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AWS導入事例: SMK株式会社 AWS Transit Gateway Inter-Region Peeringを活用したグローバルネットワークHub

SMK株式会社のAWS導入事例のご紹介です。

AWS 導入前において、ネットワークの帯域幅や、エンジニアリソース等の課題が挙げられておりました。そこで、 AWS Transit Gateway Inter-Region Peering を活用し、AWSの閉域ネットワークを国内から海外拠点まで適用することで、構築時間やコストを大幅に削減されました。これらの詳細について、図を交えて次に記載しております。

課題、アーキテクチャ、導入効果

1つ目の課題として、海外、国内拠点間の通信帯域が狭く、パケットが頻繁に滞留しており、業務に影響が出ていたことが挙げられます。帯域幅を拡張しなければならない状況でしたが、常に広い帯域幅を必要としないため、ネットワークコストを最適化しつつ実現する必要がありました。

2つ目の課題として、海外拠点に IT エンジニアが常駐していないことも挙げられます。日本から遠隔支援をしながら現地の方に作業してもらう必要があり、日本側のメンバーに負担がかかっていました。

国内、海外拠点のサーバ老朽化に伴うAWS利用のタイミングと重なったこともあり、ネットワークコスト最適化のために検討を開始しました。検討の最中、AWS Transit Gateway Inter-Region Peering による拠点間通信の機能を活用できることが分かり、今回の要件にフィットしたことで採用に至っています。 AWS を選択した理由として、次のことが挙げられています。

  1. AWS Transit Gateway Inter-Region Peering を使用することで海外拠点と通信ができる点
  2. AWS の広い帯域幅のネットワークを従量課金で利用出来る点
  3. 日本から海外リージョンのサーバ構築が可能で、 IT の知見がない現地の方に代理で作業を依頼する必要がない点

採用後、以下のようなアーキテクチャを設計、実装し、帯域幅を数十倍向上できました。その結果、国内、海外間の通信が安定し業務が改善されました。

smk-tgw-inter-region-peering-architecture

導入の効果として次のことが挙げられています。

  1. 帯域幅が数十倍に向上することで国内~海外間の通信が安定し業務が改善された点
  2. AWS Transit Gateway の活用によりネットワーク運用、管理がシンプルとなり、管理工数の削減に繋がった点
  3. 海外サーバの構築時間が 1/40 に圧縮し、ネットワークの月額費用が 1/5 となった点

なお、現在東京、シンガポール、香港の 3 リージョンによる拠点間通信を行っていますが、今後は他のリージョンにも展開を予定しています。

藤原 修 氏 ( SMK株式会社 システム開発部 情報化推進室 主任 ) からいただいたコメント

コンテンツの大容量化やコミュニケーションツールの導入に伴い、社内ネットワークを流れるトラフィックが急増しているなか、AWS Transit Gateway Inter-Region Peering を利用することで、国際間ネットワークの帯域幅の向上とコスト削減を同時に実現ができました。また、海外リージョンへのサーバ構築が可能となり、オンプレミスと比べ圧倒的なスピード感で海外でのサーバ構築が可能となりました。

Solutions Architect Network Specialist 菊地からのコメント

上記の構成では、 AWS Transit Gateway を各リージョンのコアルーターとしてご利用いただいています。こうすることで、各 VPC はコアルーターである Transit Gateway へ接続さえすれば、どのリージョンの VPC に対しても経路を確保できるメリットがあります。
また、東京データセンターからの接続は利便性の高い AWS Site-to-Site VPN をご利用いただいていますが、こちらは IPsec トンネルあたり、 1.25 Gbps の制約があります。今後、さらに帯域が必要になった際には、最大 100 Gbps まで選択可能な AWS Direct Connect への変更も想定されているとのことです。このように、要件に合わせて柔軟に使い分けやステップアップ出来るのも、 AWS ネットワークサービスの特徴です。
予定されている海外拠点の追加時には、これまで通り各リージョンに Transit Gateway や VPC を配置するパターンと、 AWS Global Accelerator を利用する案もご紹介しています。グローバルに 310 以上配置されている POP ( Points of Presence ) *1 を経て、直接、東京の Transit Gateway へ VPN 接続することで、シンプルなネットワークを実現可能です。
なお、Global Accelerator を利用する際にパフォーマンスを測定可能なツール*2 もあわせてご紹介しております。
*1: https://aws.amazon.com/jp/about-aws/global-infrastructure/
*2: https://speedtest.globalaccelerator.aws/


カスタマープロフィール: SMK株式会社(エスエムケイ、SMK Corporation)

SMK Corporation 1925 年創業の東京都品川区に本社を置く電子部品メーカーで、コネクタ、スイッチ、
リモコン、タッチスイッチ、無線通信モジュール、センサーユニットなどを製造、
販売しています。北米、欧州、中国、ASEANなどの 16 か国に 39 拠点を持ち、
世界中の顧客に常によりよい製品とサービスを提供しています。