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SAP Lens for Well-Architected Framework の更新により、持続可能性の柱とセルフサービスツールが追加されました
2021年、AWS は SAP Lens for Well-Architected Framework をリリースしました。本日、AWS の最新のガイダンスと持続可能性に焦点を当てた SAP on AWS ワークロードを改善するために、お客様やパートナー様が一般に使用できる SAP Lens for Well-Architected Framework バージョン 2.0 を発表します。
過去1年間、AWS 上で SAP を移行、構築、運用する際に、多くのお客様やパートナー様から SAP Lens をご利用いただきました。お客様からは、SAP Lens は、AWS の価値を最大化するために SAP ワークロードをレビューし、設計する際のベストプラクティスの貴重な情報源であるとのお言葉をいただいています。
AWS は SAP Lens を生きたツールとしてコミットしています。SAP の製品が進化し、新しい AWS サービスが利用可能になると、我々はそれに応じて SAP Lens を更新します。我々のミッションは常に、お客様がビジネス目標の達成に集中できるよう、アプリケーションの設計、デプロイ、運用を支援することです。
このブログでは、SAP Lens の変更点を説明します。新しい持続可能性の柱の追加、AWS Well-Architected ツールでセルフサービス評価を実行する機能、SAP に焦点を当てた様々なサービスの更新と新しいガイダンスの追加などです。
何が変わったのか?
SAP Lens の新たな柱として持続可能性が追加されました。
環境影響に対するお客様の関心が高まる中、新しい SAP Lens は、一般的な AWS Well-Architected Framework と整合するように、6番目の柱として「持続可能性」を追加しました。持続可能性の柱は、クラウドコンピューティングの環境ベストプラクティスを用いて、組織がワークロードを学習、測定、改善することを支援し、環境影響を低減するためにSAP ワークロードを最適化するための提案を含んでいます。
SAP Lens の他の5つの柱で行ったように、我々は Well-Architected 持続可能性の柱で支持されたベストプラクティスを取り入れ、AWS での SAP ワークロードの運用に関連する具体的なガイダンスと例を提供することに努めました。SAP on AWS のお客様にとって良いニュースは、SAP Lens コスト最適化の柱の推奨事項にすでに従っている場合、クラウドベースのインフラをより持続可能な方法で運用していることになります。インスタンスのサイズを大きくしすぎない、Elastic Block Store(EBS)スナップショットを定期的にクリーンアップする、不要なバックアップをアーカイブまたは削除するなどのコスト最適化の提案はすべて、計算とストレージの要件を減らし、コストと環境への影響の両方を同時に減少させることができるのです。
SAP Lens 持続可能性の柱は、一般的なWell Architected の柱のガイダンスを複製するのではなく、SAP をより持続的に運用するためのビジネス目標の変更に関する提案を行い、企業が SAP サステナビリティを優先することを決定した場合の他の柱とのトレードオフに関する洞察を提供するものです。また、この柱は、SAP のアーキテクチャ設計を変更する際に、環境への影響の減少を測定する方法とツールも提案します。
AWS Well-Architected ツールでSAP Lens を実行できるようになりました。
お客様からの共通のご要望は、AWS Well-Architected コンソールツールで「セルフサービス」の SAP Lens レビューを実行できるようにすることでした。本日、AWS Well-Architected ツールでカスタムレンズとして使用するためのSAP Lens for Well-Architected を JSON 形式で提供させていただきます。
このリリースにより、お客様とパートナー様は、AWS アカウントでガイド付き SAP Lens レビューを実行し、その結果をチームで共有し、コンソールツールでリスクの終結を追跡することができます。
ベストプラクティスは、SAP on AWS の新サービスやお客様の声を反映して更新されました。
SAP Lens バージョン2.0 のリリースでは、新しく改良された SAP on AWS サービスの使用に関する最新の提案と、過去1年間に受け取ったお客様のフィードバックに基づくいくつかの読みやすさとハイパーリンクの更新が組み込まれています。CloudWatch Application Insights for SAP HANA、Amazon FSx for NetApp ONTAP(HANAワークロードで認定)、EBS IO2 Block Express(HANAで認定)などの新しい SAP on AWS サービスは、引き続きお客様の運用効率、パフォーマンス、拡張性の向上を支援し、必要に応じて柱のベストプラクティスに追加されました。
最後に、お客様の満足度や改善案を把握するために、SAP Lens 専用の Customer Feedback Survey を追加しました。このアンケートへのリンクは、フィードバックの提供のセクションにあります。SAP Lens を使用してレビューが完了したら、是非このアンケートにご協力ください。これにより、ベストプラクティスのガイダンスを継続的に改善し、SAP ワークロードを実行するための最適な場所であり続けることができます。
SAP Lens について
SAP Lens for the AWS-Well Architected Framework は、AWS 上で SAP を実行するためのクラウドネイティブアプローチの採用を支援する、お客様が証明した設計原則とベストプラクティスの集合体です。これらの推奨事項は、AWS がお客様、AWS パートナー様、そして私たち自身の SAP 技術専門家コミュニティから集めた洞察に基づいています。
このレンズは、評価と改善のために最も一般的な領域のいくつかを強調します。AWS Well-Architected Framework の6つの柱に沿い、洞察を提供するように設計されています。
- 運用の優秀性は、ビジネス価値を提供するためのシステムの運用と監視、そしてプロセスや手順の継続的な改善に焦点を当てます。SAP のトピックでは、監視と自動化のアプローチについて学びます。
- セキュリティは、情報とシステムの保護に重点を置いています。SAP のトピックには、データ保護とシステムアクセスが含まれます。
- 信頼性は、ワークロードが期待されるときに、意図された機能を正しく、一貫して実行することに焦点を当てます。SAP のトピックには、クラウドの可用性の利点を最大化すること、さまざまな障害シナリオに対する保護と復旧のアプローチを見直すことが含まれます。
- パフォーマンス効率は、IT およびコンピューティングリソースを効率的に使用することに重点を置いています。SAP のトピックには、SAP サポートのパフォーマンスベンチマークを満たすためのサイジングと確認が含まれます。
- コストの最適化は、不要なコストを回避することに重点を置きます。SAP のトピックには、ワークロードの要件に沿ったスケーリングと予約戦略が含まれます。
- 持続可能性は、 環境への影響、特にエネルギー消費と効率に焦点を当てます。なぜなら、これらはアーキテクトにとって、リソースの使用を減らすための直接的な行動を伝えるための重要な手段だからです。SAP のトピックには、最適なサイジング、運用の停止とカーボンフットプリントの監視などがあります。
また、すべての柱において、SAP と、テクノロジースタックを構成するデータベースやオペレーティングシステムのベンダーのサポートと互換性の要件に焦点をあてています。
SAP Lens for Well-Architected のレビューを自分の AWS アカウントで実行する方法
SAP Lensは、AWS Well-Architected ツールのカスタムレンズ JSON ファイルとして利用可能です。
このファイルを AWS アカウントのマネジメントコンソールにある AWS Well-Architected ツール にアップロードすると、SAP の設計原則、ベストプラクティス、提案を役立つリソースとともにチェックリスト形式で事前に用意することができます。
チェックリストに沿って作業することで、リスクを特定し、コメントを把握することができます。最終報告書は PDF または HTML 形式で提供され、ステークホルダーと共有し、リスクや今後の推奨事項を文書化することができます。未解決のリスクは、ツール内で管理、割り当てが可能で、マイルストーンレビューも実施できます。
AWS アカウントで SAP Lens を有効にするためのハイレベルな手順は次のとおりです。
- SAP Lens カスタムレンズの JSON をここからダウンロードします。
- ダウンロードした JSON ファイルに基づいて、新しい Well-Architected Custom Lens(ステップ#6を参照)を作成します。
- AWS アカウントでカスタムレンズを公開し、同僚と共有します。
- SAP ワークロードの新しい Well-Architected レビューを開始し(ステップ #14参照)、レンズの選択を求められたら「SAP Lens for Well-Architected」フレームワークを選択します。
AWS Well-Architected ツール、カスタムレンズ、レポート、リスクダッシュボードに関する詳細情報は、AWS Well-Architected ツールのドキュメントをご覧ください。
次のステップ
SAP Lens バージョン 2.0 は、お客様がセルフサービスで使用するための PDF ダウンロード、または AWS Well-Architected ツール のカスタムレンズとして使用するための JSON 形式で、現在 AWS ドキュメントサイトにて公開されています。
さらに専門的なガイダンスが必要な場合は、AWS アカウントチームに連絡して、ローカルの SAP スペシャリスト ソリューション アーキテクトまたは AWS プロフェッショナルサービス SAP 専門プラクティスに依頼してください。
サポートされる SAP ソリューション、お客様事例、その他のリソースについては、SAP on AWS のウェブサイトをご覧ください。
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翻訳は Specialist SA 菅谷が担当しました。原文はこちらです。