AWS Startup ブログ

新しいマッチングを世の中に届けたい。「くらしのマーケット」開発の歴史とは?

こんにちは、Startup担当事業開発の浜宮 真輔です。

みんなのマーケット株式会社でテクノロジー本部 本部長を担当されている戸澤さんにお話しを伺いました。みんなのマーケット株式会社はハウスクリーニングや引っ越し、家の修理やリフォームを始めとする生活関連の出張・訪問サービスに特化したインターネット商店街である「くらしのマーケット」を運営されています。口コミや料金の比較も可能なうえ、オンラインで予約できます。まさに痒い所に手が届くサービスです。マッチングサービスとして拡大が続くなか、起業当初からシステムを管轄してきた戸澤さんはどのように開発と運用をされてきたのでしょうか?

 

・まずは戸澤さんの経歴は?

2011年1月の創立当初からみんなのマーケットと歩んできました。みんなのマーケットにジョインしたきっかけは、個人的にPythonのブログを書いており、それを見た代表からTwitterでお誘いがきたのがきっかけですね。エンジニアとしての経歴を考えると、中学生時代にまで遡ります。親は公務員でITを専門にしているわけではないのですが、Windows95を買い与えてくれて、PC上で絵を描くことや、ネットサーフィンをしたのがITに触ったきっかけです。特にネットサーフィンで「調べること」が大好きになり、Webサービスをつくって公開するブームを知りました。そしていつしか自分でも作ってみたいと思うようになり、C言語に触って挫折し、その後PerlやPHPにも触った思い出があります。

大学生になるとJavaや C++を使っていましたが、Webサービスを開発するうえでPythonだと書きやすいという感覚をもっており、技術ブログを参考に開発していましたね。例えば、TwitterのUserStream APIを使って地震のアラート配信するアプリも作りました。ただ、自分自身で起業という考えはなかったです。経営的な動きよりプロダクトをつくることが好きだったのです。こう話すと、趣味はプロダクト開発のように思われるかもしれませんが、ランニングやカメラが趣味です。中学生時代にのめり込んでいたカメラに最近またはまっています!

・みんなのマーケットの創業当時は?

2011年から2015年まではインターン含めて2名で開発をしていました。当時はコードを書く面白さを満喫していましたね。コーディングルールや運用プロセスを考えるよりも、とにかくコードを書いていました。当日の開発作業は、主にリリース時から実装していた機能改善がメインでした。例えば、ユーザーが自分のいるエリアを探しやすくするなどUXの改善です。UXの改善は実際にユーザーへの有益なインパクトがありました。ただ、最初の2~3年程度は売り上げがなかなか上がりませんでしたね。でも自分たちが作っているサービスは今の世の中にないものだし、利用者も少しずつでも伸びていたので漠然と期待感があり、不安な気持ちはなかったです。

その後、エンジニアが増えて、自分の仕事もプロダクト全体をみるようになりました。それに合わせて自分の価値観も「コードを書く面白さ」から「ユーザーの中にある課題を解決する楽しさ」に変わっていきました。実際にユーザーさんが喜んでいる声を聞いたり、KPIの数字が上がるのをみて、自分たちの解決策が当たったことを確認できると一番楽しいです。

 

 

・現在の具体的な業務内容は?

プロダクト全体をみているのですが、プロダクトマネージャー(以下、PM)は複数おり、PMに対して開発の視点から意見することが多いです。具体的には「シンプルにすること」「問題を正しく捉えること」。有益なインパクトを与えられるか検討することや、新機能を構築する前に既存機能の活用を促すこともあります。もちろん代表の浜野の意見も取り入れますし、PMから積極的に意見があがる風土は大事にしています。この風土を作るために、PM自身が課題、目的、得られるインパクトを論理的に理解し、それに加えて全体を見わたせるようになるよう意識しています。また開発リソースは有限なので、リソースを最大限に有効活用するために、事前にできるだけ深くメンバーが考えるように意識しています。そのためにもデータ分析は積極的に進めています。データはGlueからAthenaを経由したうえでRe:dashで表示しているのですが、そのアカウントは開発部門だけでなく、さまざまな部署にも渡しています。各部署内でデータ分析を行うことで課題点が可視化され、それぞれが改善していく流れが出来ています。

・創業から現在まで、プロダクトは順調に拡張されてきたのですか?

いいえ、2016年に大きなreplaceを行っています。創業当初はコードの綺麗さを後回しにしていました。しかし、エンジニアが増える段階で新しいメンバーに都度環境を説明するのが大変だったこともあり、replaceを行うと共にコーディング規約も作り、組織で動ける仕組みを整えていきました。システム面においてもマイクロサービスを導入し、組織ごとに開発が進められるようにしました。セキュリティ的にもリスク分散できるメリットもあります。もちろんシステム全体を理解するのが難しくなってきたという側面もありますね。尚、replace以降に限った話ではないですが、既存機能をより良くするためにユーザーの声をプロダクトに反映しています。具体的には、ユーザーにむけて定期的に行っている講座や、コンサルティングチームがユーザーから直接要望を拾い上げてきて、内部で検討を進めると共に、代表の浜野も俯瞰的に評価して対応を決めています。

・技術面での特長は何でしょうか?

新しい技術を積極的に活用することです。いくつか例をあげると、エンジニアリソースが限られているのでAuroraなどマネージドサービスを使うことでプロダクト開発に注力出来るようにしています。また、マイクロサービスの中でコンテナ化できるものはECSに入れていますね。

・AWSの良い点も聞いていいですか?

AWSのプロダクトとしてはLambda が好きです。実行回数が多い割には安いし必要なときだけ実行できる点もありますが、処理の安定性を管理しなくていいことや、Cloud Watchで全て監視できる点も良いですね。

AWSを継続している理由としては、技術面やプロモーションなど手厚いサポートにあると思います。また、新しいサービスが多く出てくるので、より便利に使えるのではないかと期待があります。逆に使い切れないくらいサービスがあるので期待値を超えているかもしれませんね。

あとは、コンサルティングチームはやりとりに電話を多く使っています。Amazon Connectであれば今出来ていないLambda等でシステムと連携もでき、より活用できると期待しています。Amazon Connectが早く東京リージョンに来てくれるといいですね!(取材は2018年11月29日に実施)

戸澤さん、お忙しいところ有難うございました!

 

 

 

 

 

 

 

編集後記)
サービスが成長していく中で、戸澤さんがプロダクトと同様に、メンバーや文化を大事にしている点、そしてメンバーや文化の話をするときの笑顔がとても印象的でした。開発されている皆さんの温かさがプロダクトにも反映されているのだと思います。Amazon Connectは12/11(火)に東京リージョンローンチとなります!

関連情報)
みんなのマーケット株式会社:http://www.minma.jp/

Amazon Connect : https://aws.amazon.com/jp/connect/

このブログの作者)
Shinsuke Hamamiya(浜宮 真輔)

ベンチャー企業を経て2005年に日本IBM入社。金融系の基幹システムにおけるプロジェクト・マネジメントに携わる。2016年に早稲田大学大学院にてMBA取得後、スタートアップ支援とオープン・イノベーションを促進するIBM BlueHubを担当。2018年よりAmazon Web Service Japan, K.K にてBusiness DevelopmentManager-startupsに着任。