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消費財パートナー対談: Noodle.ai によるサプライチェーン計画の変革

COVID -19 によるパンデミックはこれまでに例のないような混乱を引き起こしました。たった数日間で世の中は大きく変わりました。屋内退避命令やロックダウン、マスク着用義務、ソーシャルディスタンスといったルールが定着するにつれて、新たな消費行動が出現しました。消費財業界ほどパンデミックの劇的な影響を感じた業界はないでしょう。しかし、インダストリーリーダーたちは回復力を信じ、粘り強くイノベーションを推進しています。私たちは、消費財企業にサービスを提供している AWS 戦略的パートナー幹部との対話を通して、この混乱を乗り越えるためのリーダーシップとイノベーションについて彼らの考えを聞いています。このブログシリーズをお楽しみください。質問や提案があればぜひ、コメントを投稿してください。

「消費財パートナー対談: 前例のない混乱の中でのリーダーシップ」 ブログシリーズの今回の記事では、製造業およびサプライチェーン企業向け人工知能アプリケーションを販売する AI-as-a-Service ソフトウェアベンダーのリーディングカンパニーである Noodle.ai 社の CEO 兼創設者である Steve Pratt 氏に話を伺いました。 Noodle.ai 社には、無駄のない世界を作るとい大きなプランがあります。現在のパンデミックに対応しながら、 今後訪れるであろう混乱からサプライチェーンを保護するために、敏捷性高く前進していくことについて、 Steve Pratt 氏の考えを共有してもらいました。

 

AWS:読者にあなたの考えをより理解してもらうため、まず教えて下さい。Noodle.ai 社の得意とする領域は何でしょうか。また、どのような消費財企業エグゼクティブと交流がありますか?

Noodle.ai 社 CEO Steve Pratt 氏: 当社はエンタープライズソフトウェア企業で、製品オペレーションのエグゼクティブ向けにこれまでにないプランニングのための製品を販売しており、サプライチェーンにおいて最も価値のある、重要なプラニングや生産の問題を解決する支援をしています。当社の Athena サプライチェーン AI スイートは、世界規模の消費財企業向けに、人工知能を活用した高度な計画ツールを提供しています。当社のソリューションを活用いただくことで、売上の損失を減らし、在庫を管理し、需要予測の精度を向上させることができます。対象とするエンドユーザーは、需要、在庫、供給のプランナーで、ソリューションから得られるデータにより、0〜13 週間の期間内でより的確な意思決定を行うことができるようになります。また、経営幹部がプランナーとよりよい戦略的対話を行うことができるようにもなります。
当社が主にカウンターとするエグゼクティブは以下です:

  • C-Suite (CEO、COO、CIO、CTO、CFO など)
  • デジタルトランスフォーメーションリーダー (CDO など)
  • 基幹業務リーダー (EVP、SVP、サプライチェーンやグローバルオペレーションの VP など)

AWS:消費財企業はこれまで体験したことのないような混乱に立ち向かってきました。お客様にとって最大の課題は何だったと考えますか?

Steve Pratt 氏: パンデミックの拡大につれて、レガシーな計画システムとプロセスでは変化に追いつくのに苦労するようになりました。ほとんどの企業では、経験豊富なプランナーの専門知識だのみになっており、サプライチェーンの大部分は手作業で計画されていたのです。結果、計画チームと個々のプランナーの双方に多大なストレスが生じました。この課題は新しいものではないのですが、COVID-19 パンデミックにより変動性が増したために状況がさらに困難になっていました。

Noodle.ai Athena サプライチェーン AI スイートは、サプライチェーンの問題点に的確に対処するものです。

  1. 消費者の需要に対し充足率を満たせない – 平均充足率は 85〜95% で、つまり需要の 5-15% は応えられないままになっています。
  2. 過剰在庫 –消費者企業の多くのでは実際の需要とのバランスをとることができずに、在庫過多になるポートフォリオがあります。
  3. お急ぎ便に要するコスト – プレミアムな貨物輸送や航空輸送はコスト高で収益に直結します。調査によると航空貨物の半分は顧客に届いていないことがわかり、完全に無駄なコストになっていました。
  4. プランナーの燃え尽き症候群 – 消費財企業エグゼクティブの多くは、従来の計画ツールの欠点に起因する、今日のプランナーの仕事が手作業ベースであることに大きな懸念を抱いています。 Noodle.ai などの高度な計画ツールを採用することで、プランナーが手作業から解放され、より「付加価値の高い作業」にシフトでき、本来の役割を果たすことができるようになります。

AWS:変化する市場のダイナミクスと消費者の期待に応えるべく、消費財企業は現在の運用環境をどのように調整していると思いますか?

Steve Pratt 氏: パンデミック初期には、多くの消費財企業がポートフォリオを簡素化して重要な製品のスループットを改善し、また、外部製造業者を大幅に活用しました。この方法は一見シンプルに見えるかもしれませんが、細部にはおびただしい数の課題がありました。一部の製品の需要は急増する一方、需要が減少する商品もありました。チャネルごとの売上は急速に変化し、小売業者からの発注パターンも劇的に変化しました。

確実にわかったことは、サプライチェーンには、需要と供給の計画変動に対処するためのより機敏な新しいアプローチが必要だ、ということです。 2021年以降にすべてが「元通りの」状態に戻ると信じている企業はありません。消費者行動の変化が今後も続く可能性が高いためです。私たちはこの困難な環境下でグローバルな消費財企業のリーダーたちが取り組まねばならないサプライチェーン管理に貢献できることを誇りに思っています。

AWS: 消費財業界は非常に回復力があります。ニューノーマルを踏まえると、テクノロジーとクラウドは消費財業界に対してどのような役割を果たすと思いますか? 消費財企業が製品を製造し (Make)、配送し (Move)、販売する (Market) 方法を強化するテクノロジーについてどのように考えていますか?

Steve Pratt 氏: グローバル消費財企業のリーダーたちは、データ(データレイクなど)を把握、整理し、それを機能化して計画システムにフィードバックするべく何十年も費やしてきました。それが2020年にあっという間に膨らんだのです。安定期がありましたが、前例のない変動性で衰退しました。需要側と供給側のどちら側においても、企業、特に需要のスパイクを経験した企業は消費者に製品を届けることができませんでした。この課題は新しいものではないのですが、パンデミックにより深刻化したのです。

Athena サプライチェーン AI スイートは、 AI を使用してプランニングを高度化し、成果を予測し、非常に不安定な環境下での推奨アクションを提示する、という目的のために作られたものです。 Athena は内部および外部にある大量のデータをすばやく分析して、特定の結果が発生する可能性に基づいてアクションを検知、予測、および推奨を提示することができます。人々に力を与えることを目指しており、データ駆動型インテリジェンスと組み合わせた当社のソリューションで、持続可能な競争上の優位性を確立することができます。重大な課題の解決に役立つテクノロジーに対し、消費財業界のリーダーたちが積極的に投資すると確信しています。

AWS:この消費財業界の混乱の中で、あなたの会社は変化に対応するためにどのような革新を行っていますか?

Steve Pratt 氏: パンデミックにより革新的なサプライチェーン機能の開発が加速しました。開発に5年かかっていたかもしれない技術も、12〜18か月とはるかに短期間で進化しました。 COVID-19 の初期の頃、消費財業界の顧客の1社が、私たちのツールを活用してポートフォリオの基本的な動作を理解し、生産最適化を可能にしました。彼らが利用していた他の計画ツールでは、統計モデルを遮断するところまで追い込まれていました。私たちが支援することで、どの SKU がスパイクし、あるいは減少し、あるいは定常状態を保ち続けるかを予測し、状況を制御できるようになりました。

AWS:今後の「ニューノーマル」についてはいろいろなことが話されています。この「ニューノーマル」についてはどうお考えですか。また、消費財業界のこれからの 3 年はどのようになるとお考えですか。

Steve Pratt 氏: 過去10年間、ほとんどの企業はサプライチェーンのコスト削減に重点を置いてきました。しかし、パンデミックにより不確実さが高まり、食品や清掃関連商品など一部ではこれまでにないような需要の高まりが見られ、一方でそれ以外のカテゴリーでは大幅な減少が見られました。今後、同じような不確実さを制御するためには敏捷性が重要になるので、消費財企業もテクノロジーに投資する必要があります。もちろんコストの削減は常に非常に重要なことですが、あらゆる状況に迅速に適応できるよう、優先順位のバランスも考える必要があります。

また、消費財企業はこれから二酸化炭素排出量やリサイクル可能性といった持続可能性にさらに重点を置くようになると考えています。より徹底した運用の効率化を進め、顧客企業の廃棄物削減を支援することも Noodle.ai のミッションになります。

AWS:消費財業界の将来について、どんなことを楽しみにしてしますか?

Steve Pratt 氏: 消費財企業の多くは、最近の激しい競争圧力の下でもビジネスの回復力を高めるべく熱心に取り組んでいます。最近のマッキンゼーの調査では、「卓越した業績を挙げた40年後…グローバル消費財(CPG)業界は、過去10年以上伸び悩んでいる。なぜなのか? 12 の破壊的なトレンドにより、マスブランド成長の古い成功モデルが薄まってきているからである。現在、COVID-19 の危機によりこの傾向は増幅されており、業界の変革が急要不可欠となっている。」と述べられています。強力な財務実績を構築し、高まる一方の消費者からのサービスと満足度に対する期待に応えるための革新的な方法の模索を余儀なくされています。成長とコスト効果の間には、よりバランスの取れた見方があります。ある意味で、消費財業界は活気を取り戻しています。人々は 「Xブランドを大切にしています」と言っています。これは一部のブランドにとってはカンフル剤になっており、ブランドはその上に成り立っているのです。

消費財企業のリーダーたちはまた、生産工場で働く従業員から、製品を市場に出すトラック運転手、食料品店で働く店員に至るまで、エッセンシャルワーカーと言われる人々に新たな感謝を抱いています。それを知ったことも素晴らしいと思っています。

AWS:スティーブ、お話を聞かせてくださいましてありがとうございました。あなたの洞察と知見に感謝いたします。

 

Steve Pratt 氏、Noodle.ai 社、またはAWSに質問があれば、このブログにコメントしてください。 Noodle.ai 社のサイトからデモをリクエストいただくこともできます。

著者について

Steve Pratt

Noodle.ai 社 CEO 兼創業者である Steve Pratt は、グローバルレベルのテクノロジーサービス組織の創設における先導者であり、活動家、パイオニアでもあります。世界で最も重要な組織に価値を生み出す革新的な方法を構築することに彼のキャリアを費やしてきました。 Noodle社の前は、IBM Global Business Services において世界中のすべての Watson の案件を担当していました。また、 Infosys Consulting の創設者兼CEO、Deloitte Consulting のシニアパートナー、Booz 、Allen&Hamilton の技術戦略コンサルタントでもありました。 Consulting Magazine の世界のトップ 25 コンサルタントの 1 人に 2 度選ばれています。ノースウェスタン大学とジョージ ワシントン大学で電気工学の学士号および、修士号を取得しており、衛星通信を専攻していました。

Kevin E. McCurdy

Kevin E. McCurdy は、グローバルCPGセグメントリード– AWSのAPNであり、戦略的なISVおよびSIパートナーとの関係を特定して関与する責任があります。 以前は、E2openでVP – Demand SignalManagementを務めていました。 Orchestroの戦略的アカウントの共同創設者兼VPであり、後にE2openに買収されました。 また、MercariTechnologiesの共同創設者兼事業開発およびサービス担当副社長も務めました。 ケビンは、コカ・コーラ、ジェネラルミルズ、ケロッグ、ペプシコ、ユニリーバ、クラフトハインツなどのグローバルCPG企業や小売業者と協力して、サプライチェーン管理、カテゴリ管理、需要信号管理で25年以上の経験があります。 彼はペンシルベニア州立大学でビジネスロジスティクスと国際ビジネスの理学士号を取得しています。

 

翻訳は Solutions Architect 杉中が担当しました。原文はこちらです。