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会話型AIとAmazon Lexを使って、公共部門におけるお客様との関わり方を変革する4つの方法

この記事は、“4 ways conversational AI and Amazon Lex help the public sector transform customer engagement” を翻訳したものです。

カスタマーエンゲージメントは進化しています。ユーザーは、質問して答えを得たり、トピックについて学んだり、タスクを完了したり、好きなチャネルで都合の良い時間にコミュニケーションをとりたいと考えています。それと同時に、公共部門の組織は、従業員、ユーザー、コミュニティをサポートし、エンゲージする方法を革新する必要があることに気づいています。公共部門は、情報へのアクセスを容易にし、ユーザーエクスペリエンスとエンゲージメントを向上させ、複数のコミュニケーションチャネルをサポートすることでリーチを拡大し、インテリジェントな自動化によって効率性と拡張性を向上させたいと考えています。会話型人工知能(AI)とチャットボットは、カスタマーエクスペリエンスの変革、エンゲージメントの向上、サービスの改善、よりシンプルなスケールアップを行うために活用できます。会話型AIとチャットボットは、公共部門の組織に何をもたらすのでしょうか?

1. 情報への容易なアクセスを容易

Web サイトの情報量が増えるにつれて、ユーザーが探している特定の情報をすばやく見つけることが難しい場合があります。Amazon Web Services(AWS)が提供する、自然言語理解(NLU)と自動音声認識(ASR)を内蔵し、音声とテキストを使った会話型インターフェイスを設計できる Amazon Lex のような会話型 AI ソリューションにより、ユーザーはシンプルで自然な方法で情報を求めることができます。

オンタリオ州の公共サービス安全衛生協会によって構築されたチャットボットは、いくつかの質問をするだけで、会話に誘導し、安全のためのトレーニングのスケジュールやCOVID-19状況下の職場の安全に関する最新情報などを見つけることができます。医療分野では、ランカスター大学のヘルスイノベーションキャンパスが Amazon Lex を使用して、ソーシャルメディアを通じて乳がん検診に関するよくある質問に答えています。

組織は Amazon Lex を使用してチャットボットソリューションをいちから構築することも、 Amazon LexAmazon Alexaを使った QnABot邦訳)というAWS の構築済み質疑応答チャットボットソリューションを使うこともできます。オクラホマ州立大学 — オクラホマシティは、QnABot を使用してチャットボットソリューションを構築し、学生へのサービス提供を拡大しました。彼らは、QnABot を AWS エンタープライズ検索エンジンサービスである Amazon Kendra と統合することで、チャットボットの知識や、さまざまな追加データソースから回答を抽出する能力を拡張しました。

2. ユーザーエクスペリエンスとエンゲージメントの向上

組織は会話型AIを使用して、ビジネス上の問題に型破りな方法で取り組み、イノベーションを起こしたり、思いがけない方法でユーザーを巻き込むこともできます。学生は、音声で起動するNASAの火星探査機レプリカに「話しかける」ことができます。ジョージア州のジョンズクリーク市の市民は、自宅のリビングルームからAlexaに公園の開園時間や税金に関する情報を尋ねることができます。米国心臓協会の将来のハートウォークに参加したい人は、声だけでHeartWalk.orgに簡単に登録することができます。また、患者は、UsAgaintalzHeimer’s で脳の健康を管理するためのカスタマイズされた教育やサポートを受けることができます。

幼児教育の再構築を目的としたスタートアップであるROYBIは、言語障害への対応や子供たちにもっと話してもらう方法を徹底的に再考しています。会話型AIとロボット工学を組み合わせた彼らのソリューションは、子供たちにとって魅力的で楽しい、インタラクティブな学習体験を作り出します。

オクラホマ州立大学 — オクラホマシティなどの他の組織は、Amazon Lex と自然言語処理 (NLP) サービスである Amazon Comprehend などの他の AWS AI サービスとを組み合わせて、チャットボットがどのような質問に答えられなかったかを把握します。このソリューションにより、学生との会話数が倍増し、学生からのエンゲージメントが全体的に向上しました。

ニューヨーク市の非営利団体である Streetlives は、Amazon Lex、Amazon Comprehend、および音声からテキストへの文字起こしサービスである Amazon Transcribe を使用することにより、識字能力が低い人々が、融通のきかない構造化された一連のオンラインフォームを使用する代わりに、彼らの言葉で状況を説明できるようにし、よりいろいろな人が参加できるプラットフォームを作成します。

3. 複数のコミュニケーションチャネルを使用したリーチの拡大

ウェブサイトにチャットウィンドウを開設することはスタートとしては良いのですが、十分ではありません。お客様がどこにいても、彼らが選択したプラットフォームを通じてエンゲージを深めたいのだと思います。ランカスター大学のヘルスイノベーションキャンパスは、Facebook MessengerにAmazon Lexチャットボットソリューションを導入することで、重要な乳がん検診の予定への出席率が13% 増加しました。ジョンズクリーク市は、Alexaを使って、住民によくある質問への回答にアクセスするための別の方法を提供しました。ROYBI社はAmazon Lexを教育用ロボットに統合し、MetroplusHealth社はAmazon LexAmazon Pinpoint を使ってSMSチャットボットを構築しました。

お客様は、会話型AIソリューションをコールセンターと統合することで、音声インターフェースを提供することも考えています。このような統合により、電話でのユーザーの問い合わせを処理できる音声ベースの会話ボットを構築できます。このソリューションは、よくある質問やリクエストへの対応を自動化することで、通話量の削減に役立ちます。また、電話をフィルタリングして、インテリジェントな転送ルートの制御を実現できます。AWS では、Amazon Lex と AWS クラウドベースのコンタクトセンターソリューションであるAmazon Connect を使って、この統合をすぐに開始することができます。

4. インテリジェントな自動化によるスケール

公的部門の組織は、よくある質問への回答を記録し、よく要求されるアクションを自動化し、会話型AIソリューションと統合することで、待ち時間とコールセンターでの離脱率(繋がる前に切断されたコール)を減らし、テキストまたは音声による大量のリクエストを処理する能力を高めることができます。

ウェストバージニア州の労働力局では、チャットボットソリューションのおかげで、COVID-19パンデミック下での、失業保険のリクエスト数増加のスパイク(急増)に対処することができました。このソリューションにより、通話の 90% を自動的に解決し、カスタマーサポートチームは優先度の高いリクエストに集中することができました。ジョンズクリーク市では、このソリューションにより、着信コールの 60% を適切な部署に転送し、市役所の受付係の通話量を半分以上削減することができました。

もっと詳しく

会話型AIを利用して、情報へのアクセス性を高め、ユーザーエンゲージメントを向上させ、コミュニケーションチャネルを拡大し、増加するリクエストに対応する能力を高める方法を考えることができます。始めるための情報はこちら

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翻訳は Solutions Architect 今井が担当しました。原文はこちらです。