attribute-Based Access Control, ABAC)をサポートしました。この機能ではタグを使用してアクセス権とポリシーを設定が可能です。AWS ID およびアクセス管理 (IAM) プリンシパルのタグが Amazon DynamoDB テーブルのタグと一致する場合、タグベースのアクセス条件を使用して特定のアクションを許可または拒否できます。タグベースの条件を柔軟に使用できるようになったため、組織構造に基づいてより詳細なアクセス権限を設定できるようになりました。この機能は米国東部 (オハイオ)、米国東部 (バージニア)、および米国西部 (北カリフォルニア) の3つのリージョンでリミテッドプレビューとして利用可能です。リミテッドプレビューへのアクセスリクエストはこちらのページをご確認ください。
- Introducing sagemaker-core: A New Object-Oriented SDK for Amazon SageMaker
SageMakerのリソースを操作するための新しいオブジェクト指向インターフェイスを提供するPython SDKであるsagemaker-coreが発表されました。sagemaker-coreはSageMaker APIと完全に同等のソリューションとして、すべてのSageMakerの機能を直接操作、活用することが可能です。また、sagemaker-coreはリソースの状態遷移やポーリングロジックなどの低レベル操作を抽象化しており、開発者の認知負荷を低減して複雑なパラメーター構造の管理を最小限に操作可能にします。詳細についてはサンプルノートブックやドキュメントをご確認ください。
- Amazon EBS direct APIs now supports IPv6 in AWS PrivateLink
AWS PrivateLink経由でVPCからAmazon EBS direct APIを呼び出す際に、EBS direct APIがIPv6をサポートしました。EBS direct APIはAPI経由でEBSのスタップショット作成や読み取りを行うことができるAPIです。今回の対応により、IPv6ベースのオンプレミス・アプリケーションとの統合が可能になり、IPv4とIPv6間のアドレス変換を処理するための高価なネットワーク機器が不要になります。このアップデートはEBS direct APIが利用可能なすべてのAWSリージョンで利用可能です。
- AWS Glue now provides job queuing
AWS Glueにジョブのキューが追加されました。これまでアカウントレベルのクォータやリミットを意識する必要がありましたが、今回のアップデートにより、クォータやリミットを監視し、Glueが自動的にジョブをキューに入れ、再試行するようになります。これによりオペレーションが簡略化されます。この機能はマネジメントコンソールまたは API/CLI を使用して有効化が可能です。詳細についてはドキュメントやブログをご確認ください。
- AWS Network Load Balancer now supports configurable TCP idle timeout
AWS Network Load Balancer (NLB)のTCPアイドルタイムアウトはこれまで350秒の固定値でしたが、60〜6000秒の値を柔軟に設定できるようになりました。これによりデータベースやERPなど存続時間の長いフローを使用するアプリケーションでの利用時に起きるトラフィックフローの中断を減らすことができます。この機能は、すべての AWS 商用リージョンと AWS GovCloud (米国) リージョンで利用可能です。詳細についてはこちらのブログもご確認ください。後述していますが、GWLBに関しても9/5に同様のアップデートがされています。
- Amazon DynamoDB announces support for Attribute-Based Access Control
- 9/4(水)
- Bedrock Agents on Sonnet 3.5
生成AIと組み合わせた複雑なタスクの作成や社内のナレッジベースと連携したアプリケーションの作成を簡単に行えるAgents for Amazon Bedrockが、Claude 3.5 Sonnetに対応しました。東京、シンガポール、フランクフルト、オレゴン、バージニア北部の5つのリージョンで利用可能です。Bedrock Agentsについてや対応するモデル等の情報はドキュメントをご確認ください。
- Stability AI’s Top 3 Text-to-Image Models Now Available in Amazon Bedrock
Stable Image Ultra, Stable Diffusion 3 Large (SD3 Large), and Stable Image Coreの3つのモデルが新たにAmazon Bedrockで一般提供されました。メディア、マーケティング、小売、ゲーム開発など、幅広い業種のお客様でこれまでにないスピードと精度で高品質のビジュアルを生成できるようになります。Stable Image Ultraは最高品質でフォトリアリスティックな出力、Stable Diffusion 3 Largeは生成速度と出力品質のバランス、Stable Image Core — 高速で手頃な価格の画像生成、に各々最適化されているいます。これらのモデルは、米国西部 (オレゴン) で利用可能です。
- Use Apache Spark on Amazon EMR Serverless directly from Amazon Sagemaker Studio
Amazon SageMaker Studio ノートブックから直接Amazon EMR サーバレスに接続できるようになりました。これによりEMR サーバレスで扱うペタバイト規模のデータにSpark SQL、Scala、Python を使用してインタラクティブにデータをクエリ、調査、視覚化したり、ノートブックからApache Spark ジョブを実行してデータを処理することができます。これらの機能は SageMaker ディストリビューション 1.10 以降で、SageMaker Studio が利用可能なすべてのAWSリージョンで利用可能です。詳細については、こちらのブログもご確認ください。
- Bedrock Agents on Sonnet 3.5
- 9/5(木)
- Announcing Storage Browser for Amazon S3 for your web applications (alpha release)
Storage Browser for S3がアルファ版としてリリースされました。Storage Browser for S3はオープンソースのUIコンポーネントで、エンドユーザーがS3上のデータにアクセスするためのシンプルなインターフェースを提供します。リクエストを自動的に最適化して高スループットのデータ転送を実現する他、エンドユーザーのIDに基づくデータへのアクセス制御が可能です。現時点ではAWS Amplify JavaScript および React クライアントライブラリに対応しています。詳細はGithubをご確認ください。
- Amazon RDS Custom for SQL Server supports Cross-region Snapshot Copying
Amazon RDS Custom for SQL Serverがスナップショットのクロスリージョンコピーに対応しました。これによりディザスターリカバリーを必要とするミッションクリティカルなサービスでもこれまでよりも簡単にAmazon RDS Custom for SQL Serverを活用いただくことが可能になります。この機能は、Amazon RDS Custom for SQL Serverが提供されているすべての商用 AWS リージョンでご利用いただけます。詳細はドキュメントをご確認ください。
- AWS Gateway Load Balancer now supports configurable TCP idle timeout
AWS Gateway Load Balancer (GWLB) のTCPアイドルタイムアウトはこれまで350秒の固定値でしたが、60〜6000秒の値を柔軟に設定できるようになりました。これによりデータベースやERPなど存続時間の長いフローを使用するアプリケーションでの利用時に起きるトラフィックフローの中断を減らすことができます。この機能は、すべての AWS 商用リージョンと AWS GovCloud (米国) リージョンで利用可能です。詳細はこちらのBlogもご確認ください。
- Amazon WorkSpaces Pools now allows you to bring your Windows 10 or 11 licenses
Amazon WorkSpaces プールがMicrosoft Windows 10及び11のBYOLに対応しました。これにより対象となる企業向けMicrosoft 365 Appsをサポートされるため、オンプレミスデスクトップと仮想デスクトップを切り替えた場合でも、一貫した体験が可能になります。このオプションを利用するには、マイクロソフトのライセンス要件を満たしている必要と、特定のAWS リージョンで毎月最低数の WorkSpacesの利用のコミットが必要です。詳細については「AWS リージョン WorkSpaces プールの とアベイラビリティーゾーン」とドキュメントのBYOLに関する項目をご確認ください。
- Amazon RDS for Oracle now supports OEM and OLS options with Multitenant configuration
Amazon RDS for Oracleがマルチテナント設定でOracle エンタープライズマネージャー (OEM) と Oracle ラベルセキュリティ (OLS) オプションをサポートするようになりました。OEMは、Oracle インフラストラクチャを 1 つのコンソールから監視および管理できる機能で、OLSは個々のテーブルまたは行へのアクセスをきめ細かく制御するポリシーベースの管理機能です。各々、OEMの有効化に関してはこちらのドキュメントを、OLSの有効化に関してはこちらのドキュメントをご確認ください。
- Announcing Storage Browser for Amazon S3 for your web applications (alpha release)
- 9/6(金)
- Amazon ECS now supports AWS Graviton-based Spot compute with AWS Fargate
Amazon ECSでAWS Fargate Spotを利用時にAWS Gravitonを選択できるようになりました。AWS GravitonはAmazonが開発するARMベースのプロセッサで、Intel等他のCPU対比で電力効率やコストパフォーマンスが高いCPUです。これまでもFargateでGravitonを使うことは可能でしたが、Fargate SpotではIntel等他のCPUのみ利用可能だったためARM用にビルドしたコンテナでFargate spotを使うことはできませんでした。今回の対応によりARMベースのアプリケーションもFargate Spotで実行可能になり、中断や再開が許容できるアプリケーションはFargateと比較し最大70%割引でコンテナ実行が可能になります。この機能は、すべての商用リージョンと AWS GovCloud (米国) リージョンの AWS Fargate プラットフォームバージョン 1.4.0 以降で実行されている Amazon ECS タスクで利用可能です。詳細に関してはドキュメントをご確認ください。
- Amazon RDS Custom for SQL Server is now available in 3 additional AWS Regions
Amazon RDS Custom for SQL Serverが大阪、パリ、北カリフォルニアの3つのリージョンで別時間になりました。Amazon RDS Custom for SQL Serverはマネージド型サービスでありつつ、通常のRDSでは操作できない特権アクセスを必要とする機能や設定変更に対応したサービスです。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
- CloudWatch Application Signals now supports request based Service Level Objectives (SLOs)
CloudWatch Application Signalsはメトリクス、トレース、ログのテレメトリとアプリケーションを関連づけ、可視化やSLOの管理を行うことができるサービスです。今回、CloudWatch Application SignalsがリクエストベースのSLOをサポートしました。例えば 200 ミリ秒未満のレイテンシーを満たすことをSLOとして定義する場合、リクエスト全体のうち満たしたリクエストの数を把握、監視が可能になります。詳細についてはこちらのドキュメントをご確認ください。
- Amazon ECS now supports AWS Graviton-based Spot compute with AWS Fargate
それでは、また来週!