Amazon Web Services ブログ
AWS Well-Architected カスタムレンズの発表: 内部のベストプラクティスを使用して Well-Architected フレームワークを拡張する
当社は、2015 年に AWS Well-Architected Framework を公開しました。このフレームワークは、アーキテクチャのベストプラクティスに照らして、かつ、運用上の優秀性、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コスト最適化などの柱にわたってワークロードをレビューするのに役立ちます。2017 年には、サーバーレスレンズ、SaaS レンズ、および APN パートナー向けファンデーショナルテクニカルレビュー (FTR) レンズなど、特定のワークロードタイプを最適化するために「レンズ」の概念を用いてフレームワークを拡張しました。2018 年、AWS ソリューションアーキテクトを必要とせずに、AWS のワークロードをいつでも確認できるように設計されたセルフサービスツールである AWS Well-Architected Tool をリリースしました。
2021 年 11 月 29 日(米国時間)、AWS Well-Architected カスタムレンズの一般提供の開始についてお知らせします。AWS Well-Architected カスタムレンズは、業界、運用計画、および内部プロセスに基づいて、既存のフレームワークを補完するために独自のベストプラクティスを導入することを可能にする AWS Well-Architected Tool の新機能です。カスタムレンズは、統合されたビューを提供し、外部のスプレッドシートやサードパーティーのシステムに依拠することなく、AWS におけるワークロードを測定および改善するための一貫した方法を提供します。
AWS Well-Architected レンズに加えて、カスタムレンズを作成および共有し、ワークロードレビューに含めることができるようになりました。これにより、組織のニーズに合わせてレビューを調整できます。例えば、PCI コンプライアンス、SOC 2 コンプライアンス、または他の国内もしくは業界の規制に照らしてワークロードをレビューするカスタムレンズを定義できます。お客様は、AWS パートナーとして、さまざまな業界やセグメントの顧客とのワークロードをレビューする際に、アドホックなベストプラクティスをカスタムレンズに含めることで、レビュープロセスをより簡単、迅速、かつ包括的なものとすることができます。
新しいカスタムレンズの定義方法
JSON プリセットテンプレートを編集して、新しいカスタムレンズを作成します。このテンプレートでは、質問、選択肢、役立つリソース、改善計画、およびリスクルールを定義します。
AWS Well-Architected Tool からテンプレートをダウンロードし、ローカルで作業して、再アップロードする、という仕組みになっています。
JSON 構造は複数の柱で構成されています。各柱には複数の質問が含まれている可能性があり、各質問には固有の選択肢とリスクルールがあります。
JSON ファイルは次のようになります。
{
"schemaVersion": "2021-11-01",
"name": "My Test Lens",
"description": "This is a description of my test lens.",
"pillars": [
{
"id": "pillar_red",
"name": "Red Pillar",
"questions": [
{
"id": "pillar_1_q1",
"title": "How do you get started with this pillar?",
"description": "Optional description.",
"choices": [
{
"id": "choice1",
"title": "Best practice #1",
"helpfulResource": {
"displayText": "This is helpful text for the first choice.",
"url": "https://aws.amazon.com"
},
"improvementPlan": {
"displayText": "This is text that will be shown for improvement of this choice."
}
},
{
"id": "choice2",
"title": "Best practice #2",
...
}
],
"riskRules": [
{
"condition": "choice1 && choice2",
"risk": "NO_RISK"
},
{
"condition": "choice1 && !choice2",
"risk": "MEDIUM_RISK"
},
{
"condition": "default",
"risk": "HIGH_RISK"
}
]
}
]
...
},
...
]
}
JSON ファイルを送信する準備ができたら、アップロードを続行します。
最初の試行で完璧に実行できなくても心配しないでください。改善して、新しいバージョンを追加できます。
AWS Well-Architected カスタムレンズの動作
カスタムレンズのリストと最新バージョンは、新しい [Custom Lenses] (カスタムレンズ) セクションにあります。
各カスタムレンズには所有者がいて、複数の AWS アカウントと共有することもできます。
この新しいカスタムレンズをワークロードレビューで使用する前に、公開してバージョンを割り当てる必要があります。
[Publish lens] (レンズを公開) を選択し、1.0
などのバージョン名を入力します。
メインフレームワークに加えて、新しいワークロードレビューを作成し、AWS 所有のレンズとお客様の独自のカスタムレンズの両方を適用できるようになりました。
ワークロードのレビューでは、AWS Well-Architected Tool が提供するユーザーインターフェイスと同じユーザーインターフェイスを使用して、カスタムレンズの各柱と質問を確認します。
最後に忘れてはならないのが、カスタムレンズは、AWS アカウント、IAM ユーザー、IAM ロールなど、他の AWS Identity and Access Management (IAM) プリンシパルと共有できるということです。
今すぐ無料でご利用いただけます
カスタムレンズは、AWS Well-Architected Tool が利用できるすべての AWS リージョンで、今すぐ無料でご利用いただけます。既存の Well-Architected Framework および AWS 所有のレンズに加えて、最大 5 つのカスタムレンズを定義して AWS アカウント全体で共有できます。
お客様からフィードバックをお伺いするのを楽しみにしています。当社では、お客様のニーズに基づいて作成および共有のエクスペリエンスを改善するために、イテレーションを迅速に実行していきます。
– Alex
原文はこちらです。