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【開催報告 & 資料公開】AWS 春の Observability 祭り 2024

 こんにちは。ソリューションアーキテクト (以下 SA) の高野です。

 2024 年 4 月 25 日に「AWS 春の Observability 祭り 2024 〜Observability 獲得までの旅〜」と題したイベントを開催しました。昨年秋に実施させていただいた AWS 秋のObservability 祭り以来の Observability をテーマにしたイベントになります。ご参加いただきました皆様には、改めて御礼申し上げます。昨年の開催報告ブログはこちら

 本ブログでは、その内容を簡単にご紹介しつつ、発表資料を公開致します。今回は、Observability の獲得プロセスをテーマに様々なセッションを行いました。Observability 獲得の全体像を俯瞰し、各ステップで具体的に役立つ AWS のサービス、AWS における Observability のベストプラクティスと最新のアップデートをご紹介しました。システムに Observability を獲得したい方はぜひご確認下さい!

セッションの紹介

Observability ジャーニーの全体像

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 ソリューションアーキテクト 津郷 光明
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 セミナー開始は、SA 津郷より、Observability 獲得プロセスの全体像ということで、「何から始めればいいのか?」「どこを目指せばいいのか?」という疑問に対する解決のヒントになる AWS Observability Maturity Model を紹介しました。AWS Observability Maturity Model で定義している 4 つの成熟度のステージとその内容を紹介しました。皆様が現状の取り組んでいるレベルがどのステージなのかご確認いただき、次に目指すべきステージとその内容を把握することで、ロードマップ策定に役立てていただければと考えております。また、Observability に取り組むにあたり、大事な考え方である「無理なく・必要な場所から取り組む」、「システムの実装だけで終わりではない」、「継続的な取り組みが大切」というメッセージをお伝えしました。

Observability ジャーニーを実現するための AWS サービス:CloudWatch 編

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 ソリューションアーキテクト 津和崎 美希
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 次に、SA 津和崎より、AWS Observability Maturity Model の各ステージで利用できる Amazon CloudWatch 関連のサービスを紹介しました。テレメトリーデータを収集するサービスとして、CloudWatch の基本のサービスである CloudWatch Metrics (メトリクス)、CloudWatch Logs (ログ)、AWS X-Ray (トレース) を紹介しました。収集したテレメトリーデータを分析するために、X-Ray のトレースマップから、レイテンシーやエラー率と言ったメトリクスを確認したり、CloudWatch Logs Insights に画面遷移して、根本原因を調査することができることを例示しました。次に、テレメトリーデータをもとに異常検知する CloudWatch Anomaly Detection や、機械学習で運用データやアプリケーションのメトリクスやイベントを分析し、通常の運用パターンから逸脱する動作を特定でき、現在及び将来の問題に対処するためのレコメンデーションを提示してくれる Amazon DevOps Guru を紹介しました。AWS では各ステージで適したサービスを用意していますので、AWSでのシステムにおける Observability を始める最初の選択肢として CloudWatch や X-Ray の利用を検討いただければと考えております。

Observability はじめの一歩 CloudWatch Synthetics

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 ソリューションアーキテクト 堀 貴裕
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 SA 堀より、Observability を獲得するために何から始めるといいか?という問いをテーマに、アプリケーションになるべく手を入れずにユーザ視点でアプリケーションが正常性を監視できる外形監視サービスである Amazon CloudWatch Synthetics を Demo を交えて紹介しました。CloudWatch Synthetics はよくあるユースケースではブループリントが用意されており、コーディングなしで外形監視を行うことができるサービスです。是非、何から始めるか迷われている方は、CloudWatch Synthetics を使って、自身のシステムの外形監視から始めてみてはいかがでしょうか?

Observability ジャーニーを実現するための AWS サービス:OSS 編

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 ソリューションアーキテクト 藤原 和弘
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 SA 藤原より、AWS Observability Maturity Model の各ステージで利用できる Open-source Managed Service を紹介しました。テレメトリーデータを収集するサービスとして、OpenTelemetry の安全で本番環境に適した AWS サポートのディストリビューションである AWS Distro for OpenTelemetry (以下 ADOT) が今できることの紹介や、Prometheus や Grafanaのマネージドサービスである Amazon Managed Service for PrometheusAmazon Managed Grafana (以下 AMG) の紹介をしました。AMG では、テレメトリーデータの分析方法について例示しました。昨今、特定ベンダーに依存しない OpenTelemetry の需要が高まってきています。今後高度化していく Observability を実現しやすくするために、AWS 環境では、ADOT を利用してテレメトリーデータを収集し、柔軟にバックエンドリソースを変更できるようにしておくことをおすすめします。

AWS Observability ベストプラクティス大紹介

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 テクニカルアカウントマネージャ 日平 大樹
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 テクニカルアカウントマネージャの日平より、AWS で Observability を実装する上でのベストプラクティスガイドである AWS Observability Best Practices の紹介をしました。5 つのベストプラクティスの概要のご紹介と、ベストプラクティスのカテゴリ毎の内容の概要を紹介しました。本ガイドを活用することで、一般的な落とし穴を回避し、皆様のシステムに Observability をもたらす手助けになると思います。具体的な AWS のサービスに対してのガイドも記載されていますので、是非参考にしてみて下さい!

AWS Observability 関連最新アップデート

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 ソリューションアーキテクト 宮崎 友貴
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 最後は SA 宮崎より、AWS における Observability 関連の最新アップデートや事例を紹介しました。AWS への専用ネットワーク接続である AWS DirectConnect や VPN 等を経由したハイブリットネットワークのパフォーマンス監視を行える Amazon CloudWatch Network Monitor、AWS 上で実行されているアプリケーションを自動でモニタリングし、健全性やパフォーマンスを可視化する Amazon CloudWatch Application Signals、CloudWatch Logs で機械学習により、ログのパターンを自動で認識したり、異常を検知したりする機能等、最新機能アップデートを紹介しました。また、システム規模が拡大にするにあたり、Observability もスケールアップする必要があり、都度発生した課題を継続的に解決してきた Stripe 様の事例をご紹介しました。本事例にご興味のある方は、こちらをご確認下さい。

まとめ

 今回は、Observability をどのように獲得していけば良いか迷っている方々を対象に、Observability 獲得プロセスを「旅路 (ジャーニー)」に例えて、様々なセッションを用意させていただきました。本イベントをきっかけに、皆様のシステム運用が少しでも楽になり、皆様が幸せになることを願っております。今後も、お客様のシステム運用を少しでも効率化できるように、このようなイベントを企画し、情報発信を継続していきます。AWS のサービスを利用することをご検討いただいているお客様がいらっしゃいましたら、無料で個別相談会を開催しておりますので、こちらのリンクからぜひお申し込みください。

ソリューションアーキテクト 高野 翔史