Amazon Web Services ブログ
【開催報告】アップデート紹介とちょっぴりDiveDeepするAWSの時間 第二十一回 (08/18)
こんにちは! アマゾンウェブサービスジャパン合同会社 ソリューションアーキテクトの前田です。
2022 年 8 月 18 日に「ちょっぴり DiveDeep する AWS の時間」の第二十一回目をオンライン開催致しました。本イベントは、AWS の数あるアップデートの中から「すぐ使える、運用に役立つ、あったらいいなと思ってた、おもしろい、重要」なものをピックアップし、ちょっぴり DiveDeep してカジュアルな雰囲気でお伝えするイベントです。
今回は、「コスト最適化、ソリューション、事例等 AWS の上手な使いこなし方編」というサブタイトルで知っていればもっと効率的に、便利に AWS を使いこなせる情報が盛り沢山な内容をお伝えしました。今回も多くの方にご参加頂きました。ご参加された皆様ありがとうございます。
過去の様子にご興味がある方は、それぞれの開催報告ブログをぜひご確認ください!
当日の様子と実施内容
アジェンダ
- オープニング & クロージング / AWS アカウントマネージャ 楠本 亮 (Ryo Kusumoto)
- SA の 今月のお薦め 5 分間アップデート (5 分) / AWS ソリューション アーキテクト 前田 駿介 (Shunsuke Maeda)
- 今月の AWS のサービスアップデートを 5 分でご紹介。たくさんのアップデートの中から今回は 4 つをご紹介しました。
- Amazon Cognito における AWS WAF のネイティブサポートが開始
- Amazon CloudFront が QUIC を利用した HTTP/3 のサポートを開始
- AWS Graviton2 ベースの Amazon EC2 C6g、C6gd、M6gd を利用できるリージョンが拡大
- AWS Lambda が段階的な価格設定を発表
- オフィスアワーで会いましょう – ISV / SaaS 事業者向け個別相談会のご案内 (20 分) / AWS ソリューション アーキテクト 加治 博章 (Hiroaki Kaji)
- ISV / SaaS ソリューション本部では AWS を利用中のお客様、これから AWS の利用を検討しているお客様に対して、1 時間ほどのお打ち合わせにてディスカッションベースのご支援を実施しています。「○○を行うシステムを構築したい。どのようなアーキテクチャを組むのが良いのか?」 「サービスが成長していく中で、スケールするシステムを作るためにはどうすればよいか」 「現行システムの運用負荷が高いので、どのようにして負荷を下げたら良いのか」 といった、システム設計の初期段階から運用まで、様々なフェーズの課題解決に向けたディスカッションを行う時間となっています。本セッションでは 「オフィスアワー」 でお客様がどのような体験を得られるのかを実際の相談ベースでご紹介します。
- AWS をコスト最適に活用 〜 コスト最適化関連サービスのご紹介 〜 (20 分) / AWS ソリューション アーキテクト 松岡 勝也 (Katsuya Matsuoka)
- AWS 上のワークロードをコスト最適に運用していますか? AWS ではコスト最適化を図る上で役立つサービスを複数提供しています。AWS Compute Optimizer はワークロードに最適なインスタンスタイプなどを特定でき、AWS Cost Explorer は Reserved Instance (RI) や Savings Plans (SP) による削減効果を予測でき、AWS Trusted Advisor はコスト最適化も含めてベストプラクティスのレコメンデーションを提供します。本セッションではこれら 3 つのサービスについてご紹介します。
- AWS ソリューション知ってますか? 〜 便利な構成テンプレ集 〜 (30 分) / AWS ソリューション アーキテクト 堀内 保大(Yasuhiro Horiuchi)、 黄 光川 (Kousen Kou)、 馬 賽 (Sai Ma)
- AWS ソリューション の中には、すぐにお客様の課題に対応できるよう導入までの手順や AWS CloudFormation のテンプレート等を含めた 「AWS ソリューション実装」 というリファレンスとなる実装パターンが多数掲載されています。
このセッションでは、AWS Instance Scheduler, AWS Perspective, Distributed Load Testing on AWS の3つのソリューションについて紹介します。
- AWS ソリューション の中には、すぐにお客様の課題に対応できるよう導入までの手順や AWS CloudFormation のテンプレート等を含めた 「AWS ソリューション実装」 というリファレンスとなる実装パターンが多数掲載されています。
- お客様事例セッション:Amazon Connectの良いところと、弊社での使い方紹介 (30 分) / 株式会社Speee DX事業本部 竹井 彰平 (Shohei Takei) 様
- Amazon Connect とは? というところから、Amazon Connect で実現できること、実際の弊社での活用事例や、様々なカスタマイズの方法、実際に使用しているカスタマイズ例から、弊社が移行した後のコスト比較までをご紹介させていただきます。
当日の様子
当日の内容を抜粋してご紹介します。
オフィスアワーで会いましょう – ISV / SaaS 事業者向け個別相談会のご案内
本セッションのタイトルにもなっているオフィスアワーについて説明し、これまでにお客様からご相談頂いた事例を 2 点ご紹介しました。
オフィスアワーとは下記のスライドの表の様に「決まった時間枠の中で自由に相談できるスペース」の様なイメージで 、登壇者である加治が所属する ISV/SaaS ソリューション本部では、ISV/SaaS のお客様がソリューションアーキテクトに対して技術相談をできる時間として提供しています。
オフィスアワーの流れは次の通りです。
- お客様の課題に Dive Deep
- 現状のシステムや運用体制などの背景の確認
- ゴールの認識合わせ
- 具体的なソリューションの共有 / ディスカッション
- Next Action の確認
この一連の流れを
- セキュリティに関する相談
- 新規サービスのアーキテクチャ相談
2つのお客様事例を元にご説明しました。
オフィスアワーや過去の相談事例についてはブログで公開されていますので併せて御覧ください。
https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/isvsaas-office-hour/
AWS をコスト最適に活用 〜 コスト最適化関連サービスのご紹介 〜
AWS でコスト最適化するためのアプローチ、どういったサービスを利用することでコスト最適化できるのかご紹介しました。
AWS でコストを最適化するための方法として次の 2 つのアプローチが考えられます。
- クラウドネイティブな設計
- 購入オプションの活用
クラウドネイティブな設計では例えば適切なインスタンス(サイズ、ファミリ、世代/AMD/Graviton、リージョン)を再選定することで大きなコストメリットを得ることができます。インスタンスの再選定では AWS Compute Optimizer を利用することによってワークロードに最適なインスタンスタイプや EBS がレコメンドされます。
購入オプションの活用ではスポットインスタンスやリザーブドインスタンス(RI)、Savings Plans などの購入オプションを適切に組み合わせることで大きなコストメリットを得ることができます。RI/Savings Plans の推奨やカバー率、利用率の特定には AWS Cost Explorer というサービスが役立ちます。
AWS Compute Optimizer と AWS Cost Explorer のデモを行い、どの様にサービスを活用することでコストを最適化していくのかご説明しました。
最後にお客様が AWS のベストプラクティスをフォローするためのレコメンデーションを提供する AWS Trusted Advisor を紹介しました。AWS Trusted Advisor が提供する推奨事項の中に含まれる「コスト最適化」にフォーカスし、具体的なチェック項目やサポートプランの比較についてのご紹介とデモを行いました。
AWS ソリューション知ってますか? 〜 便利な構成テンプレ集 〜
AWS ソリューションは AWS CloudFormation で展開可能な AWS サービス、アプリケーションコード、設定を組み合わせたすぐにデプロイできる便利な構成テンプレート集です。 2022 年 8 月時点で 54 個公開されており、カテゴリやサービス名から検索することが可能です。
お客様から必要とされるようなソリューションが 54 個公開されているので、既存のソリューションを活用することができないかご確認頂き車輪の再開発を防いでもらえるよう今回は 3 つのソリューションをピックアップしデモを通してデプロイ方法や使い方を体感して頂きました。
- 「AWS での Instance Scheduler」
- Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)と Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)を対象としたインスタンスの開始スケジュールと停止スケジュールを開発することなく設定可能なソリューション
- 使用されていないリソースを停止し、必要なときにリソースを開始することで、運用コストを削減するのに役立つ
- 「AWS でのワークロード検出」
- 一つの AWS アカウントの中に複数存在するワークロードを検出し、リソースのディレクトリとして一覧化することができるソリューション
- アーキテクチャ図の作成や AWS のコストと使用状況レポート (CURs) の照会、リソース名、タグ名、IP アドレスなどの情報からワークロードを検出するのに役立つ
- 「AWS での分散負荷テスト」
- HTTP または HTTPS のエンドポイントに対して、数万の同時接続をシミュレートし、負荷テストを実行することが可能なソリューション
- 負荷試験用環境の構築や運用にかかる手間や負荷試験サーバーのスケールアウト、オーケストレーションが複雑になってしまうという課題を解決するのに役立つ
お客様事例セッション:Amazon Connectの良いところと、弊社での使い方紹介
株式会社 Speee 竹井 彰平 (Shohei Takei)様にご登壇いただきました。Amazon Connect の良いところと 株式会社 Speee 様でどの様に活用しているかご紹介頂きました。
Amazon Connect とは使いやすいオムニチャネルのクラウドコンタクトセンターで、優れたカスタマーサービスを低コストで提供するサービスです。保留、通話の転送など電話の基本的な機能に加え、お客様の音声に応じてアラートを上げたりすることなどが可能です。
Amazon Connect がノーコードでエンジニアでなくても設定変更が容易であることや AWS Lambda や API を組み合わせることが出来る自由度の高さについてご紹介して頂きました。また、事業責任者が気にするであろう利用料金について、株式会社Speee 様で以前使用していたシステムを比較し、実例ベースでお話頂きました。かなり具体的な内容でお話頂いているのでぜひ動画をご視聴ください!
また、デモでは Amazon Connect で電話を受け、エージェントに電話転送するまでのフローを作成する手順をご紹介頂き設定した音声を AI に喋ってもらうために必要な設定やエラーハンドリングに必要な設定についてご説明いただきました。
各種資料のダウンロード
当日の各セッションで使用しました資料のダウンロード先をご案内させていただきます。
【 オープニングセッション 】
【 オフィスアワーで会いましょう – ISV / SaaS 事業者向け個別相談会のご案内 】
【 AWS をコスト最適に活用 〜 コスト最適化関連サービスのご紹介 〜 】
【 AWS ソリューション知ってますか? 〜 便利な構成テンプレ集 〜 】
【 お客様事例セッション:Amazon Connectの良いところと、弊社での使い方紹介 】
動画
各セッションごとに動画を公開していますので以下のリンクからぜひご視聴ください。
【 オープニングセッション 】
【 オフィスアワーで会いましょう – ISV / SaaS 事業者向け個別相談会のご案内 】
【 AWS をコスト最適に活用 〜 コスト最適化関連サービスのご紹介 〜】
【 AWS ソリューション知ってますか? 〜 便利な構成テンプレ集 〜】
【 お客様事例セッション:Amazon Connectの良いところと、弊社での使い方紹介 】
次回予告
- 第二十二回 「アップデート紹介とちょっぴり Dive Deep する AWS の時間」 〜秋のセキュリティ編〜
- 申込ページ
- 開催日時:2022 年 9月 29日(木)16:00 – 18:00 オンライン開催
- アジェンダ
- 脆弱性管理の重要性と効率的なセキュリティ運用
- スピーカー:AWS シニアスペシャリストソリューション アーキテクト 中島 章博 (Akihiro Nakajima)
- Amazon GuardDuty で Malware Protection
- スピーカー:AWS ソリューション アーキテクト 吉田 裕貴 (Yuki Yoshida)
- セキュリティーリスクを見える化して脅威に強い環境を構築するための 1st ステップをご紹介
- スピーカー:AWS ソリューション アーキテクト 小田 賀一 (Yoshikazu Oda)
- AWS Lambda にも来ました。属性ベースのアクセス制御 (ABAC) サポート
- スピーカー:AWS ソリューション アーキテクト 福本 健亮 (Kensuke Fukumoto)
- 今日から始められる AWS Network Firewall の Managed Threat Signature のご紹介
- スピーカー:AWS ソリューション アーキテクト 柴田 龍平 (Ryuhei Shibata)
- 脆弱性管理の重要性と効率的なセキュリティ運用
このブログの著者
前田 駿介 (Shunsuke Maeda)
ソリューションアーキテクトとしてお客様の技術支援を行っています。好きなサービスは Amazon Cognito です。好きな食べ物は、カレーです。