Amazon Web Services ブログ
SAP BTP on AWS で耐障害性の高いアプリケーションを構築
2021 年に ASUG と Pillir が行った研究では、最も重要な SAP カスタムコードの保守費用は年間平均 80 万ドルでした。
組織の 37 % では、これが年間 IT 予算の最大半分を占めていました。
同時に、SAP ユーザーの 91 % がミッションクリティカルなビジネスプロセスの実行を SAP カスタムコードに大きく依存していました。
SAP のアップグレードやモダナイゼーションプロジェクトのたびに、カスタムコードの維持費用は指数関数的に増加しています。
そこで SAP は Clean Core という導入アプローチを推奨しています。これは、SAP S/4HANA コアを標準のままにし、SAP Business Transformation Platform (SAP BTP)や AWS ネイティブクラウドサービスなどの補完的なサービスで機能を拡張する手法です。
クリーンコアアプローチを実現するには、お客様やパートナー様が SAP BTP と AWS Cloud Services の機能を理解し、両者の長所から恩恵を受けられる方法を把握する必要があります。
このブログでは、トレーニングコース「Build Resilient Applications on SAP BTP with Amazon Web Services」について紹介し、概要を説明します。
SAP と AWS が共同で実施するこのコースは、両社の戦略的な連携の一環として、受講者に両社の強みを最大限に生かすための知識を提供することを目的としています。トレーニングを通して、クリーンコアアプローチを円滑に実装でき、受講者は両社の利点を簡単に活用できるようになります。
SAP と AWS は 15 年以上にわたり協力して顧客のためにイノベーションを続けています。その継続的なイノベーションの成果が、最近の発表であるSAP HANA Cloud が AWS Graviton をサポートしたことです。
戦略的パートナーシップの焦点の 1 つは、SAP S/4HANA と RISE with SAP および SAP BTP on AWS の採用を加速させることです。
この戦略的パートナーシップによって、SAP BTP と AWS を組み合わせることで、お客様やパートナーに対してイノベーションを起こし、価値を創出するための、それぞれ独自の強みや専門知識、リソースがもたらされます。
図 1 – AWS for SAP BTP フレームワーク
フレームワークは次のとおりです。
- AWS が SAP Business Technology Platform にもたらすユニークな差別化価値の集合。
- アプリケーション開発、自動化、インテグレーション、データと分析、人工知能などの SAP BTP の柱に基づく協調アーキテクチャの集まり。
- これらのアーキテクチャが実践でどのように機能するかを示す現実のユースケースの例。
SAP BTP 上に AWS で回復力のあるアプリケーションを構築
Amazon Web Services ( AWS )と共同で、SAP BTP 上の堅牢なアプリケーションを構築する方法を学ぶ無料コース「Build Resilient Applications on SAP BTP with Amazon Web Services」のリリースを発表しました。このコースは、SAP が提供する学習プラットフォーム openSAP で提供されています。
openSAP には 250 万人以上の登録ユーザがおり、ハッソー・プラットナー工科大学によって運営されています。
このトレーニングは、実践的なアプリケーションを提示し、共同革新フレームワークをプロジェクトに効果的に実装できるようにすることで、SAP BTP と AWS サービスの導入を加速することを目的としています。顧客とパートナーに対するイノベーションと付加価値の創造を推進しています。このトレーニングに参加することで、これらのイノベーションをデプロイする実践的な知見を得ることができ、常に進化する技術的環境を確実に理解して、SAP と AWS の優れた技術の特徴を備えたソリューションを提供できるよう十分な準備ができます。
この講座は 5 週間にわたり、SAP BTP と AWS の共同イノベーションの議論をサポートします。
講座には、SAP と AWS が共同で作成した 23 のビデオ録画、16 個のデモ、12 の演習問題が含まれています。
この講座は、アプリケーション開発者、コンサルタント、クラウドソリューションアーキテクト、エンタープライズアーキテクト、クラウドアーキテクチャと開発に興味がある方を広く対象とします。
特に SAP システムやサービスを統合したい AWS エコシステムのユーザには有益です。
このコースはグローバルにアクセスでき、コンテンツは英語で提供されますが、字幕はドイツ語、フランス語、スペイン語など複数の言語が用意されています。
誰でも受講できるよう前提条件は設けていませんが、ハンズオン演習では基本的なプログラミング知識が推奨されます。
コース内には次のようなリファレンスアーキテクチャの例が含まれています。
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- 自動在庫補充通知 : S/4HANA の在庫管理と Amazon AppFlow や SNS などの AWS サービスを組み合わせて、効率的なサプライチェーン運用を実現します。
図 2 — 自動在庫補充通知、リファレンスアーキテクチャ
- イベント駆動型統合アーキテクチャ: SAP BTP をインダストリー 4.0 のシナリオに活用し、SAP-AWS 統合の多様性を示しています。
- 自動在庫補充通知 : S/4HANA の在庫管理と Amazon AppFlow や SNS などの AWS サービスを組み合わせて、効率的なサプライチェーン運用を実現します。
図 3 – イベント駆動型統合アーキテクチャ、リファレンスアーキテクチャ
個人向けの利点:
- SAP BTP と AWS の深い知識
- スキルの向上と資格取得
- 最新のトレンドを追うこと
- 競争力の獲得
パートナーのメリット:
- 競争優位性 (その分野のエキスパートとしての地位)
- 無料の研修で運営コストを削減
- 柔軟なペースでの自習学習
- 定期的にコース内容を更新して継続学習を可能にする
- コミュニティとネットワーキングの機会
SAP BTP と AWS の専門知識を今日から身につけましょう!
SAP と AWS がイノベーションを続ける中で、このコースは、プロフェッショナルがこれらの企業が提供する技術のスキルと理解を深めるための貴重な機会となります。知識を広げたいか、仕事で活用したいかにかかわらず、このコースは非常に有用なリソースです。
この学びと革新の旅路にご参加ください。そして、私たちで一緒に未来を築いていきましょう!
「Build Resilient Applications on SAP BTP with Amazon Web Services」のコースを今すぐ申し込んでください。
SAP on AWS ディスカッションへの参加
お客様のアカウントチームと AWS サポート の他に、AWS は re:Post サイト で公開の質問とアンサーのフォーラムを提供しています。
SAP on AWS ソリューションアーキテクトチームは、SAP on AWS のディスカッショントピックを随時監視し、回答できる質問があれば回答して皆さまをサポートしています。
質問がサポート関連でない場合は、re:Post のディスカッションに参加してコミュニティ知識ベースに投稿することをご検討ください。
クレジット
openSAP トレーニングコース「Build Resilient Applications on SAP BTP with Amazon Web Services」は、SAP と AWS の専門家の共同作業の成果です。
以下のメンバーに寄与いただき、感謝いたします。Anirban Majumdar、PVN PavanKumar、Weikun Liu、Sivakumar N、Uma Anbazhagan、MadanKumar Pichamuthu、Marc Huber、Praveen Kumar Padegal、Mahesh Palavalli、Shanthakumar Krishnaswamy、Harutyun Ter-Minasyan、Piyush Gakhar、Lalit Mohan Sharma、Divya Mary、Ajit Kumar Panda、Ferry Mulyadi、Diego Lombardini、Himanshu Salathia、Venkat Tatavarthy、Krishnakumar Ramadoss
翻訳は Partner SA 松本が担当しました。原文はこちらです。