Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2024/12/9週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。
先週開催の AWS re:Invent 2024 では新サービス発表やさまざまなブレイクアウトセッションをお届けしましたが、楽しんでいただけたでしょうか?新機能・新サービスについては、先週の週刊AWSでまとめていますので、まだの方はぜひご覧ください。
また、 AWS re:Invent 2024 の内容をジャンル別に日本語で解説する re:Invent Recap を順次開催していきますので、こちらもぜひご参加ください。まずはキーノートの内容を90分で振り返るオンラインセミナーを今週開催します。下記の日時で同じ内容を3回実施しますので、ご都合の良い日時にご参加ください。
– AWS re:Invent Recap – Keynote 編
> 2024 年 12 月 17 日(火)10:00-11:30
> 2024 年 12 月 19 日(木)14:00-15:30
> 2024 年 12 月 20 日(金)19:00-20:30
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2024年12月9日週の主要なアップデート
- 12/9(月)
- Introducing Amazon EC2 High Memory U7i Instances with 6TiB and 8TiB of memory – AWS
Amazon EC2 U7i ファミリーに新しく U7i-6tb(6TiBメモリ) と U7i-8tb(8TiBメモリ) の2つのインスタンスが追加されました。第4世代インテル Xeon スケーラブルプロセッサーを搭載しており、旧世代の EC2 U-1 インスタンスと比較して、パフォーマンスが最大 35% 向上し、価格性能比が最大 15% 向上します。
- Introducing Amazon EC2 High Memory U7i Instances with 6TiB and 8TiB of memory – AWS
- 12/10(火)
- Amazon Bedrock Guardrails reduces pricing by up to 85% – AWS
Amazon Bedrock Guardrails は価格が、最大で85%引き下げされました。Bedrock Guardrailsは自社のポリシーに基づいて、例えば望ましくないコンテンツをフィルタリングしたり、個人情報 を排除したりといった、生成AIアプリケーションの実行を制御するための機能です。Bedrock Guardrailsの概要についてはPreview発表時のこちらのブログをご覧ください。 - Amazon RDS for SQL Server Supports new custom parameters for native backup and restore – AWS
Amazon RDS for SQL Server では、新しいカスタムパラメータを使用してバックアップとリストア時により詳細に制御できるようになりました。新たに追加されたのは、BLOCKSIZE、MAXTRANSFERSIZE、BUFFERCOUNTパラメーターで、これらを調整することで、性能の改善やバックアップデータの互換性を高めることが可能です。 - Amazon Simple Email Services (SES) announces Deterministic Easy DKIM – AWS
Amazon Simple Email Services (SES) は、Deterministic Easy DKIM (DEED) の提供を開始しました。これは DomainKeys Identified Mail (DKIM) 管理を簡単に利用できるようにする新しい方法です。既存の Easy DKIMでは、IDが検証されたリージョンでDNSルックアップを行う必要がありましたが、DEEDはそれを拡張し、リージョンごとにDNS設定を変更せずに複数のリージョンで同じIDを使用できるようにするものです。 - Amazon MQ now supports AWS PrivateLink – AWS
Amazon MQ で AWS PrivateLink (インターフェイス VPC エンドポイント) が利用可能になりました。これにより、インターネットゲートウェイを持たないVPC内から、Amazon MQ API に直接接続できるようになります。
- Amazon Bedrock Guardrails reduces pricing by up to 85% – AWS
- 12/11(水)
- Amazon Lex launches new multilingual speech recognition models – AWS
AIチャットボットを構築するためのサービス、 Amazon Lex で新しい多言語ストリーミング音声認識モデル (ASR-2.0) が利用可能になりました。新たに、ポルトガル語、カタロニア語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語をサポートするヨーロッパベースのモデルと、中国語、韓国語、日本語をサポートするアジア太平洋ベースのモデルという2つの特化したモデルが用意され、より高い認識精度を提供します。特に英数字の音声認識に優れているため、たとえば、アカウント番号やシリアル番号といった内容を認識する際に有用です。 - Amazon EC2 R8g instances now available in AWS Asia Pacific (Tokyo) – AWS
Amazon EC2 R8g インスタンスが東京リージョンで利用可能になりました。AWS Graviton4 プロセッサを搭載しており、AWS Graviton3 ベースのインスタンスと比較してパフォーマンスが最大 30% 向上しています。R8gの詳細についてはこちらのブログをご覧ください。 - Amazon SageMaker AI announces availability of P5e and G6e instances for Inference – AWS
Amazon SageMaker AI で、機械学習の推論に最適化された G6e インスタンス (NVIDIA L40S Tensor Core GPUを搭載) と P5e (NVIDIA H200 Tensor Core GPUを搭載) が利用可能になりました。現在、米国東部 (オハイオ) と米国西部 (オレゴン)リージョン の SageMaker AIで使用できます。利用には AWS Service Quota から利用制限の引き上げ申請が必要です。 - AWS Security Hub now supports PCI DSS v4.0.1 standard – AWS
AWS Security Hub は、PCI DSS v4.0.1 に準拠した自動セキュリティチェックをサポートするようになりました。PCI DSSは、クレジットカードの情報を安全に取り扱うための一連の規則とガイドラインを提供するコンプライアンスフレームワークです。今回の機能追加でPCI DSS 要件を継続的にチェックする 144 個の自動コントロールが提供されるようになりました。
- Amazon Lex launches new multilingual speech recognition models – AWS
- 12/12(木)
- Amazon EC2 F2 instances, featuring up to 8 FPGAs, are generally available – AWS
最大 8つの FPGA を搭載する Amazon EC2 F2 インスタンスが利用可能になりました。現在、米国東部 (バージニア北部) とヨーロッパ (ロンドン) リージョンで利用可能です。F2 インスタンスは第2世代の FPGA搭載インスタンスです。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - AWS Toolkit for Visual Studio Code now includes Amazon CloudWatch Logs Live Tail – AWS
AWS Toolkit for Visual Studio Code に Amazon CloudWatch Logs Live Tail の連携機能が追加されました。CloudWatch Logs Live Tailは、ほぼリアルタイムでログを表示し、フィルタリングやハイライト機能で分析を容易にするための機能です。CloudWatch Logs Live Tailの概要についてはこちらのブログをご覧ください。
- Amazon EC2 F2 instances, featuring up to 8 FPGAs, are generally available – AWS
- 12/13(金)
- AWS announces new AWS Direct Connect location in Osaka, Japan – AWS
専用線サービス AWS Direct Connect のロケーション(接続口)が、新たに大阪の TELEHOUSE データセンターで提供されるようになりました。大阪ではEquinixデータセンターに続いて2つ目、日本全体では5つ目のロケーションです。ロケーション一覧はこちらに情報があります。 - Amazon Redshift supports auto and incremental refresh of Materialized Views for zero-ETL integrations – AWS
Amazon Redshift でZero-ETL統合で連携した表からマテリアライズドビュー (MV) の差分更新(incremental refresh)に対応しました。これによりMVの更新にかかる時間やコストが最小化されます。差分更新できるMVの定義など注意点については、こちらのドキュメントをご覧ください。 - Amazon EC2 instances support bandwidth configurations for VPC and EBS – AWS
Amazon EC2 C8g, M8g, R8g, X8g インスタンスで利用可能な、インスタンス帯域幅構成(Instance Bandwidth Configurations – IBC)が利用可能になりました。多くのEC2インスタンスはEBSとの通信とVPCへの通信とで2つのネットワーク帯域を持っていますが、これを最大25%の幅で調整して融通可能にするものです。たとえば VPCへの帯域幅を増やすと、その分EBSで利用できる帯域幅が減少します。これにより、ニーズに合わせた柔軟な帯域調整が可能になります。詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。 - AWS Resource Explorer supports 59 new resource types – AWS
AWS Resource Explorer で、新たに 59 種類のリソースタイプをサポートするようになりました。これには Amazon EKS や、Amazon Kendra等が含まれます。AWS Resource Explorer は自分がもつAWS内のリソースを検索・検出するためのサービスです。
- AWS announces new AWS Direct Connect location in Osaka, Japan – AWS
私(下佐粉)が週刊AWSを執筆するのはこれが最後です。現在の形で週刊AWSを開始したのは、2019年5月21日で、小林と私の2名で書きはじめたのですが、その後メンバーが増え、現在は週刊AWSが(私を除いて)4名、週刊生成AI with AWSが2名の体制で執筆しています。
長く執筆をつづけてきたことで、「週刊AWS、読んでますよ」とお声をかけていただく事も多く、執筆の励みになっていました。改めてお礼申し上げます。
これからも週刊AWSをよろしくお願いいたします。
それでは、また来週!