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AWS Customer Carbon Footprint Tool による二酸化炭素排出量データの可視性の向上
このブログは 2023 年 4 月 19 日に Bowen Wang によって執筆された内容を日本語化したものです。原文はこちらを参照して下さい。
プリンシパルプロダクトマネージャである Dennis Newberry とサステナビリティプロダクトマネージャの Kurt Yeager がブログに寄稿しました。
Customer Carbon Footprint Tool は CSV ダウンロードオプションをサポートするようになりました。これにより、カーボンフットプリントデータを詳細に確認し、そのデータを他のレポートシステムに取り込み、さらなる分析や情報共有を行うことができます。
背景
AWS のビジネス価値は、総所有コストの削減だけではありません。AWS の規模の経済性、高可用性、俊敏性は、スタッフの生産性の向上、ビジネスリスクの軽減、持続可能性の向上に役立ちます。AWS で得られるメリットの詳細をご覧ください。
近年、より効率的で持続可能な方法で事業を運営することに注力し、エネルギー効率の目標を設定する企業が増えています。AWS は 2022 年 3 月に Customer Carbon Footprint Tool (CCFT) をリリースしました。これにより、AWS サービスの使用による二酸化炭素排出量と、再生可能エネルギーで運用される AWS のインフラストラクチャを活用することによる現在および予測される排出削減量を追跡できます。
ダウンロード可能な CSV ファイルによる二酸化炭素排出量データの可視性向上
以前は、CCFT のサマリーレポートは PDF 形式でダウンロードできました。しかし、企業のニーズに基づいてより包括的なサステナビリティレポートにデータを取り込むことができるように、カーボンフットプリントレポートを CSV 形式でダウンロードしたいという声が多くのユーザーから寄せられています。ダウンロード可能なレポート形式の変更に伴ってAWS はレポート内のデータの細分化も強化しました。
- 炭素報告基準の引き下げ : AWS は炭素報告基準を小数点以下 1 桁から小数点以下 3 桁に引き下げました。つまり、炭素排出量データは、以前の 0.X 二酸化炭素換算トンから 0.00X 二酸化炭素換算トンで入手できるようになりました。この変更によって、環境が小さく二酸化炭素排出量が 0.1 二酸化炭素換算トン未満のお客様も二酸化炭素排出量を確認できるようになります。目に見える二酸化炭素排出量の閾値を 1 kg に引き下げることで、より多くのAWSのお客様が二酸化炭素排出量の報告を開始できるようになります。
- カーボンの粒度の向上:CCFTのユーザーインターフェースと以前にダウンロードした PDF では、地域別またはサービス別の月次サマリーデータが表示されていました。新しい CSV ダウンロードにより、炭素データを月、サービス、地域別に多次元レベルで分析できるようになりました。たとえば、北米での Amazon EC2 使用量の二酸化炭素排出量を確認できるようになりました。これにより、二酸化炭素排出量の主な発生源をより正確に特定できます。
仕組み
- AWS 請求コンソールにログインし、「コストと使用状況レポート」を選択します。
- 下にスクロールすると、炭素排出量の概要、お客様の排出量の削減、地域別やサービス別の排出量の分布を含む概要レポートが表示されます。「ダウンロード」ボタンがあり、クリックすると詳細データを CSV ファイルとしてダウンロードできます。
- CSV レポートを作成すると、AWS アカウント ID、トン単位の炭素排出量データ、AWS サービス、地域の詳細が表示されます。これにより、選択したディメンション別にデータを表示するのが簡単になります。たとえば、地域、サービスごとのクイックピボット、または BI システムにデータを取り込むことができます。
結論
炭素排出量レポートの可視性と柔軟性が向上したことで、持続可能性イニシアチブの進捗をより細かく管理および最適化できるようになります。Customer Carbon Footprint Tool の詳細については、このユーザーガイドをご覧ください。
翻訳はソリューションアーキテクトの Yoshinori Sawada が担当しました。