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週刊生成AI with AWS – 2024/5/6週

みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの小林です。

皆さんもお気づきだとおもいますが、AWSでは生成AIに注力しています。AWSは「お客様からのフィードバックにもとづいてサービス開発をおこなう」ということを昔から大切にしてきました。最近AWSが生成AIに力を入れているのは、まさにこの理由からです。私自身、常日頃いろいろなお客様と会話をするわけですが、生成AIに興味を持っていない方はほぼいない、といっても過言ではない状況ですから、AWSの注力ぶりは個人的には頷ける印象を持っています。

これから先も、たくさんのニュースやサービスアップデートが出てくるでしょう。ところが、あるお客様から「アップデートが多すぎて把握しきれない」というコメントを頂きました。と、いうことでお客様の声にお答えして新しいブログシリーズ、週刊生成AI with AWSを始めてみようと思います。週刊AWSのように、毎週月曜日をメドに先週分のニュースやサービスアップデートをコンパクトにまとめてお伝えします。週刊AWSと同じトピックを取り上げることもあると思いますが、大切な情報が漏れるよりは重複したほうが良いという考え方で、カブリはOKというポリシーにしたいと思います。

それでは、5 月 6 日週の生成AI with AWS界隈のニュースをお届けしていきましょう。

さまざまなニュース

  • Amazon Qの一般利用開始に際して、Andy JassyがXにコメントをポスト
    Andy JassyはAWSを立ち上げた当事者で、現在はAmazon全体のCEOを務めています。Andyはポストの中で、Amazon Qは企業のデータ活用とソフトウェア開発の加速を目的とした生成AI搭載アシスタントで、開発者や従業員の方々が「大変だけれども競争力につながらない作業」に費やす時間を大幅に削減することを目指しているとコメントしています。すでにAmazon Qを利用しているお客様の名前についてもご紹介していますので、ぜひ原文をごらんください。
  • Adam SelipskyもAmazon Qの一般利用開始についてXにポスト
    AWSのCEOであるAdam SelipskyもAmazon Qの一般利用開始についてポストしています。Amazon Qは、その名前を持った様々なプロダクトから構成されているのですが、全体感をざっくりと把握するにはAdamのポストを見ていただくのがおすすめです。短い文章で良い具合にまとまっています。
  • Werner VogelsがブログでAIによる会議の議事録取得アーキテクチャを紹介
    WernerはAmazonのCTOです。彼はAll Things Distributedというブログを運営しているのですが、そのブログにAIの技術を利用して、会議中の会話をテキストに書き起こし、要約を出力する仕組みを構築する方法を紹介する記事が投稿されました。会議の音声データをAmazon S3にアップロードすると、Amazon Transcribeでテキストへの書き起こしを行い、Amazon Bedrockの経由でClaude 3 Sonnetに要約させ、その結果をS3に書き戻すという具合です。ブログの後半ではAmazon Qを試してみた感想も掲載されていますので、ぜひご一読を。

サービスアップデート

  • 新モデルAmazon Titan Text PremierがAmazon Bedrockから利用可能に
    Amazonが開発・提要する基盤モデルであるAmazon Titanファミリーに新たな仲間が加わりました。大規模言語モデル(LLM)のAmazon Titan Text Premierです。Titan Text Premierは要約、テキスト生成、分類、Q&A、情報抽出などテキストに関する多彩なタスクをサポートし、Knowledge Bases for Amazon Bedrockによる検索拡張生成(RAG)アーキテクチャでの利用や、Agents for Amazon Bedrockによる複数ステップを順序立てて実行する処理に最適化されています。Bedrockのフルマネージドな仕組みで動きますので、お客様はBedrockのAPIを呼び出す方法だけ学習すれば、デプロイや管理運用の手間なくTitan Text Premierをご利用いただけます。ブログ記事も公開されています。デモ動画や性能評価の結果も掲載されています。
  • 生成AIアプリケーション開発のためのWebインタフェース、Amazon Bedrock Studioをプレビュー提供開始
    複数の開発者の方が協力しながら生成AIアプリケーションを開発するためのWebインタフェース、Amazon Bedrock Studioのプレビュー提供を開始しました。シングルサインオン(SSO)に対応していますので、組織内のIDを利用してログインすることができます。Bedrock Studioは、Knowledge BasesやAgents、Guardrailsなどを利用したプロトタイプを素早く開発できる環境を提供します。Bedrock Studio自体は無料でご利用頂くことができ、Bedrockをご利用いただいた料金だけが発生します。詳細についてはブログをぜひ。画面ショットが沢山あるので、イメージを掴みやすくなっています。
  • Agents for Amazon Bedrockがプロビジョンドスループット料金モデルに対応
    Amazon Bedrockにはオンデマンドと、プロビジョンドスループットの料金モデルが用意されています。オンデマンドは入出力トークン数に基づく従量課金、プロビジョンドスループットは単位時間あたりに処理できる入出力トークン数のスループットを確保し固定金額を支払うモデルと考えてください(料金体系はこちら)。今回、新たにAgents for Amazon Bedrockでもプロビジョンドスループットの料金モデルをご利用いただけるようになりました。
  • Amazon SageMaker NotebooksがG6インスタンスをサポート
    Amazon SageMaker Studioは機械学習開発の作業をエンドツーエンドでサポートする、Webベースの統合開発環境です。SageMaker NotebooksはSageMaker Studioの一部として提供されるフルマネージドなJupyterLab環境で、開発やデータ操作などのNotebookを利用した作業を素早く実行可能です。今回、SageMaker NotebooksのインスタンスとしてAmazon EC2 G6インスタンスが利用できるようになりました。G6は最大8つのNVIDIA L4 Tensor Core GPU(24GBメモリ)と、第3世代のAMD EPYCプロセッサを搭載しており、G4dnインスタンスと比較してディープラーニング用途で最大2倍の性能を発揮します。
  • Amazon SageMakerとAmzon DataZoneが統合され、データとML資産の統合管理が容易に
    Amazon DataZoneは組織内のデータを素早くカタログ化・発見・共有・管理するためのデータ管理サービスです。Amazon SageMakerと統合が行われたことによって、機械学習プロジェクトの管理者は、DataZoneを利用してプロジェクト関係者間の成果・データの共有や、アクセス許可の管理を実行できるようになりました。また、機械学習エンジニアやデータサイエンティストの方にとっては、利用可能なデータを発見して、機械学習で利用することがこれまでよりも簡単に実行できるようになるメリットがあります。

ソリューションアーキテクト 小林 正人 (twitter – @maccho_j)