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Media2Cloud 3.0 でメディアインテリジェンスがよりスマートに

本投稿では、Media2Cloud 3.0 の公式リリースについてお知らせします。このリリースにより、AWS のお客様は、AWS へのメディア移行ワークフローを簡素化し、迅速化することができます。人工知能と機械学習( AI/ML )を実装するフレームワークにより、コンテンツのフレームレベルでの記述的なメタデータの作成が可能になります。なお、この Media2Cloud の新バージョンは、サーバーレスのチェックサム検証、強化されたテクニカルメタデータの生成、動画、画像、音声の自動プロキシ生成、Amazon RekognitionAmazon Transcribe を使用したきめ細やかなメタデータ抽出など、2018 年の最初のリリース以来お客様にご利用いただいている機能もそのまま残しています。

デジタルメディアアセットをお持ちの場合は、Media2Cloud フレームワークを使用して、自動コンテンツ処理パイプラインを構築することができます。ファイルがAmazon Simple Storage Solution (Amazon S3) バケットにアップロードされると、Media2Cloud ワークフローは、標準化されたメタデータ、識別子、プロキシ作成、基礎的な機械学習メタデータをコンテンツへ追加するなどの主要なステップを自動化します。これにより、ライブラリやアーカイブが大きくなっても、容易にすべてのアセットを管理し、検索することができます。

AWS パートナーは、Media2Cloud フレームワークを活用し、お客様のコンテンツの AWS への移行を加速させることができます。AWS パートナーは、お客様の要件に基づいて Media2Cloud をデプロイし、カスタマイズするための認定を受けており、例えば、Media2Cloud のアウトプットから、AI が生成したメタデータをメディアアセットマネジメントプラットフォームと統合させることが可能です。また、Amazon Rekognition Custom Labels で使用するためのカスタム AI/ML モデルを作成することもできます。お客様のために Media2Cloud を実装、カスタマイズすることに関心がある AWS パートナーは、認定の取得方法について、ぜひ AWS パートナーチームにご確認ください。

これまでの Media2Cloud

Media2Cloud は、動画、画像、音声コンテンツを AWS 内で管理するための、体系化したプロセスを提供する AWS ソリューションです。サーバーレスでの取り込みと分析フレームワークを特徴としており、オンプレミスの取り込みワークフローに共通する属性を考慮し、新しい動画アセットが、整合性のとれたメタデータとプロキシで処理、サポートされるようにします。このフレームワークにより、お客様は何週間もかかるセットアップと構成を行う必要がなくなりました。また、このフレームワークは出発点であり、お客様やパートナーは、ビジネスの目的に合わせて修正することができます。

Media2Cloud は、UUID の割り当て、MD5 チェックサムの実行、テクニカルメタデータの抽出、サムネイルのプロキシの作成など、動画、画像、音声コンテンツを取り込むための標準的なエッセンスを網羅しています。このプロセスに加えて、Media2Cloud フレームワークには、動画、音声、画像アセットのベースラインメタデータを AWS 機械学習で補強するトリガーが含まれています。Amazon Rekognition によるオブジェクト認識や顔認識、Amazon Transcribe による音声からテキストの作成、 Amazon Comprehend を利用したコンテキストメタデータの作成、Amazon Textract による印刷テキストと手書き文字の抽出などが、アセットで実行されます。また、Media2Cloud の Web ユーザーインターフェースは、生成されたメタデータに基づいてコンテンツを検索し、プレビューする方法をユーザーに提供します。このサービスは弾力的です。つまり、要件が同じであれば、同じワークフローで日々のプロダクションとアーカイブ移行の取り込みをサポートすることができます。オンプレミスのソリューションで一般的に問題となる、容量に合わせて別のワークフローを作成する必要はありません。

新機能について

私たちはお客様の声に常に耳を傾け、Media2Cloud の機能と使いやすさの向上に努めています。Formula 1 (F1) は、AWS プロフェッショナルサービスと連携し、Media2Cloud を使用して4ペタバイト以上のアーカイブ動画コンテンツを Amazon S3 へ移行しました。現シーズンのコンテンツについても、Media2Cloud フレームワークを引き続き使用して Amazon S3 に取り込んでおり、また AI/ML サービスを使用し、コンテンツのカタログ化にかかる時間を短縮しています。F1 による Media2Cloud の詳しい利用方法については、AWS Solutions Media2Cloud: Architecture for the Formula 1 Legacy をご覧ください。

Media2Cloud のバージョン 3.0 には以下が含まれます。

  • ユーザーが動画アセット内の特定の時点にジャンプできるように、検出タイプとタイムスタンプを表示する、強化された Advanced Search(高度な検索)

The New Advanced Search window of the Media2Cloud user interface.

  • コンテンツライブラリで見られた全体的な分類と上位の検出結果をユーザーに提供する統計 (Stats) ページ。

A view of the Aggregated AI/ML detections on the Media2Cloud Stats page.

  • Amazon Rekognition Video Segment API の統合。これにより、ユーザーは動画を分析し、ブラックフレーム、Society of Media Professionals, Technologists and Engineers (SMPTE)  カラーバー、エンドクレジットなどのショットチェンジテクニカルキューを検出できるようになりました。また、バージョン 3.0 では、セグメントの結果を Edit Decision List(EDL)形式に変換し、ショットタイムラインを Adobe Premiere Pro や BlackMagic DaVinci Resolve などの一般的な編集ソフトウェアにインポートすることが可能です。
  • 画像分類やオブジェクト検出モデルなどのコンピュータビジョンモデルを簡単にトレーニングできる自動機械学習サービス、Amazon Rekognition Custom Labels (CL)の統合。Version 3.0 では、学習させた CL モデルを使用してコンテンツを分析することができます。また、CL モデルのランタイムを管理し(自動起動、使用後の停止)、推論コストを最小化することもできます。
  • Media2Cloud Version 3.0ユーザーは、AI/ML設定ページで、フレームベースの分析を有効にすることができます。フレームベースの分析オプションでは、Amazon Rekognition Video API ではなく、Amazon Rekognition Image API を使用し、フレームレートの指定( 2 秒ごとに 1 フレームなど)を可能にします。
  • Amazon Transcribe Custom Language Model (CLM) Amazon Transcribe Custom Vocabulary の統合。これにより、ユーザーは独自の CLM を持ち込むことができます。複雑な単語やフレーズの正確なスペルを提供することで、文字起こしの結果を向上させることができます。
  • Media2Cloud 3.0 では、ファイルが Amazon S3 にアップロードされると、取り込みワークフローを自動で開始することができます。他の転送サービスを利用して、ファイルを S3 バケットに移動することが可能です。
    Media2Cloud 3.0 は、Amazon Rekognition Video API 分析の大規模なリクエストをサポートする Backlog Management System を実装しており、ユーザーはサービスクォータを気にすることなくアーカイブ動画ファイルをバッチ処理することができます。
  • Media2Cloud 3.0 では、顔を識別するためのインデックスを作成することができます。ユーザーは、動画再生時にスナップショットモードに入り、顔の周りにバウンディングボックスを描画することができます。また、その顔に名前を付けて、Face Collection に追加します。Face Collection に登録された顔にはインデックスが付けられ、メディアを再分析してその人物の検出結果を追加で収集することが可能です。

メディアコンテンツを扱う組織が AWS へのジャニーを加速できるよう、私たちは今後もこれらの新機能で支援していきます。追加された AI/ML サービスは、特定のコンテンツを探しているユーザーに対して、より豊富なメタデータを深さとともに提供するものです。

Media2CloudとAWSパートナー

Media2Cloud のフレームワークは、AWS パートナーの領域において成長を続けています。すでに 10 数社以上の AWS パートナーが認定されていますが、新たに Quantiphi と Signiant の 2 社が認定パートナーに加わりました。

Quantiphi

Quantiphi は、AI ファーストのデジタルエンジニアリングソリューションにおいて豊富な経験を持つ AWS パートナーです。これらのソリューションは、メディアやエンターテインメントのお客様が、データの隠れた潜在能力を引き出し、より良いコンテンツのキュレーションや顧客ターゲティングの強化、効果的なチャネル戦略の実行を実現できるよう、支援してきました。Quantiphi の、カテゴリを定義するような各ソリューションは、カスタマーエクスペリエンスの変革を実現するために設計されています。Quantiphi は、Media2Cloud を活用して、人物追跡ソリューションを開発しました。このソリューションは、AWS 上でコンテンツを取り込んで保存し、また Amazon Rekognition API を使用して、関心のある人物とその関連メタデータを動画アセット内で識別することができます。

Signiant

Signiant は、5 万社以上の企業で信頼されているインテリジェントなファイル転送ソフトウェアを提供する AWS パートナーです。スピード、信頼性、セキュリティを備えており、毎日ペタバイト規模の高価値コンテンツを転送しています。コンテンツの流れがどのような形であれ、例えば、人から人、システムからシステム、またパートナーやクラウドとのコンテンツの流れを含め、Signiant は対応します。Signiant の各製品は、独自のアクセラレーションテクノロジーを活用し、標準的なインターネット伝送速度の最大 100 倍の速度でコンテンツを転送します。Signiant のアクセラレーションテクノロジーは、利用可能なすべての帯域幅を活用しながら、あらゆる IP ネットワーク上で、あらゆるサイズのファイルやデータセットを移動させることが可能です。 MediaShuttle または Signiant Jet をご利用のお客様は、メディアファイルを Amazon S3 ストレージに送ることができます。ファイルが転送されると、Media2Cloud のワークフローが自動的に開始されます。

まとめ

Media2Cloud Version 3.0 は、AWS ソリューションのページで公開されています。AWS アカウントにワークフローを作成したい場合は、Implementation Guide に従ってください。Media2Cloudのデプロイやカスタマイズを支援する AWS パートナーについては、Media2Cloud Solutionのページをご覧ください。


参考リンク

AWS Media Services
AWS Media & Entertainment Blog (日本語)
AWS Media & Entertainment Blog (英語)

AWS のメディアチームの問い合わせ先: awsmedia@amazon.co.jp
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翻訳は 、BD 山口、 SA 金目が担当しました。原文はこちらをご覧ください。