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教育機関の授業でAWSアカウントを使う場合のFAQ

パブリックセクター事業開発マネージャー(高等教育機関・研究機関担当)澤です。過去の Blogポスト「学生と教員が無料で使える機械学習の新しい学習リソースを提供開始しました」では大学・高専・専門学校などの授業でのクラウド利用のために無料で利用できるAWSの利用環境や機械学習の環境をご紹介しました。

クラウド学習の初期段階においては、無料で利用できるクラウド環境は費用を気にすることなく、学生に使わせることができるため大変便利です。一方、ある程度クラウドのスキルを身に着けた学生に自由に開発をさせるようなプロジェクト型の講義や、特定のサービスを利用したい場合、無料で提供される環境で設けられているサービスの制限や起動時間の制限のために、やりたいことができないという場合があります。このような場合、どうすればよいかというご相談を受けることがよくありますので、FAQとして公開します。

まず、前提としてそのような場合、学生に AWSの通常の課金が発生するアカウントを利用させることを検討いただくことになるります。通常は教員が管理するAWSアカウントの IAM (Identity and Access Managementユーザを作成し、必要な権限を定義し学生に提供していただくことをお勧めしています。それぞれのIAMユーザにはマネジメントコンソールにログインできるパスワード、Access KeyおよびSecret Access Keyを発行することができますので、学生はそれらを使いコンソールにログインができるようになります。

以下はFAQです。

  1.   費用をどう見積もればいいですか?
    回答:使用するサービスのプライスを各サービスの料金表や見積もりツールから算出することもできます。演習で使うサービスが分からない場合は演習用途を書き添えて aws-jpps-er@amazon.comまでご相談ください。何をするか決めずに自由に使わせる場合は AWS Academyの LearnerLab(授業用の制限付きAWS演習環境)の上限額である 1人100ドルをにつき100ドルを参考にいただくと良いかと思います。
    【参考】
    EC2のオンデマンドの料金
  2. 多数の学生が授業で一度に同じサービスを起動することは可能ですか?
    回答:意図せずサービスを大量に立ち上げてしまうことを防止する観点から、初期状態ではサービスの起動上限数等が設定されている場合があります。例えば講義で多くのリソースを同時起動させたい場合には、あらかじめサポートケースを作成し、上限緩和申請をしていただく必要がございます。
    【参考】
    EC2の起動数制限
    上限緩和の方法
  3.  事前に学生がどのような知識を身に着けているべきですか?
    回答:自分が使おうとするサービス料金の確認方法と各サービスの停止や削除の方法を知っているか確認の上アカウントを提供することを推奨します。また作成したリソースを必ず削除する習慣、定期的に利用中のサービスの棚卸しをする習慣を身につけていただくことが重要です。
  4. 学生に特に注意を促すべき点は何ですか?回答:使用していないサービスは停止あるいは削除すること、特に初めて使うサービスは何に対して課金をされるのかと、自身が利用することで想定される費用を調べるよう指導してください。
  5.  授業が終了後どうすればよいですか?
    回答:基本的には学生に配布した IAMアカウントは配布し、目的の利用が終わったら利用されたリソースの削除、IAMアカウントの削除をすることをお勧めします。
    【参考】
    コンソールでの IAMアカウントの作成と配布方法 
  6. 教員はAWSのアカウントをどのように取得すればいいですか?
    回答:クレジットカード決済が難しい場合は請求代行ができる AWSパートナーから AWSアカウントを発行してもらうことが可能です。請求代行が担えるAWSパートナーの紹介を希望される場合はお問い合わせください。
  7.  あらかじめ決まった額までの範囲での利用にしたいのですが何か良い方法はないですか?
    回答:請求代行ができるパートナーの一部がバウチャ(定額先払いプラン)を販売しています。バウチャは Amazonビジネス(Amazonの法人向け決済サービス)、大学生協でも購入可能です。バウチャの購入について質問があればお問い合わせください。

バウチャに関連して、複数のバウチャなどの定額プラン扱うパートナーがそれぞれのプランの特長を紹介するウェビナーを2022年6月24日に開催します。
申し込みはこちらから】 

その他ご質問がありましたらパブリックセクター高等教育機関担当問い合わせ窓口 aws-jpps-er@amazon.com までお気軽にお問い合わせください。

また公共機関における AWS 導入のためのお役立ちサイトもご参照ください。

【著者】

sawafumi culture ambassadorパブリックセクター 事業開発マネージャー(教育・研究担当) 澤 扶美
新卒で入社した外資系コンピュータ会社の技術者から理化学研究所にスーパーコンピュータの技師に。2018 年 10 月  AWSにエデュケーションプログラムマネージャーとして入社、2021年9月より現職。AWS カルチャーアンバサダー。公私にわたり STEM 分野で働く女性を増やす活動も積極的に行っている。大阪出身。好きな AWS のサービスは AWS Cloud9。