AWS Startup ブログ

学生同士がタッグを組み、斬新なサービスを生み出す。Progate ハッカソン powered by AWS

株式会社Progate とアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社(以下、AWS)が共催するハッカソンイベント「Progate ハッカソン powered by AWS」が、2024 年 6 月 22 日(土)、23 日(日)の 2 日間にわたり開催されました。参加条件は、エンジニアを目指している学生であることと 23 日に AWS の会場に来場できること。本ハッカソンの特別ルールとして Amazon Bedrock を使った生成 AI 機能を取り入れることが必須です。

本イベントの参加者は 22 日に AWS の社員から AWS についてのハンズオンを受け、各種サービスの使い方を学びました。そして、23 日は複数のチームに分かれてサービス開発を進め、イベント終盤では作ったサービスについて発表。サービスの評価が高かったチームは表彰を受けます。今回は 23 日の様子をレポートします。

開発時間

イベントが開始されると、まずは開会のあいさつとメンターの紹介が行われました。メンターを務めたのは、株式会社エブリー株式会社AppBrewエムスリー株式会社株式会社スタディスト株式会社ラブグラフの方々。そして AWS スタートアップ事業本部 シニアソリューションアーキテクトの柳 佳音です。

あいさつの後は、12 チームに分かれて設計・開発作業がスタートしました。「Progate ハッカソン powered by AWS」では各チームが自由にサービスの仕様を決め、独自のアイデアを形にしていきます。プログラミングに慣れた経験者もいれば、初めてプログラミングに挑戦する初心者もいて、参加者の幅広さもイベントの特徴のひとつです。

個人戦ではなくチーム戦であるため、メンバー同士の意見交換や方針策定も重要な要素となっています。メンターのサポートを受けつつ、チームメンバーと協力しながら前向きに作業を進める様子が印象的でした。

仲間同士で意見を出し合い課題を解決する姿や、真剣なまなざしでノートパソコンのディスプレイを見つめる姿、手元のメモ帳に設計方針を手書きする姿などが見られ、各々が自分のスタイルで作業に取り組んでいました。このコンテストは単なる競争の場ではなく、互いに助け合いながら成長するための場です。そのコンセプトを体現するかのように、学生たちの熱意と協力の精神がひしひしと伝わってきました。

成果発表

サービスの開発を一通り終えた後は、いよいよ成果発表です。各チームが順番に登壇し、サービスの概要や実際の動作などを説明しました。

「ふくろう」チーム

https://topaz.dev/projects/bff3bb6ba2a32463d7a1

生成 AI を活用して、複数のプレイヤーが旅行のしおりを作るゲーム。ランダムに選ばれた「親」となるプレイヤーは、自分が一番行きたいと思ったしおりを選びます。

「こあら」チーム

https://topaz.dev/projects/e231db4bbc5dcaa285ba

実在の人物のチャットでのやりとりを学習させて作成した AI。テキストや音声で質問すると、AI がテキストと音声で返信をしてくれます。

「ねずみ」チーム

https://topaz.dev/projects/3babbe14917907b783d3

Discord での通話を録音してテキストに変換し、自動的に通話履歴の要約を生成するサービス。面倒な操作は不要で、チャット上でコマンドを実行するだけで簡単に録音管理が可能です。

「あり」チーム

https://topaz.dev/projects/6a0f065df5d9a39924dd

生成 AI を組み込んだ画像伝言ゲーム。1 人がプロンプトを用いて AI に画像を生成させ、他の参加者たちはその画像をもとに「どんなプロンプトだったのか」を推測します。

「しゃち」チーム

https://topaz.dev/projects/ada6839165c2a8d6760f

News API・Claude・Pillow の組み合わせにより開発された、ニュースの情報をもとに 4 コマ漫画を自動生成するサービスです。

「とら」チーム

https://topaz.dev/projects/3810c8d84f510e993a9e

音楽を流すと、ジャンルに応じて紅葉の画像が生成されるサービス。「ロック音楽」をテーマにコンセプトを考え「6×9=54(ロックに紅葉)」と発想したのだそう。

「えび」チーム

https://topaz.dev/projects/5e15f8c85371ea4df214

エントリーシートの回答を自動生成するサービス。自分の経歴を入力しておくと、その内容をもとに各種エントリーシートへ回答を記入してくれます。

「くじら」チーム

https://topaz.dev/projects/0c85d32b53b191bda64f

自動生成された迷路を探索するゲーム。迷路のゴールまで到達すると、そこに待ち構えているロックスターとチャットできます。

「かば」チーム

https://topaz.dev/projects/c2b70f218e31d6ed65d6

ネット掲示板のような書き込みを自動生成するサービス。書き込みに対してユーザーが返答を入力すると、その内容を踏まえてさらなるスレッドが展開されます。

「さめ」チーム

https://topaz.dev/projects/50000e690d4c77e6b627

逆アキネーターというサービス。通常のアキネーターとは反対の仕様になっており、AI に質問をくり返すことでお題を当てます。

「りゅう」チーム

https://topaz.dev/projects/6ce7397d5599754c0ede

不動産の運用や投資に関する記事の投稿・販売プラットフォーム。チャットボットでの質問機能やサムネイル自動生成機能などにより、利便性を高めています。

「まぐろ」チーム

https://topaz.dev/projects/9d3f486a96a425506f3b

Web 開発でよく使う単語を生成するタイピングゲーム。技術に対する理解を深めながら、タイピングスキルを向上させることができます。

表彰式

各チームによる発表を終えた後は、表彰が行われました。

エムスリー賞:「えび」チーム

「えび」チームの方々

「テクノロジーを活用して、面倒な作業を効率化すること」はサービスを作るうえで大切な考え方です。「えび」チームの開発したエントリーシートの回答を自動生成するサービスは、その視点が特に優れていると評価されました。

スタディスト賞:「あり」チーム

「あり」チームの方々

生成 AI 画像伝言ゲームを開発した「あり」チームが受賞。サービスとしての完成度が高いこと、そして「実際に友人たちと遊んでみたい」と思えるような機能や UI になっていることなどが評価されました。

AppBrew 賞:「さめ」チーム

「さめ」チームの方々

逆アキネーターを作った「さめ」チームが受賞。他のチームが開発したサービスは、AI がコンテンツを生成するのに一定の時間がかかっていました。一方で逆アキネーターは「はい」「いいえ」のようなシンプルな回答を返すためレスポンスが高速。優れたユーザー体験が評価されました。

ラブグラフ賞:「ふくろう」チーム & 「とら」チーム

「ふくろう」チーム & 「とら」チームの方々

旅行のしおり作成ゲームを開発した「ふくろう」チームと、音楽による紅葉画像生成サービスを開発した「とら」チームがダブル受賞。同社の提供する「ラブグラフ」が出張撮影サービスであることを踏まえ、「旅」や「紅葉の風景」との関連性の高さが授賞理由となりました。

特別賞:「りゅう」チーム

「りゅう」チームの方々

不動産の運用・投資記事の投稿・販売プラットフォームを作った「りゅう」チームが受賞。開発時間内にサービスの機能がほぼ完成していたこと、生成 AI だけではなく決済機能も組み込まれていることなどが評価されました。

優秀賞:「まぐろ」チーム

「まぐろ」チームの方々

最優秀賞:「かば」チーム

「かば」チームの方々

優秀賞・最優秀賞は各審査員の採点を合算して決定。ネット掲示板書き込み自動生成サービスを開発した「まぐろ」チームが優秀賞を、Web 開発用語生成タイピングゲームを開発した「かば」チームが最優秀賞を受賞しました。

そして、授賞式の後は懇親会を実施。プログラミングに対する前向きな気持ちやサービス開発への高いモチベーションを持つメンバーが集まっていることもあり、どのテーブルでも会話に花が咲いていました。

おわりに

以上で 2 日間にわたる「Progate ハッカソン powered by AWS」は幕を閉じました。学生がこうしたハッカソンイベントに参加することは、キャリアにおいて大きな意義があります。

異なるバックグラウンドや特性を持つ仲間との協働を通じて、チームワークやコミュニケーションのスキルが向上します。限られた時間内でアイデアを具体化し、問題解決に取り組む経験は、実践的な設計・開発のスキルを養う絶好の機会となります。また、専門家からのフィードバックや他のチームとの交流を通じて、視野が広がり自身の成長を促すでしょう。

Progate と AWS は今後も、ハッカソンイベントを積極的に開催します。この記事を読んでくださっている方々も、ぜひイベントにご参加いただければ幸いです。