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リモートQC とプレイバックの新しい標準

この記事は、“A new standard for remote QC and playback” を翻訳したものです。

ゲストポスト:Jason Dvorkin (Sr. M&E Partner Solutions Architect, AWS Partner Program) and Scott Sharp (Head of Technology, GrayMeta).

昨年、世界的な健康危機の最中、メディア企業は、コンテンツ制作および品質管理 (QC) ワークフローへのリモートでの労働力結び付けという課題に直面していました。多くのスタジオでは、クリエイティブアーティストがさまざまな場所からコンテンツに安全にアクセスできるように、クラウドベースのリモートプロダクションおよびポストプロダクションサービスの利用を増やしました。高解像度のアセットがクラウドに移行し、クラウドコンピューティングが拡大するにつれ、品質管理 (QC) プロセスの実行には変化が必要でした。また、クラウドへの移行に伴い、メディア企業は人工知能と機械学習 (AI/ML) を活用して、コンテンツ内の重要な瞬間を確認できるようにフラグを立てることができます。

アマゾンウェブサービス (AWS) パートナーである GrayMeta は、AI/ML メタデータソリューションを使用してワークフローの効率化を促進し、時間とコストの削減につながる深い専門知識を持っています。GrayMeta の Iris Anywhere 製品は AWS のコンピューティング、ストレージ、AI/ML サービスを使用しているため、ユーザーは世界中のどこからでもリモート QC、品質保証 (QA) 、コンプライアンス、コンテンツレビュー、承認を実行できます。

AWS での QC

QC は、多くの場合、メディアワークフローの始めまたは終わりにあります。GrayMeta のIris は、Deluxe Media 社、Premiere Digital など、業界の著名なサービスプロバイダーから信頼されています。Iris は、ビデオスコープ、オーディオツールなどの堅牢な機能セットを備えており、最も重要な点として、あらゆるタイプのビデオファイルまたはパッケージを単一のソフトウェアソリューションで再生できるため、高価なハードウェアを購入して保守する必要がありません。

従業員が在宅勤務に移行するにつれて、コンテンツ制作とポストプロダクションは仕事の大幅な中断を防ぐためにクラウドに移行しました。QC も同じことをする必要がありました。Iris Anywhere はお客様の Amazon Simple Storage Solution (Amazon S3) バケットに直接接続するため、ユーザーはウェブブラウザを通じて高解像度の動画アセットを QC およびフレーム精度で再生できます。

GrayMeta Iris Anywhere スクリーンショット QC ツールとオーディオルーティング付き

GrayMeta Iris Anywhere スクリーンショット QC ツールとオーディオルーティング

GrayMeta は、ユーザーが Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンスにインストールできる独自の Amazon マシンイメージ (AMI) を作成しました。同時使用ユーザー数と再生コンテンツのタイプに基づいて、GrayMeta は、ワークロードをサポートする適切なタイプの Amazon EC2 インスタンスを推奨します。例として、Deluxe は、最大 3 人の同時ユーザーを持つ超高精細 (UHD) のInteroperable Master Format(IMF) パッケージを QC するために Iris Anywhere を使用します。このユースケースでは、GrayMeta は Amazon EC2 C5 インスタンスに Iris Anywhere をデプロイしました。GrayMeta は AWS Auto Scaling グループを使用して、ユーザーの要求に基づいてワークステーションをプロビジョニングします。

GrayMeta アイリスエニウェアワークフロー AWS

GrayMeta Iris Anywhere ワークフロー AWS

ユーザーは、仮想デスクトップインフラストラクチャ (VDI) を必要とせずに、Google Chrome 、Mozilla Firefox 、Microsoft Edge、Safari などの Web ブラウザを介して Iris Anywhere を操作できます。 Iris Anywhere は、スタンドアロンの QC スコープとビデオ波形モニター、スペクトラスコープ、ベクトルスコープなどのツールと、ラウドネスモニター、フェーズメーター、レベルメーターなどのオーディオツールを 1 つのソフトウェアに統合しています。Iris Anywhere は、 4K 再生をシミュレートする機能を備えたハイダイナミックレンジ (HDR) と UHD の再生もサポートしています。
これにより、オペレーターはブロードキャストモニターで Amazon S3 から QC にファイルをダウンロードする必要がなくなります。さらに、 Iris Anywhere は、Dolby Vision Content Mapping Unit (CMU) メタデータを表示し、 IMF パッケージの composition playlist (CPL) を可視化できます。Dolby Vision CMU メタデータと IMF CPL をタイムラインに表示できるため、オペレーターはセグメントの識別とアセットの技術仕様の検証を迅速に行うことができます。

ドルビービジョン CMU メタデータの抽出機能を含む、ドルビービジョンのファイル再生オプション

ドルビービジョン CMU メタデータの抽出機能を含む、ドルビービジョンのファイル再生オプション

メディアインテリジェンスが QC に適合

今日、ほとんどのメディア企業は多くのコンテンツを持っています。ストリーミングやオーバーザトップ (OTT) プラットフォームを立ち上げる準備をしていたり、劇場公開の準備をしているのかもしれません。いずれにせよ、これらの企業は 1 日でより多くのファイルを QC するために、アセットの適切な場所にオペレーターを集中させる方法を必要としています。一部のアセットではアセットをエンドツーエンドで監視する必要がありますが、 AI/ML を使用することで、コンテンツ内の問題のある領域にオペレーターの注意を集中させることができます。これにより、オペレーターのレビュー時間を 50% 短縮できます。そのため、GrayMeta は Amazon RekognitionAmazon Transcribe によって生成されたメタデータを Iris Anywhere で表示できる機能を追加しました。 Amazon Rekognition は機械学習ベースのサービスで、画像や動画を分析して、物体、人物、顔、テキスト、シーン、アクティビティ、不適切なコンテンツを検出できます。Amazon Rekognition のメタデータがあれば、オペレーターは不適切なコンテンツが画面に表示される瞬間をすぐに確認できます。これらの瞬間をすばやく確認し、編集者が修正すべき点にフラグを立てることができます。これにより、Standards and Practices (S&P) ワークフローが QC プロセスに統合されます。Amazon Transcribe は、書き起こされた音声のテキストファイルを返す自動音声認識サービスです。Iris Anywhere は、ビデオファイルに埋め込まれたクローズドキャプションを表示したり、サイドカーファイルを開いたりすることができます。これにより、オペレーターはキャプションと台詞の同期を確認することができます。動画ファイルにキャプションがない場合は、 Amazon Transcribe によって作成されたトランスクリプトを使用して、音声の同期を確認したり、キャプションやローカリゼーションベンダーに提供して動画を配信する準備をすることができます。ユーザーが Iris Anywhere でアセットを開くと、 Amazon Rekognition と Amazon Transcribe からメタデータをインポートしてツールウィンドウに表示できます。オペレーターは充実したメタデータを手に入れることで、レビューを迅速に行い、ファイルのレビューに必要な人数を減らすことができます。 Iris Anywhere のアノテーションツールを使用すると、オペレーターはエンリッチド・メタデータを使って edit decision list(EDL)を作成でき、コンプライアンス・エディターはそれを使ってコンテンツに編集を加え、放送に備えることができる。

コラボレーション

Iris Anywhere は、世界中のどこからでもリモートコラボレーションをサポートします。ファイルをレビューするオペレータは、肩越しのレビューセッションを開始することで、2 人目のオペレータを呼ぶことができます。アセットをプレイしているオペレーターの一人は、もう一方のユーザーの画面でリアルタイムに更新します。どちらのユーザーも、再生を制御し、スコープ内で同じ情報を表示することができます。Iris Anywhere では、時間ベースの注釈を使用して、アセットが QC プロセスに合格したか失敗したかを判断することもできます。オペレーターは、技術メタデータと注釈を含む詳細な QC レポートを Iris Anywhere から直接エクスポートし、メアセットの納品時に添付することができます。これにより、追加のドキュメントの作成にかかる時間や、複数のシステムから情報を引き出す必要が減ります。

お客様のメリット

Iris Anywhereのリリースにより、QCはもはや編集所の中で行う必要はありません。オペレーターは場所を選ばず、Amazon S3 に保存されたメディアを、アセットのダウンロードに時間を費やすことなく再生できます。Amazon Rekognition と Amazon Transcribe によって生成されたメタデータを活用できるため、オペレーターはアセットの重要な部分に注意を向けることができ、組織が時間を節約し、運用コストを削減するのに役立ちます。GrayMeta は、機械学習と AI サービスを使用して、企業が物理的な資産をデジタルに変換し、どこからでもコンテンツに接続してアクセスし、価値あるメタデータを作成できるようにする高度な AWS テクノロジーパートナーです。Iris Anywhere on AWS がメディアインテリジェンスをお客様のビジネスにどのように結び付けるかをご覧ください。Iris Anywhere は AWS マーケットプレイスから入手できます。 (*1 ) AWS での GrayMeta の詳細をご覧ください。

(*1) : 本Blog投稿時点でAWS マーケットプレイスでの配布はされておりません。

参考リンク

AWS Media Services
AWS Media & Entertainment Blog (日本語)
AWS Media & Entertainment Blog (英語)
AWS のメディアチームの問い合わせ先 : awsmedia@amazon.co.jp
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翻訳は SA 斎藤と SA 金目が担当しました。原文はこちらです。