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オフィスアワーで会いましょう! – ISV/SaaS 事業者向け個別相談会のご案内

こんにちは!ISV/SaaS ソリューション本部 Solutions Architect の加治です。
私が所属する ISV/SaaS ソリューション本部では、主に国内のパッケージベンダーや SaaS ビジネスを展開するお客様へ技術的なご支援を無償で行っております。

このブログでは、ISV/SaaS ソリューション本部で行っている「オフィスアワー」についてご紹介したいと思います。
また次回以降のブログでは、この「オフィスアワー」でお客様からご相談頂いた課題とそれに対するソリューションの中から、他のお客様にも役立つ内容について共有していきます。

オフィスアワーに関するブログについてはこちら

オフィスアワーとは?

ISV/SaaS ソリューション本部では AWS を利用中のお客様、これから AWS の利用を検討しているお客様に対して、1 時間ほどのお打ち合わせにてディスカッションベースのご支援を実施しています。

  • 「○○を行うシステムを構築したい。どのようなアーキテクチャを組むのが良いのか?」
  • 「サービスが成長していく中で、スケールするシステムを作るためにはどうすればよいか」
  • 「現行システムの運用負荷が高いので、どのようにして負荷を下げたら良いのか」

といった、システム設計の初期段階から運用まで、様々なフェーズの課題解決に向けたディスカッションを行う時間となっています。


オフィスアワーの流れ

では実際に、オフィスアワーの中でどのようなディスカッションが行われるのかを紹介します。

現状の構成の確認

システムの現状や実施したいこと、お客様の開発/運用体制やスケジュール感について確認します。お客様の状況によって最適なソリューションが異なるため、まずお客様の状況をヒヤリングします。

打ち合わせのゴールの確認

今回の打ち合わせでどの地点をゴールとするかの認識あわせをします。場合によっては複数の課題があるため、まずどの課題についてディスカッションを行っていくのか、優先度の確認とゴールを確認します。

ディスカッション/ソリューションの検討

ゴールを確認したら、課題解決に向けたディスカッションを行います。お客様のやりたいこと、成し遂げたいことを元に、ディスカッションだけでなくお客様の状況に合わせたソリューションを紹介します。

Next Action の決定

打ち合わせの後、どのようなアクションを実施していくかを確認します。ディスカッションをして終わり、ということにならないよう具体的なアクション・スケジュールを確認し、今後どのようなご支援が必要かどうかを認識合わせします。


オフィスアワーの相談例

ここまでオフィスアワーの流れについて紹介しました。より具体的にイメージしていただくためにオフィスアワーでの相談例をご紹介します。

お客様からの相談依頼

コンシューマ向けサービスを提供しているが、エンドユーザ単位で AWS 環境を作成している。エンドユーザの数が増えるにつれ AWS 環境の管理が煩雑になってきたので、運用負荷を減らしたいと思っている。何か良いアイデアはあるか?

実際のオフィスアワーの流れ

まずは、お客様のサービスを構成する AWS サービスの利用状況や運用方法、運用体制についてヒヤリングを実施しました。ヒヤリングしていく中で、お客様の課題は以下の点にあるということがわかりました。

  • エンドユーザ単位で構築している EC2 のパッチ当て運用の負荷が高い
  • 新規のエンドユーザ環境を作る際に AWS コンソールから作成しているが、手順のミスが発生する
  • EC2 内に TLS 証明書を持っているので、エンドユーザごとの証明書の更新運用が大変である

上記の課題に対し、Solutions Architect から AWS Systems Manager Patch Manager でのパッチ運用や、AWS CloudFormation を使った AWS リソースのコード管理、AWS Certificate Manager + Amazon CloudFront / Elastic Load Balancing を利用した TLS 終端・証明書の自動更新について紹介しました。この中からまずお客様が着手しやすいところはどこであるのか?お客様の優先度とマッチしているかを更にディスカッションしました。

Next Action

ディスカッションの最後にお客様の Next Action を確認します。今回はまず、新規のエンドユーザ環境を作る負荷を減らすために CloudFormation を使った AWS リソースのコード管理から検証いただくことになりました。検証のための参考資料として、実際に手を動かすためのサンプルやハンズオンを紹介しました。オフィスアワーの最後にお客様から「課題が明確になり、さらに解決に向けたソリューションを一緒に考えてきただき非常に参考になった」との Feedback をいただきました。

まとめ

今回のブログではオフィスアワーについての概要と流れ、具体的な相談についてご紹介しました。次回もオフィスアワーでご相談頂いた内容から、他のお客様にも役立つ内容について共有したいと思います。
「現状のシステムの課題について意見を聞きたい」や「この AWS サービスについて気になっているけど、どういう風に活用することができるのか?」など、些細なことでも良いのでぜひご相談ください。お客様の担当営業もしくはこちらからお問い合わせください。


このブログの著者

加治 博章(Hiroaki Kaji)
Solutions Architect として ISV/SaaS のお客様の技術支援を行っています。

好きなAWSサービスは Amazon ECS、Amazon EKS、AWS PrivateLink です。

趣味は食べることです。