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Amazon Q Developer は Java 21 へのアップグレード対応を発表
本記事は 2025 年 3 月 6 日に公開された “Announcing support for upgrades to Java 21 in Amazon Q Developer” を翻訳したものです。
2 月 14 日、Amazon Q Developer は Java 21 へのアップグレード対応を発表しました。Java 開発者として、この新機能にはとても興奮しています。これにより、アプリケーションを最新の状態に保ち、最新の言語機能やパフォーマンス向上を活用しやすくなります。さらに、最新バージョンの Amazon Q Developer は、アップグレードプロセスを簡素化し、結果に対する信頼性を高めるために、要約と推奨機能が改善されています。
Amazon Q Developer は、エンタープライズアプリケーションのモダナイゼーションを加速させるのに役立つ生成 AI を活用したアシスタントです。レガシーコードの分析、依存関係のマッピング、移行・モダナイゼーションワークフローの実行など、複雑なタスクを処理できます。Amazon Q Developer により、チームは Java アプリケーションのアップグレードといった手間のかかる作業に追われることなく、より戦略的な取り組みに集中できるようになります。
新しいリリースごとに、重要なセキュリティ修正、パフォーマンスの強化、新しいフレームワークやライブラリのサポートが行われるため、Java のバージョンを最新の状態に保つことは非常に重要です。しかし、大規模な Java コードベースを手動で移行するのは非常に負担の大きい作業です。そこで Amazon Q Developer が大きな役割を果たします。退屈で労力のかかるアップグレード作業をオフロードすることで、チームはより迅速に重要な更新を提供でき、システムへの影響も最小限に抑えることが可能になります。
Java 21 の利点
Java 21 へのアップグレード機能の追加により、Amazon Q Developer は Java 8、11、17 から Java 17 または 21 へのアプリケーションのアップグレードをサポートするようになりました。私が特に期待している Java 21 の主な利点には以下があります。
仮想スレッド: 仮想スレッドは Java 19 で導入された新しい並行処理の仕組みであり、高スループットな並行アプリケーションの開発、保守、デバッグの負担を軽減します。これにより、アプリケーションのパフォーマンスが大幅に向上します。
パフォーマンスの改善: Java 21 では、Sequenced Collections、Record Patterns、Pattern Matching などのさまざまな言語機能が強化されており、処理速度と効率性の向上が期待できます。
メモリ管理の向上: Java 21 の Z Garbage Collector の強化により、ガベージコレクションの一時停止時間がより予測しやすくなり、メモリ使用量も削減されます。これにより、アプリケーションの安定性と応答性が向上します。
Amazon Q Developer を活用してチームの Java アプリケーションを Java 21 にアップグレードすることは、大きな変革となります。これにより、すべての Java コンポーネントを手作業で移行するために必要だった膨大な時間を節約できます。
Amazon Q Developer によるアップグレードプロセスの簡略化
Amazon Q Developer を使用すれば、Java アプリケーションを Java 21 に簡単にアップグレードできます。プロジェクトの設定を行い、必要な前提条件を満たしたら、統合開発環境 (IDE) の Amazon Q Developer チャットウィンドウで /transform
コマンドを実行するだけです。以下のスクリーンショットは VS Code のものですが、Q Developer は IntelliJ IDEA を含む JetBrains の IDE や qct
コマンドラインにも対応しています。
Amazon Q Developer はコードベースを分析し、Java 21 へのアップグレードに必要な変更を特定します。その後、詳細な差分を提供するため、変更内容をレビューし、適用することができます。これにより、時間を節約できるだけでなく、すべての Java アプリケーションに対して一貫性のある高品質なアップグレードを実現できます。
最新バージョンの Amazon Q Developer では、Java 21 へのアップグレード対応に加えて、変換完了後に提供される要約と推奨事項も強化されています。Java 21 へのアップグレードが完了すると、Amazon Q Developer は非推奨 API の削除や、新しい Java 機能を活用するためのコードのリファクタリングなど、変更内容の詳細なサマリーを生成します。さらに、Java 21 の機能を最大限に活用するためのカスタマイズされた推奨事項も提供されます。たとえば、Amazon Q Developer はロギングフレームワークのアップグレードや、パターンマッチングの導入によるコードの簡潔化を提案しました。これらの要約と推奨の機能により、スムーズで包括的なアップグレードプロセスを実現できます。
最後に、Q は Java 21 へのアップグレードにとどまらず、アプリケーションのさらなる改善に向けた推奨事項も提供します。たとえば、Q は以下のような推奨を行いました。
要約と推奨の機能により、スムーズで包括的なアップグレードを実現できます。開発者は詳細な変更内容をレビューし、その背景を理解した上で、提案された最適化を選択的に適用することができます。これにより、Java 21 の利点を最大限に活用できるようになります。Amazon Q Developer の透明性とガイダンスにより、アップグレードプロセスが大幅に簡素化され、最終的なコードベースに対する信頼性も向上します。
まとめ
まとめると、Amazon Q Developer の新しい変換機能により、Java 21 へのアップグレード作業の負担が大幅に軽減されます。Amazon Q Developer が提供する詳細なサマリーとカスタマイズされた推奨事項により、スムーズかつ包括的なアップグレードが可能になり、プロセス全体が効率化されます。この機能を活用し、チームの時間をより価値の高い業務に充てられることを楽しみにしています。Java 開発者の方には、ぜひ Amazon Q Developer を試してみることをおすすめします。始めるには、Amazon Q Developer の使用を開始するページをご覧ください。
翻訳はApp Dev Consultantの宇賀神が担当しました。