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週刊生成AI with AWS – 2024/7/29週

みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの小林です。

8月に入りました。今回も”builders.flash“で新しい記事が公開されていますので、生成AIに関するものをピックアップしてみます。

今回もお客様から寄稿いただいた記事がでており、いずれも私自身「なるほどなー」という学びがありました。F.F.B.株式会社様からの寄稿記事については、ユーザとのエンゲージ強化のために不可欠なSNSの活用を省力化することで、企業のSNS担当者の負担を軽減する取り組みです。担当者の個性に似た文章が生成されるように工夫している点が興味深いポイントでした。また、ナビプラス株式会社様からの寄稿記事は、ECサイトの商品レビューを投稿するハードルを下げるという仕組みに関するものです。完全にフリーハンドで感想を書いてください、と言われるよりは質問に答える形式のユーザ体験が提供されることで、自分がその商品についてどう感じたかを言語化しやすくなるので、それを上手く活用した例だなぁと感じました。

それでは、7 月 29 日週の生成AI with AWS界隈のニュースを見ていきましょう。

さまざまなニュース

    • AWS生成AI国内事例ブログ: RIZAPテクノロジーズ様、AIチャットボットで業務効率と顧客満足度向上を実現
      RIZAPグループ様では、chocoZAP事業をはじめ約60社のグループ企業が展開する様々な事業を持っており、膨大な量にのぼる従業員向けの資料や手順書から必要な情報を探すことが難しくなっており、現場業務の効率化が課題でした。そしてこの課題を解決するために、AIチャットボットによる社内問い合わせ検索システムの開発に着手されました。社内の業務データはMicrosoft SharePointに格納されており、Amazon S3を経由してAmazon Kendraに情報を登録、必要に応じてAmazon Bedrockで稼働するモデルが問い合わせに応答する構造です。これによって、平均対応時間が20分の問い合わせが月あたり約400件あったものを削減することができ、顧客満足度の向上にもつながっているそうです。今後の展開としてRIZAP店舗への導入開始とともに、他の事業店舗への展開を予定しているとのことです。
    • AWS生成AI国内事例ブログ: 北海道文化放送様、Amazon Bedrockでコンテンツ制作フローを効率化し、ニュース配信数の大幅増を実現
      北海道文化放送様はFAXで送付されたリリース情報を紙で保管しており管理コストが増加するとともに、ニュース原稿・動画の作成に時間がかかることにより数多くのニュースを視聴者に提供できないという課題感をお持ちでした。その解決のために、Amazon Bedrockをはじめとするマネージドサービスを活用し、原稿・動画の作成を自動化する手法にチャレンジされました。Amazon Pollyによる記事読み上げ音声の作成や、OCRでテキスト化した情報と追加の取材情報をAmazon Bedrockによる要約、AWS Lambdaを利用したYouTubeのショート動画やTikTok向けの縦型動画の生成、FAXで受信したリリースの要約・データベースへの格納など、様々なアプローチを組み合わせる事で、工数削減はもちろん、報道部員のみで動画・ニュース投稿までを完遂可能になり、月間の追加コンテンツ配信数が合計100-120本に増加するという効果が出ています。また、運用コストは$23/月とのことで、この点についても興味深い事例です。

サービスアップデート

    • Amazon Q Buisnessが異なるリージョンのAWS IAM Identity Centerをサポート
      Amazon Q Businessで、異なるリージョンでセットアップされたAWS IAM Identity CenterによるユーザID管理が可能になりました。これによって、あるリージョンのIAM Identity Centerで集中管理しているユーザIDを利用して、ユーザの場所に近いそれぞれのリージョンでAmazon Q Businessを使う、ということが容易に実現できるようになりました。
    • Amazon BedrockがFedRAMP Highコンプライアンスに対応
      AWS GovCloud(米国西部)リージョンのAmazon BedrockがFedRAMP High認定サービスになりました。米国の連邦政府機関、公共部門の組織、その他の企業などでコンプライアンス基準としてFedRAMP Highが求められる場合でも、GovCloud(米国西部)リージョンのBedrockを介して様々な基盤モデルにアクセスし、生成AIを組み込んだアプリケーションを容易に開発できるようになります。(GovCloudに限定されない)Amazon Bedrockのセキュリティとプライバシーについてはこちらを参照してください。
    • AWS GovCloud(米国西部)でMeta Llama 3が利用可能に
      AWS GovCloud(米国西部)のAmazon BedrockでMetaのLlama 3 8Bと70Bがご利用頂けるようになりました。現時点でLlama 3は米国東部(バージニア)、米国西部(オレゴン)、カナダ(中央)、欧州(ロンドン)、GovCloud(米国西部)、アジアパシフィック(ムンバイ)でご利用頂けるようになりました。

著者について

Masato Kobayashi

小林 正人(Masato Kobayashi)

2013年からAWS Japanのソリューションアーキテクト(SA)として、お客様のクラウド活用を技術的な側面・ビジネス的な側面の双方から支援してきました。2024年からは特定のお客様を担当するチームを離れ、技術領域やサービスを担当するスペシャリストSAチームをリードする役割に変わりました。好きな温泉の泉質は、酸性-カルシウム-硫酸塩泉です。